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無常
刻まれた印は
深く
そして狭く
V字の谷は消えることなく
在る
在り続ける
癒えることなく、永遠に
清らかな流れは
続く
遥か先まで
疾く泡を立ち上げながら
来て
去ってゆく
立ち止まることなく、永遠に
崖の上の御堂は
建ち
消えてゆく
移ろいゆく世の流れに
命を
預けながら
その時を待ち続ける。永遠に
八十余年の人生は
続く
続いてゆく
長いようで風のように
灯は
小さくなり
多くの悲しみに包まれて、終焉を迎える
世の摂理は無常に満ちて
刹那な逢瀬を謳歌する
別サイトに掲載していたものに、加筆修正したものです。