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【書籍化、コミカライズ】転生少女の底辺から始める幸せスローライフ~勇者と聖女を育てたら賢者になって魔法を覚えたけど、生活向上のため便利に利用します~  作者: 鳥助
第三章 便利な魔法と色々な仕事

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87.家畜を飼おう(5)

 全ての麦を刈り取り、脱穀しおえた。収穫できた麦は五袋分だ、いつもより少ない数だけどこんなもんでいいよね。


「次は何を収穫しますか?」

「んー、じゃあ大豆にしようか。私が大豆を抜いて乾燥させるから、二人はここで大豆の実を取っていって欲しい」

「任せろ!」


 大豆を収穫するため、私は畑に近づいた。それから、大豆を根ごと引き抜いておく。何束か抜き取ると、抜き取ったものを乾燥魔法で乾燥させる。それから、両手で抱えて脱穀機のところで作業をしている二人のところまで持っていく。


「おまたせー。あと、よろしくね」

「ノア、大豆は何に入れたらいいですか?」

「買ってきた袋の中に入れておいて」

「分かったぞ!」


 二人に大豆のことは任せておいて、私は再び畑へと戻る。一つずつ手で抜くのは大変だから、魔動力でどうにか出来ないかな?


 試しに魔動力を発動させて、大豆の束を抜いてみる。すると、簡単に大豆の束を抜くことが出来た。それも、次々とリズムよく抜くことが出来ている。これはいい、とても楽だ。


 魔動力で全ての大豆を引き抜き終わると、魔動力で大豆の束を一か所に集める。そして、みんなまとめて乾燥魔法をかけた。カラカラに乾燥した大豆の束、今度は魔動力で宙に浮かせてまとめて二人のところへ持っていく。


「全部の大豆、収穫し終えたよー」

「えー、凄く早いじゃないですか!」

「ウチらはまだ一つしか終わってないんだぞ!」

「魔動力を使ったお陰だね。私もそっちを手伝うから、一緒にやろう」


 広げていた布の上に靴を脱いであがると、大豆の束を手に持って近くに座る。それから、乾燥した房から一つずつ大豆を取っていった。房を開いて、大豆を布の上に転がす、その繰り返しだ。


