アールグレイの香り
清々しい朝が来て、もう今は夕日が沈むころだろう。
無駄に豪華な家具が漂わせる空気が藍羅は嫌いだった。
だから、母が気づかない時はいつも人目の付かないところで遊んでいた。
「藍羅さん!宿題教えてー」
妹の由羅は藍羅に比べて馬鹿だ。
学年10番以内も取れないなんて、情けないではないか。
「なんで?それくらいとけなよ」
双子の妹であって、消して年下なワケではないのに・・・
「何よぉ、藍羅さん!教えてくれてもイイでしょ!!このxがどうなるかーとかくらい」
x~?何、頭大丈夫かしら。わが妹
「意味分からん。答えでもみてろ」
「そんなこといわれても、答えもらってないもの」
わぁ?知らないそんなコト。
とっとと、この世から消えろ!
「ケチッ!イイもん。薫音ちゃんか雄飛君にきくから。
「最初からそうしとけ」
そういって、由羅はつんつんとしてその場から消える。
「もう少し、愛想よくできないものですか?主」
藍羅の肩にラピスラズリのような色をした蝶々がいた。
「愛想よくして、なんの得がある」
「愛想は、コミニュケーションの基本ですよ」
その蝶はキラキラした光をこぼしなから、ひらひらと飛んでゆく。
「オマエ、それ答えになってない」
「と、いわれましても。人を遠ざけるお人に説明しても、意味ないでしょう」
「まぁ、確かにね」
蝶が声を発している・・としか考えられないので、今はそうしておこう。
明日は、薔薇庭園にでもいこう。
白いアンティークなテーブルとテーブルクロス・・・イスを取り寄せよう。
ガチャンッ
自室電話の受話器をもとに戻す。
「藍羅はいますか?」
「はい」
母が部屋に入ってくる。
「藍羅・・・明日はどこへお出かけで?」
「!?」
まぁ、バレててもおかしくはないだろう。
「薔薇庭園」
「ダメです」
「は?」
母にアレコレ決められる筋合いはない。
「あそこには、時空の入り口があるとかで、危険だそうですよ」
短いですが、申し訳有りません。
アールグレイと関係ないでしょ!って思っていると思いますが、のちのち・・・