1話
◇性転換要素があります。ご了承くださいませ。
(登場キャラ全員、小説を書いているグループの人の性別を反対にしたため)
ここは、とある工業高校写真部。暗室前教室。
「今日も部活を始めたいと思います。今日は、撮影会でもしようかと思います。この中にモデルになってくれる人いますか。」
そこでは、肩口まで伸びている茶髪を首元で束ねた一見クールな女子高生が部長として、流暢な敬語で部を仕切っていた。彼女を喜村優姫といった。
「はい!はいはい!俺がやる!俺がモデルやる!」
このテンションがイかれてるのは、堀北和希というこの部唯一真面な男子である。全力でしゃべり、敬語なんて知らないし、とてもフレンドリーである。語尾にビックリマークがいつもついているように喋る。背が高くて短髪な彼は、片手でリンゴを潰すことを容易に行ってしまう。それ故に運動部に所属していそうなのだが、ある日を境に運動が出来ない体になってしまったのだ。その話は、またいつか。
「では堀北君。モデルお願いします。リンゴを握り潰す瞬間をカッコ良くお願いします。もちろん良い絵が撮れるまでお願いします。」
ちなみに喜村優姫は天然ボケ(又の名を無茶振り)という、何とも言い難い性格を持っている人間である。
「えー!?堀北君がモデルやるんですか……。」
「そうでした。上原さんは男性恐怖症でしたね。では、恭子さんお願いします。」
「……うん。」
先ほど「えー」と言い、堀北がモデルをするということに反対をしたのが上原愛乃という。持ち前の地味に高いテンションを武器に、友達をすぐ作る事が出来るのであるが、男だけは無理なのである。その為か女子の前では元気っこで、男子の前では少し声のトーンが落ち、曖昧な敬語が混ざったりする。容姿は肩甲骨辺りまでの髪をサイドテールに束ねているのだが、束ね方が時折乱雑であったりする。
冷たく「……うん」と返事した恭子と言う少女は、草凪恭子という。普段無口なせいで他人とコミュニケーションをまともに取る事が出来ない現状である。しかし本人は寂しがり屋で、容易にコミュニケーションを取れるようになる日を思い描きながら生活している。恭子は15文字以上の言葉を連続で発言することは殆ど無く、叫ぶことなど論外である。高校生の割に身長が小さく、145cmしかないのである。それ故か髪の毛は背中まである黒髪ストレートであり、それは背を高くしたいという執着心からである。因みに副部長である。
「おおぉぉぉぉーーーー!撮りますよぉぉぉぉぉぉぉ!!」
いきなり叫んだのが、井口瑞樹。少し叫びグセがあるようで、授業中までも叫んでしまい、同じクラスの恭子と上原に迷惑をかけることも屡々。叫びグセがある反動なのか、普段はあまり話さない無口な少年である。恭子と同等。とまではいかないが無口である。実は部活創設者であるが、無口なために部長を喜村に任せるしかなかった。運動神経は抜群で、中学の頃は陸上世界大会にも出たとか。常に眼鏡をかけており、本人曰く伊達眼鏡だそうだが、実は度が入っているのだ。身長は179.5という高身長で、髪は首まである。いつも辛い物を持っている。因みに今日の辛い物はキムチである。1番謎である。
「もう少し静かに出来ないですか?森のクマさんでも、もう少し静かにしてますよ~~。この部活のことはどうなっても私には問題ないですけど。顧問をしているからには、言っておくのが正しいかとおもったので。」
「阿理守先生。顧問の仕事……いえ。先生の職務をしっかりやっていただけないでしょうか。私達が教頭先生に怒られてしまいます。」
「すいません。私、童話とかにしか興味ないので。」
この童話大好きな人は、外柄阿理守という。女の先生と言えば生徒達と友達のように接している光景が一般的だが、阿理守は良い先生とは言い難く、恭子と背もあまり変わらないが、髪は足元まで伸びておりモデルの様な顔立ちである。あまり上手くはない敬語を使ってはいるのだが、敬語と友達言葉が混ざってしまうのである。補足だが阿理守には子供が1人いる。しかし、離婚してしまっており、現在は女手1つで育てている。それは、阿理守の好きなものが童話だと知らずに結婚した男が、耐えきれなくなったからである。
「今日は教頭先生いま会議中だから来ないですよ。私は顧問として、静めて来いと言われた。」
「わかりました。静かにしてますので、先生は会議に戻ってください。」
「そうですか。ではリスのようにさっさと戻りますよ。」
そう言うと、阿理守は部室を後にした。
「では、撮影会を始めましょう。恭子さんお願いします。」
「……理解した。」