第三十七話 高松の熱い夜
また部屋の中には、俺のほかは愛人の3人の女性たちが、俺の視線を受け止めている。
「宝塔様、お疲れ様です」
法子さんが深々と頭を下げた。
彼女の顔には、疲労の色が滲んでいる。
無理もない。東京から駆けつけ、慣れない土地で奔走しているのだ。
「リリーナさん、ゆっくり休んでください。今日はもう、何も考えずに」
俺はそう言い、彼女の肩を優しく抱き寄せた。彼女の体は、微かに震えている。
「ありがとうございます…でも、私にはまだ、やるべきことが……」
リリーナさんは、何かを言いかけたが、言葉を飲み込んだ。
その瞳には、強い決意が宿っている。
「法子さん、あなたもです。今日はもう、ゆっくり休んでください」
俺は、法子さんにも声をかけた。
彼女は、少し戸惑ったように目を伏せたが、すぐに力強く頷いた。
「はい、宝塔様」
部屋の中には、俺、リリーナさん、法子さん、そして梓の計3人が残された。
静寂が部屋を包み込む。誰もが、言葉を発しない。
その沈黙を破ったのは、リリーナさんだった。
「宝塔様、今夜は、私たちだけで過ごしましょうか」
リリーナさんの声は、まるで蜜のように甘く、俺の全身に蕩けるように響いた。
その瞳は、情欲の炎を宿し、俺を絡め取る。
リリーナさんの言葉に、他の女性たちも、無言で頷いた。
その瞳には、熱い光が宿っている。
法子さんの口元には、艶っぽい笑みが浮かび、幸さんの頬は、薄く染まっている。
梓は、少しうつむき加減だが、その指先は、期待に震えている。
梓は、まだ幼さが残るが、その視線は、真っ直ぐに俺を捉えて離さない。
リリーナさんと法子さんは、少し戸惑った表情を浮かべていたが、すぐに覚悟を決めたように、静かに服を脱ぎ始めた。
リリーナさんの肌は、透き通るように白く、その曲線は、洗練された美しさを湛えている。
法子さんの肌は、健康的で、その肉体は、若々しい活力に満ち溢れている。二人の女性の新たな魅力が加わり、部屋の空気は、さらに熱を帯びていく。
「宝塔様……」
リリーナさんが、俺の前に跪き、その白い指先が、俺の服のボタンを一つずつ外していく。
その仕草は、丁寧でありながら、どこか淫靡だ。
「あなたの仰せのままに…」
法子さんもまた、リリーナさんの隣に跪き、その熱い吐息が、俺の肌を撫でる。
部屋は、女たちの甘い香りと、熱い吐息、そして嬌声に満たされていく。
一人一人の肌が、次々と俺の体に吸い付くように触れ、その熱が俺の全身を駆け巡る。
唇が重ねられ、舌が絡み合い、互いの欲求が渦巻く。熱い吐息が耳元で囁かれ、その度に俺の意識は遠のいていく。
今夜もまた、日も高いうちからサバトが始まる。3人の女神たちに囲まれ、俺は悦楽の淵へと沈んでいった。
その夜は、いつまでも終わらないかのように、俺の記憶に深く刻み込まれた。