Ⅱ 愛執
それを見ていると事物に固執し、囚われる
それを見ていないと不安に支配されて中身が落ちてしまいそうになる
囚われたままで良いのだと結論つけたから、固執しているのだろう
2 愛執
「見えた」
スノウが歓喜の声をあげる。
セレンがスノウ達の所へ向かい、カルティナが兄を抑えている時スノウたちは父の寝室といわれる建物が見え始めたところだった。
寝室と名前はついていても大きな雲の上に一つ大きな宮殿が建っている。父一人がようやく出入り出来るだけの大きさの入り口があるだけで、そんなに立派なものではない。ただその大きさが、スノウ達の何十倍とあるのだ。
神の大きさがわかる。
顔はおろか姿さえ見た事ない父。本当に存在しているのかさえ分からない。
存在してから、目をあけるのは何十年かに一度で、その時は必ず地上のどこかが壊れる。大きすぎる力を抑えるためにずっと眠りについているのだとスノウ達は聞かされていた。
人為的な物は勝手に起こるからとローレンには言ったものの、彼女の町が壊れたのは父のせいではないだろうかと最近スノウは考えていた。
「スノウ、見ろ」
ぼんやりとしているスノウにクアスが言った。
視線の先にはローシャを抱えたセレンの姿がうつる。
「ローシャちゃん!!」
「スノウ・クアス?」
彼女の名前を呼んだことで、姉がこちらに気がつく。
姉は弱々と羽ばたくとスノウ・クアスの目の前で止まる。
先ほどのやり取りなど知らないスノウは、ローシャの無事を確かめると姉を心配し声をかけた。
「どうしたの姉さん」
その言葉にスノウの存在が感じられると姉は安心してローシャをスノウに渡し強く言った。
「スノウ!!よかった、彼女が気がついたら地上のことを強く念じさせるのよ」
ローシャの手を強く握り「兄様はこの娘を殺してしまうわ、殺されたら魂は分裂して新しい天使になってしまうのよ。地上に逃げれば手は出せないはず」そう言う。
「姉さんが、こんな所に連れてくるから悪いんだろう」
そもそもの原因であるクアスは姉に抗議すると姉は深く頭を下げた。
「ごめんなさい。あなたを助けるためだって思って、でもほんとは兄様は実験がしたいだけだってわかったの」
その一言で、スノウもクアスも責めることはできなくなっていた。
「確かに兄貴の言い分は正解かもな。同じ場所で同じ存在で居られるなら、ここで天使してればいいじゃないか」
「魂が分裂したら、おんなじ存在じゃないでしょ!!」
構わないというクアスを真っ向から否定するスノウ。ゆっくりローシャを揺さぶると彼女の息が漏れる声がした。
「う‥‥ん」
「ローシャちゃん?」
「よかった大丈夫みたいだね」
ローシャの瞳がスノウ・クアスを見つめるとスノウは安心してそういった。
「早くスノウ。地上のことを‥‥」
背を向けてセレンは言う。
「ローシャちゃん、何か地上のことを思って」
「地上?なにかって‥‥」
突然言われれば思いつかないのは当然だが、今はそんな事をいっている場合ではない。
「何でもいいんだよ。早くしろよ」
クアスがせかす。
「クアス失礼だよ」
「うるさい、失礼とかの問題じゃないだろ」
確かに失礼とかの問題じゃないことはスノウにも分かっている。
「‥‥スノウ?」
「ローシャちゃん。僕じゃないよ、この口が悪いのはいつも話してたクアスね」
あせってスノウが言う。クアスの失礼な態度を自分がとったと思われたくないからだ。
「大丈夫。違うって分かるから」
そういってローシャは目をつぶった。
小さな声で「おかあさん」と言葉が発する。
お母さん、その言葉にスノウ達の胸がちくりと痛んだ。
「何だ今の」