 黙々と作業をしていくと、やはり途中で集中力が切れてしまう。そういう時、お喋りがはじまる。


「これがあの美味しいきな粉揚げパンの粉になるなんて信じられないな。こいつだけ食べても何も味しないのに」


 そういったクレハは取った大豆を口の中に放り込み、ゴリゴリと食べた。


「そうですね、あの独特の香ばしさがありませんものね」


 イリスも真似して大豆を口の中に放り込んで、ゴリゴリと食べる。


「まぁね。あのきな粉は大豆を炒ってから細かく砕いて味をつけているからね」

「それでも、こんなに味が違うものなんですね」

「ウチはきな粉揚げパンの味が好きなんだぞー」

「そしたら、お昼にきな粉揚げパンを作ろうか。大豆も取れたことだし、少しくらいなら使っても構わないよ」

「本当ですか!? わぁ、嬉しいです! お昼からきな粉揚げパンが食べられるなんて」

「それを聞いたらやる気が出てきたぞ。うおぉぉっ!!」


 クレハが凄い速さで大豆の房を開けて実を取り出している。なんだか、面白い光景だ。私は一定の速度で房を開けて大豆を取り出す。


「そういえば、大豆の料理って何かあるんですか?」

「きな粉揚げパンと炒め物以外にあるのか?」

「うーん、そうだなぁ。豆腐っていう食べ物があるよ」

「「豆腐?」」


 二人は聞きなれない言葉を聞いて首を傾げた。


「豆腐っていうのはね、ふやかした大豆を細かくして茹でたり固めたりして出来るプルプルの食べ物だよ」

「どんな食べ物か想像つきませんね」

「ノアは作れるのか?」

「うーん、材料がないからね難しいね」


 にがりがないと作れないし、醤油がないと美味しく食べられないし、これはまだ作れない。


「ノアは色んな食べ物を知っているんですね。お陰で毎日の食事が楽しいです」

「材料一つにしても、色んな料理にしてくれるからとってもいいんだぞ!」

「気に入ってもらえて良かったよ。二人が美味しく食べてくれるから、作りがいがあるよ」


 本当はもっと色んな料理を作りたいけれど、足りないものが多すぎる。もっと、色々手に入ったら作れるんだけどなー。だから、今回の牛乳と卵はぜひ手に入れたい食材だ。


 そんな風にお喋りをしながら、大豆の実を取っていった。


 ◇


 大豆の実を取り終わり、全部で十袋くらいの量になった。


「結構頑張ったね」

「長い闘いだったんだぞ」

「こんなに沢山の大豆を取ったのは初めてだから、ちょっと疲れましたね」

「でも、この後にとうもろこしも取らないといけないからね。頑張ろう」


 次はとうもろこしだ。私たちは畑に行き、とうもろこしの収穫を始めた。


「ノアー、採ったとうもろこしはどうしたらいいんだー?」

「さっきいた場所に置いておいてー」

「分かりましたー」


 まっすぐに伸びた茎からとうもろこしを手前に折って収穫する。一つの茎を収穫したら、もう手が一杯になったから、さっきいた場所に戻ってとうもろこしを置く。


 三人で収穫してはとうもろこしを置きに行く、その往復をして作業を進める。黙々と作業をすると、とうもろこしの山が出来上がった。


「なんとか、収穫が終わりましたね」

「ここまで持ってくるの大変だったぞ」

「じゃあ、乾燥魔法かけちゃうね」


 作業が終わり、今度は私がとうもろこしに乾燥魔法をかける。すると、とうもろこしを覆っていた皮やヒゲがカサカサに変化した。よし、これで乾燥の完了だ。


「次は実をとる作業だね」

「その前にヒゲと皮を取りましょうか」

「こんなにシワシワになってて面白いんだぞ」


 三人で靴を脱いで布の上に移動すると、山のように積まれたとうもろこしを手にする。それから、干からびたヒゲと皮を剥いでいく。


「中もしっかりと乾燥しているみたいですね」

「これが餌になるのかー」

「これをもうちょっと細かくすると、あの餌になるんだよ」


 お喋りしながら作業をすると、あっという間にヒゲと皮を剥ぎ終えることができた。今度は実をとる作業だ。乾燥したとうもろこしの実を取るため、指でとうもろこしを弄る。すると、ポロポロと実が簡単に落ちてきた。


「簡単に実が取れるぞ。なんだか楽しいなー」

「ポロポロ落ちて楽しいですね」

「うん、どんどんとっちゃおう」


 三人でとうもろこしの実を取っていく。ポロポロと実が簡単に落ちていくので、そんなに時間がかからない。どんどん、新しいとうもろこしを手にして実をとっていく。


 すると、クレハの手が止まった。どうしたんだろう? と、見ているとクレハは乾燥したとうもろこしを食べた。


「んー、ちょっと甘いかな」

「もう、クレハったら」

「えへへ、なんだか食べたくなっちゃって。二人も食べてみたらどうだ?」


 乾燥したとうもろこしを? イリスと顔を見合わせると、一粒食べてみる。


「うーん、ほのかな甘味を感じる」

「とうもろこしの味がします。でも、普通のとうもろこしのほうが美味しいです」

「だなー。ウチも普通のとうもろこしのほうが美味しいぞ」


 やっぱり茹でたりしたとうもろこしのほうが美味しいよね。そういえば、乾燥したとうもろこしでポップコーンが作れそうだけど、確かあれって必要な品種があったんだっけ。このとうもろこしでポップコーンを作れればいいんだけど、そう簡単にはいかないよね。


 それからもお喋りをしながらとうもろこしの実をとっていく。簡単にとれるので作業は思った以上に早く進み、作業が終わった。


 そのとうもろこしの実を袋に詰めると、全部で七袋になった。これだけ作っておいたら、平気だよね。


「よっしゃー、収穫作業終わったな」

「終わりましたねー」

「二人ともお疲れ様」


 クレハが両手を上げてきたので私たちはその手に自分の手を重ねた、ハイタッチ! 二人のお陰で収穫作業が早く終わったよ。本当にありがとう!

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― 新着の感想 ―
[一言] 生の大豆には毒性があるので一応生で食べる描写は良くないかと。
[一言] 適当なトウモロコシでは出来ないんですね~ 皮が集めな品種だったかな?市販で売ってる種は興味持って調べないと分からないし
[一言] 大豆料理と言われて未熟なうちに収穫して塩ゆでと考えてしまった・・・ いや、食堂で出して酒も冷やしてあげたらまだ残暑が残っているだろうから売上が伸びそう。 (同時に「なんで夏にやってくれなか…
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