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9.  婚姻相手?

朝から全身をつるぴかに磨かれております。


美味しい朝食の後、有無を言わせず浴室に連れて行かれました。

美容バージョンでのタッチングで磨かれたと思ったら、今度は必要以上に飾り立てられています。

今日は王宮内を歩くだけなんですけれど。

首を傾げていると、この国の侍女さんが大変熱心に教えてくれました。


第二王子殿下は最優良物件、なのだそうです。

婚姻相手としては最高のお相手、という事ですね。


え? 婚姻相手?


確かに王太子との結婚はご免こうむる、と思っていますが、正式にはまだ取り消されておりません。

国に返して下さらないなら、チェンジして頂きたいと本気で思ってはいますが。

それよりも皆さんいいんですか、自国の王太子との婚姻を拒絶されても。あ、いいんですか。そうですか。

個人としては安心しましたが、同じ王族の人間としては少々複雑ですね。

何せ自国の人間から軽くあしらわれているのですから。

まあ、彼の人の場合は自業自得ですけれど。

今の私には身に詰まされる言葉です。


でも、意外ですね。第一王子の方が人気がありそうですけれど。見目も良いし、おそらくは次代の宰相ですから地位も高い。

そう思って聞いてみると、「遠目に」(と、ここを必要以上に強調されました)眺める分には確かに人気があるのだそうです。でも、婚姻相手となると、第二王子の穏やかな人柄の方が人気が高いそうです。


そういうものですか。


地位よりも家庭の安寧が重要なのですね。ほ~。


ここに居る皆さんも第二王子派なのかと思ったら、人柄については同意するけれどそれだけなのだそうです。

年頃の方ばかりなのに、恋愛方面には余りご興味が無いようですね。

身近にそういう人がいるので、驚きはしませんが。


そう思って鏡越しに見てみると、本人と目が合いました。

とっても綺麗に微笑まれてしまいましたよ。


反射的に微笑み返したものの、何だか落ち着かない気分になりました。


何にも企まなくていいですからね。

そういうのは、もう充分間に合っていますから。

身支度の最終チェックを受けながら思いを込めて見つめてみましたが、華麗に素知らぬ振りをされました。

お~い。


心配事が増えました。


ため息をかろうじて堪えた所で、第二王子がいらっしゃいました。


仕方がありません。取り合えずは目の前の事に集中しましょう。

侍女さん達のご意見も踏まえた上で、第二王子殿下とお知り合いになれたらと思います。





ありがとうございました。

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