クアスが驚き胸をおさえる。
「何?今の」
姉も同じように胸をおさえる。
「お母さんじゃ駄目だよローシャちゃん、今生きてる人じゃなきゃ」
「だめ、なんでかお母さんしか思いつかない」
ローシャは涙を流しながら、思いつく母の顔を振り払おうとした。
「どうしてか教えて欲しいですか」
「カルティナ!!」
「セレン、ごめんなさい‥‥。一人じゃ‥‥無理」
兄に手を引かれたセレンの髪は乱れ、顔や首筋には赤くなっていた。洋服で隠れている部分も、もしかしたらもっとひどい事になっていたのかもしれない。
「か弱い姉さんに力づくとはな」
その光景に許せなかったクアスが兄に噛み付く。
「僕もかわいい妹に手を出したくなかったんですけどね」
あまりにも、言うことを聞いてくれないから‥‥とヒューイックが言ったときローシャがつぶやいた。
「‥‥おかあ‥さん?」
スノウは驚愕の表情でローシャを振り返る。
彼女は今何といっただろうか?自分の耳を疑っていた。
「わかったかい?スノウ」
手間が省けたとマーロ・ヒューイックが軽く笑った。
「どこかで気配がするのよスノウ、どこかにお母さんがいるのよ。だって天国なんでしょココ」
ローシャの声はスノウには届かなかった。
開いている瞳もローシャをとらえてはいなかった。
姉の「魂は分裂して新しい天使になってしまうのよ」という言葉が何度も、何度も頭の中を流れる。
姉の言う言葉が正しいのだとすれば、彼女の母はバラバラになって‥‥僕達に?
兄弟がそろったところでローシャが母を感じたとしたのなら、僕らは彼女のお母さんから生まれたという事‥‥。
じゃあこの彼女を大切にしたい、という気持ちは彼女の母の母性愛から造られた愛情?
「僕らがお母さん?」
「しっかりしろよ」
悩むスノウの心にクアスの声が響いた。
「俺らは彼女の母が死んだときはすでに存在していた。兄貴が生まれたのはもっともっとまえだ」
同じ母性愛ならば、クアスだってローシャのことが好きになっているはずだ。クアスにはそんな気配はまったく感じられない。
「クアスはローシャちゃんが好き?」
「全く、気にならない。むしろ兄貴に差し出したいぐらいだ」
確認のために一言聞くと、そう帰ってくる。スノウの頭のもやもやがなくなった。
「この想いは生まれる前からなんてない僕だけのものだ。ローシャちゃん‥‥待ってる誰かを思って」
たとえば坊ちゃまとか‥‥と言いかけてスノウは言葉に詰まった。たとえ今彼女の命の危険が迫っていたとしても、彼のことを思って地上に帰って欲しくないそう思ったからだ。
確かにローシャはスノウよりもローレンのことを思う力が強いだろう。それが分かっていて素直に名前は出せなかった。
「ほらベルゼブとか、ローシャちゃんを待ってる大事な人は居るだろ」
両手でローシャの体を支えると力いっぱい飛んでその場から離れた。
兄も姉ももう誰も要らない、彼女だけが大事だ、そんな僕の気持ちは僕だけが創った。だから空を捨てて地上におりたんだもの。
「ベルゼブ‥‥ローシャの大事な家族。どうして想えなかったんだろう」
ろしゃちゃん?といういつもの声が聞こえたような気がした。
「ベルゼブ。どこ、どこにいるの」
スノウはベルゼブブの気配を探し出した。彼の気配につかまれば地上に逃げられると分かったからだ。
地上‥‥ローシャが生きてきた場所。スノウが思いをはせた場所。
何もないけれどローシャがいる、本当の天国。
「地上に、行きたい」
背中の羽がざくりと痛んだ。見れば片羽が腐ったかのように腐臭を放ちながらドロドロと溶け出している。
痛みのせいか、飛行が安定できない。
「呪いだな」
