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8.  不穏です。

王女殿下とのお茶会は、思いがけず楽しいものでした。


今まで、年下の方との交流はほとんどありませんでしたから、とても新鮮な体験でした。

後数年もすればきっと立派なレディにおなりでしょう。

是非、二の兄様のお嫁さんに欲しいですね。


その辺りのお話もしておきたいと思い、第一王子殿下に面会を求めたのですが、すぐには時間が取れないとの事。

舞踏会の準備で忙しいそうです。

国中から人や物が集まってきますからね。

自分が主賓になっているので余り無理も言えません。


どうしても避けたかった舞踏会の名目は「歓迎会」になっていました。


事前告知では王太子妃のお披露目になっていたはずです。

王太子妃といえば未来の王妃。随分あっさりと「歓迎会」に切り替わりましたね。

話し合いが必要だろうと覚悟していたのですが。

王様は結構必死に婚姻を成立させようとしていたようにお見受けしましたけれど。


う~ん。


まさか、王様と第一王子の意見が割れている。

なんて事はないでしょうね。

不穏です。


私としては、王太子との婚姻だけは全力で回避するつもりですので、今回は非常に助かりましたが。

だからと言って、単純に第一王子と仲良く出来るとも思えません。

やはり、舞踏会前に少しでもお時間を取って頂かなければ。

聞きたい事が倍増です。


この国の人達は、自国をどうしたいのでしょうか。

お国事情、というものがありますから、私が口出し出来る事ではないですけれど。

民の事を一番に考えて頂きたいです。


こちらに来てから耳にした事柄には、時折違和感を感じていました。

それは、私の知らない事が多いという事なのかもしれませんが、隠されている事もありそうです。


今更ですが、反省しています。


いえ、誰かさんとの事ではありませんよ。

それよりも前の段階の事です。


この婚姻については、政略結婚なのだから、相手の国へ行ったら務めは完了、と簡単に考えていました。

決まった事なので判断は不要だろう、と事前の情報収集を怠ってしまいました。


今のこの状況は、自業自得ですね。

それ以上の思惑も感じてはいますが。


思わずため息が出てしまいました。


その途端、侍女さん達に取り囲まれていました。

何でしょう。

いえ、熱はありません。喉も腫れていませんよ。お医者様はいりませんから。

皆さん、落ち着いて下さい!


やれやれ。


医師の診察は免れましたが、寝台に放り込まれてしまいました。


ま、いいか。


実は明日、第一王子の代わりに第二王子が派遣されてくるんですよ。

王子自らが王宮内を案内して下さるそうです。贅沢ですね。


丁度良いので、早寝をして気力と体力を蓄えておきましょう。


反省を踏まえて、現状の打開に努めたいと思います。





ありがとうございました。

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