水葬
「いいところに来たね」
シシシと、不気味に“葬儀屋”は笑った。
「今日は【水葬】の依頼と、【土葬】の依頼が来ているよ」
「そうですか」
急いで手荷物をまとめる“葬儀屋”の手伝いをする。
「其は手際がいいな」
一言言って、“葬儀屋”は黒い大きなキャリーバックに荷物を詰めた。
「【水葬】なんかは結構主流だから、其でも知っているかな。
【水葬】は、遺体を海や川に沈めるやり方だよ。国によっては宗教上の理由から、【土葬】をした後に行う場合もあるよ。」
そういって、“葬儀屋”は船に乗った。
「水葬を頼まれるのは、大きなパターンは二つあるね。
インドのガンジス川流域等、これは宗教上の理由で。
洋上での死者や、上陸戦での犠牲者に対して。これは遺体搬送が困難な場合で世界的に行われているよ。
通常は、一旦国旗を被せ、滑り台により柩を海中に投下する。その際に弔砲や弔銃がなされるよ。式中は軍艦旗等は半旗にされるね。」
ぺらぺらと長文を息つぎ無しで読みあげる。
「さ、やろうかね」
そして、弔いの儀を終えた
.