剥き出しの骨を見ながらクアスは言った。
「僕が地上に逃げたから?」
スノウの後悔の言葉がはじまる。
「違うだろう。あの最低男の呪いだ。どうしてもこの女を天使にしたいみたいだな」
冷ややかにクアスは否定した。
「僕のため?」
肩を握る手に力がこもった。その力の主は後悔するスノウ、憎悪するクアスそのどちらともの気持ちが外部にあふれ出ていた。
「違うだろう。自分の研究のためだ」
自分の研究のため、そんなことが何だというのだろう。
「しかたないなぁ」
クアスはめんどくさそうに言う。
「このままだと捕まっちまうからな‥‥。この呪い俺が引き受けてやる」
落ちる高度に、このままでは逃げられないことを悟ったクアスの決断。スノウはそれに気がついて止めようとした。
「そんな事したらクアス」
「わがままは最後まで通せよ」
身体は一緒なのだからと、口を閉じて言葉を発せないようにするスノウの抵抗は無駄に等しく、クアスは言葉を発する。地上に降りるために兄の書庫から盗み出した呪文の言葉。覚えている単語をぶつぶつとつぶやくと腐った羽を持ったクアスときれいな翼のスノウに分かれる。
「こう見てると正しい姿のような気がするな。いい子ちゃんのお前がきれいな翼を持った天使で、俺みたいなひねくれ者は腐った翼を持つ悪魔って感じだし」
「クアス‥‥」
「堕天使のほうがかっこいいかな‥‥」
腐臭を放ちはじめたクアスの翼が痛々しくてスノウの表情は曇っていった。
生きながら自分の一部が腐っていく痛さに表情も変えず、無理やり作り出した笑顔でスノウの背中を叩くと、後ろを向いて元居た場所に向かって行った。
「クアス」
クアスの姿が見えないぐらい小さくなるとスノウはローシャを見つる。
「さぁローシャちゃん。帰ろう」
ローシャは静かにうなずいた。
「どうして邪魔をするんだクアス」
進行方向から向かってきたクアスにさえぎられ、マーロ・ヒューイックは立ち止まる。
「あんたが嫌いだからだよ」
当然じゃないかという笑みを浮かべ腕を組む。
「スノウが居ないとスノウもお前も消えてしまうんだぞ。そんな事にならないように僕らが手引いてやってるんじゃないか」
クアスを押すとふらふらと後ろに簡単にふっとぶ。
「こんなに体が弱っているのに」
そう言いながら立ち去ろうとする兄の手を掴み後ろから羽交い絞めにする。
「こんなものぐらいでは邪魔に‥‥」
余裕の表情で語っていた兄の言葉が止まる。
後ろから羽交い絞めにし、クアスは兄の首筋に噛み付いていた。もがく兄によって弾き飛ばされる。
「俺だって無駄に消滅するわけじゃないさ」
ふらふらと正面に立ったクアスの口からは兄の血と別の黒い液体が流れ落ちていた。
「お前ごときが、この俺に何をした」
噛み付かれた跡を左手で押さえ、もう片方の手でクアスの髪を掴み自分の方に引き寄せた。
「やめろヒューイック」
あまりにも乱暴な自分の半身の行動に慌てて分離し、とめに入る。
「お前も私の邪魔をするのかマーロ!!」
「自分のエゴで他人を犠牲にするのはもうやめろ」
ヒューイックの右腕をマーロが握り締める強さはどんどん増し、その強さにヒューイックの表情はさらに歪んでいった。
「ずっとお前がしたい様にするのを見ていてやった、別に興味が無かったから、邪魔をしようなんて思わなかった」
「じゃあ何でいまさら、邪魔をする」
「お前が大事な妹と弟にまで手を出したからだ」
もう片一方の腕でぐったりするクアスを抱えマーロは続けた。
「邪魔をした時点で弟だの妹だのは関係ないでしょう」
落ち着いた口調でそう語ると憎憎しげにヒューイックはクアスとマーロを見る。
