いち
猫とか飼ってる人はごめんなさい
食べ物とかはそれらしく書いただけなので
きっと間違っている部分もあるでしょうが
目を瞑ってください。
こんにちは、猫です。
名前は…まだない、なんちゃって。
あたしは今、商店街の屋根の下で途方に暮れています。
さて、なぜでしょう。
あたしはなにもしていない。
もちろん心当たりもないよ。
あたしはただの侍女だから。
ただ人気のない道を歩いていたら前を見ていなくて
街路樹にぶつかりまして。
そして頭が痛くなり、その場でしゃがみ込んだらいつのまにか猫に。
ガラスの反射で見たから猫なのは間違い無いの。
もちろんしゃべることもできない。
ここはエリザベス様に頼まれて馬車で
来たし、知らない場所だからさ
地図もなければ自分の家もわからない。
とりあえず人の多いところに行って
誰かに拾ってもらえないかと歩いてきたけど
空からは雨が降ってくる始末。
雨が降ると外に出る人が減るし。
「にゃあー、にゃにゃーにゃあ。」
鳴いてみるけどまず通りかかる人がほとんどいないんだもん。それに加え、この体は子猫らしい。弱々しい自分の鳴き声はほとんど雨音にかき消される。
「にゃーにゃにゃー。」
近くの店のシャッターをつついても
今日は休みなのか反応がない。
どうしよっか。
とりあえず屋根の下には避難したけど。
しばらく鳴き続けて疲れてきた私は
ここで雨上がりを待つことにした。
できるだけ建物の方に身を寄せ、まるくなる。
眠気がおそってきたので私は目を閉じた。
誰かの声がする。
ぼんやりしている私が手を動かすと、そこには
柔らかい布みたいな感触があった。
びっくりして体を起こして見渡す。
上、知らない少年と少女が覗き込んでくる。
横、水(お湯?)を入れた器。
下、豪華そうな絨毯。
「エマ、タマはダサいからやめようぜ。」
「あっ起きた!おはよう猫ちゃん。」
2人の声が交互に聞こえた。
「アイラ、きてきて」と男の子が
扉の外に言う。
やがて、白衣を着た女性がドアをノックして入ってきた。
「この子が拾ったと言う子猫ですか。」
誰だろう。お医者さんとか?
2人はなんか貴族っぽいし。
ご迷惑をおかけします。
その人は、しばらく私を眺めたり少し触ったりした後、「とくに病気や怪我などもなさそうですね。
大丈夫です。雨の中倒れていたと聞いたので
体を洗いましょうか。」
と浴室に連れて行かれた。
温かいシャワーが至福だ。
タオルで拭かれている間に新発見があったんだけどね、猫ってくしゃみの音(?)が違うの。
2人がいる部屋に戻って来ました。
餌としてなのか
牛乳が入った皿となにかよくわからないもの(普通のペットはこれを食べるかもしれませんが)を出された。後者の皿をじっと見つめてみる。これは何だろう。一つ食べる。…自分が好きな味じゃない。やめよう。
皿を2人の方に押し返してから、牛乳を飲んだ。
「これは好きじゃないのかな。」
「うーん、ペットショップでオススメされてたんだけど。ね、アイラさん。猫ちゃんは何食べると思いますか?」
「そうですね。無難に干し肉や野菜などどうでしょう?」
「料理長に行ってくるねー」
と少年はかけていった。
その間、少女がわたしに話しかけて来た。
「ねぇ、あなたの名前は何?
野良猫じゃなさそうよね。タマはカイトにダメ出しされたし。」
「にゃああ、にゃー。」
もうタマでいいわよと鳴く。
よろしくお願いします
九月ももう終わりですね。
誤字脱字あったら教えてください
男の子の名前を変えました。