「分離してまで邪魔をするのだから。お前だって必要ない」
ヒューイックは懐から薬瓶を取り出し投げつける。相手の口調が落ち着いたことで油断していたマーロはよけることも出来ず頭で瓶を割ることになる、結果中の液体は頭の上で撒き散らされマーロの体とクアスの体に降りかかる。
「何を」
「邪魔なんだよ」
ふらついたマーロを弾き飛ばし逃げたスノウの後を追いかけていった。
「ちっ」
「‥‥はぁ。情けないなぁ。追いかけろよ」
ふらふらしながら体制を立て直すマーロにクアスは怒鳴りつける。自分では追いかけて捕まえられそうにない事を知っているからだ。
「薬にやられた。もう無理だ」
額に手をあて自分を濡らす液体をぬぐうとマーロは力なく言った。
「?」
「この薬にやられたんだから、俺ももう長くない。そしてお前もだ」
「ふざけんなよ。分かってんだったら避けろよ。バカ兄貴」
兄の力なく言った言葉に腹を立て、怒りのあまり胸座を掴む。
「今更、命が惜しくなったのか」
驚きもせず捕まれた相手の手を見つめマーロは言う。
クアスが兄に噛み付いたとき一緒に流し込んだ黒い液体は毒薬の一種である事はマーロには分かっていた、限りなく致死性の高い毒。自分がアウグストである際に地上から持ってきたものだった。そんなものを口にした時点から命など考えていなかったはずではないだろうか。
「俺じゃなくてスノウの話だよ、せっかく逃がしてやれるって思ったのに」
掴みかかった手にクアスはそのまま顔を押し当て涙を流していた。
同じ時間を同じ身体で育った別人格、自分には持ってない別の感情を最優先する。規律でもなく、肉親でもなく、スノウ自身でもなく、最優先できるのはローシャと言う少女の事だけ、クアスには理解できない感情を押し通そうとするスノウが羨ましかった。そんな感情が理解したくて、助けたくてここに居るのに全く役に立たない自分が嫌だった。
「お前でも泣くんだな。まぁ、スノウもヒューイックもどうせ長くないんだ。短い時間にスノウが逃げられるように祈っておくんだな」
自分の胸に押し当てられる形になった弟の頭に優しく手を置いて、マーロは語る。
「どういうことだ?」
「お前が死ぬんだから、半身であるスノウだって消える。俺が死んだらヒューイックも消える」
浴びせられた疑問に当然だろうと答える。
「結局俺があの毒を口にした時点からスノウの死は確実だってことか‥‥」
その一言をつぶやくとクアスはその場に崩れ落ちた。
「かわいそうに痛かっただろう」
倒れたクアスの背中を見つめマーロはつぶやく。ヒューイックと同じ体に存在していた時に邪魔者にかける呪いを作った。苦痛と恐怖で二度と邪魔できないように、恥ずかしくて人前に姿を見せられない様に罰を与えるような効果のものだった。
背中の羽が生きながら腐り果てていく呪い。
生きているから痛みを感じて、生きているからどんどん朽ち果てていく翼を見つめることしか出来なくて。生きているから、こんな腐った翼を見せる事に恥を感じる。下手したら痛みと恐怖で自害するのではないだろうかと二人で話していた記憶がある。
そんな呪いを一人で受けて、そんな体でまだ兄を引き止めて。
「痛みの無い体で最後を迎えろ」
マーロがそういいクアスの背中に手をかざすと腐り朽ち果てた翼が入れ替わった。
「呪いも罪も自分で引き受ける」
痛みに顔を歪めながらマーロはクアスの隣に倒れこんだ。
「この実験に私がどれだけ労力をつぎ込んだか知っているのか」
「そんなの知らないよ」
「その人間で証明されれば今までの努力が報われる」
「どうしてローシャちゃんじゃなきゃだめなんだよ」
追いかけてくるヒューイックに追いつかれそうで、スノウがつぶやいてスピードをあげる。
確かに人間は選べないほど沢山存在する。ただローシャではなくて他の人間なら兄の実験材料にしてもいいというわけではなかったが、どうしてローシャでなければならないのかスノウには兄の考えが理解できなかった。
「スノウその人間は地上に待っている肉親も居ないから、いつまでたっても地上を思うことが出来ない。なぜなら大切な家族はここに居るんだからな」
ヒューイックがいう言葉にローシャが反応する。
「大切な家族‥‥さっきの‥‥おかあさん」
確かに、いつかの昔ローシャの母は死んでしまった時にその魂はここに存在する誰かに姿を変えているのかもしれない。そしてここで天使として生きているのかもしれない。
スノウは気が付いたらここにクアスといた、この空に存在する前の記憶なんて全くない。ローシャの母親も多分母親としての記憶など全く持っていないはず、そんなお母さんに会えたとしてもローシャは嬉しいなんて全く思わないはずだ。
「ローシャちゃんだめだよ。兄さんの言葉に耳を貸しちゃあ」
ここに居るかもしれないという可能性はローシャには伝えたくなくて、兄の言葉を否定しろとローシャにささやく。
「だってスノウ、お母さんがいるのよ」
そんなスノウの言葉には耳を貸さないで、ローシャはただ首を振る。
「そうだ。人間。お前の母親の魂はここにある、私が見つけてきたのだからな」
「見つけた?」
兄の理解不能な言葉にスノウの動きが止まる。
「想いがここに滞在するように。どこにも逃げないように。私達兄弟に縫い付けた」
腕を胸に当てヒューイックが笑いながら大声をあげる。
「兄弟がそろえば、母親と娘の再会だ。ただし母親は存在すら出来ないがな」
「だから彼女でなければならない」
「捕まえたんだよ想いに引っかかった、魂の塊を」
「おぃ。もういい」
「セレンとカルティナとマーロは何の疑いもせずに飲み込んだ。地上の不可を無力化する薬とか言えばね‥‥クアスは体調を整える薬だと無理やり飲ませた」
不可を無力化にする薬‥‥ローレンに渡された小さな薬が思い出される。
「やめろって言ってるだろ」
自分の想像が怖くて次の言葉が聞きたくない。
「おまえは、スノウ‥‥自分で覚えてるだろ。貰った薬を」
ローレンに‥‥手渡された元気になる薬。
「やめろよ。ローシャちゃんにそんな話聞かせるな」
「だから彼女でないといけない。私達兄弟が食べた魂の娘なのだから」
「食べた‥‥魂の娘」
ローシャの瞳は見開かれ、スノウを突き飛ばし逃げ出した。
「ローシャちゃん!!」
「彼女をここで殺してしまえば、今お前を否定する絶望はなくなり。何も知らない天使のセロスラーヴァ・イヴァナがお前だけの物になる」
「天使のローシャ?僕だけのもの」
「私の仮説だ。天使が殺した人間は審査をされず無償で天使となる」
「そんなの嫌だ。そんな事望んでないじゃないか、ただそばに居たいだけなのに、何で皆邪魔をするの」
兄を怒鳴りつけるとスノウはローシャを追いかけていった。
「なぜか、欲が心にあるからだよ」
不気味な笑みを浮かべ、スノウの飛んで行ったほうへつぶやく。
声は届かないと知ってて。
スノウが母親の魂をたべた。あのスノウの慌てぶりからすると故意的では無いにしろ、それは事実なのだろう。
そんな相手にどう接すればいいのだろう。
嫌なことがあると自然と頭のスカーフに手が伸びる。
スノウでさえ信じられない。
「坊ちゃま‥‥助けて」
思い浮かぶのは、教会でがれきの中から助けてくれたあの姿。
彼とつながっていられると、勝手に依存しているスカーフに助けを求めた。