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【書籍化、コミカライズ】転生少女の底辺から始める幸せスローライフ~勇者と聖女を育てたら賢者になって魔法を覚えたけど、生活向上のため便利に利用します~  作者: 鳥助
第二章 家づくりと領地を広げよう

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54.家を作ろう!(3)

 家造り七日目、今日は屋根の骨組みを作っていこうと思う。まずは丸太から木材を作るところから始めないとね。


 いつものように設計図を見ながら、丸太に線と番号を書いていく。それが終わると丸太を宙に浮かせて、風魔法で線に沿って切っていく。全ての丸太を切り終える頃には角材と廃材の山が出来上がっていた。


 廃材を燃やすと、今度は出来上がった木材を適切な長さに切っていく。スパスパと切っていくと、この作業はすぐに終わった。あ、結構廃材出ちゃったな、これも一緒に燃やしていく。


 次に一番大変な工程、溝作りだ。ここでミスをすると大変なことになるから、しっかりと設計図を見ながら丁寧に作業をしていく。


 集中して作業をしていると、ふと夕食のことが頭の中をよぎった。日の位置を見てみると、大分低い位置にいた。そろそろパンを捏ねる時間だ。


 一旦作業は中止して先にパンを捏ねて発酵させ、肉の下ごしらえをした。そして、パンを発酵している間に溝作りの作業を続ける。そうやって料理の合間をぬって、作業を続けたお陰で無事に溝作りを終えることができた。


 家造り八日目、作物所から帰ってきた私は昨日作った木材を屋根の部分に組み上げることから始める。屋根の部分は高い位置になるから普通なら大変な作業だろう、だけど私には魔動力がある。


 設計図と加工済みの木材に書いた番号を確認しながら、木材を宙に浮かせて溝と溝を合わせていく。そうやって次々と木材を組み合わせていき、鉄の器具で溝同士を固定していく。


 作業途中、忘れずに夕食の準備をしつつ屋根の骨組みを組み立てていった。途中で夕食のために抜けることはあったとしても、作業は順調に終わることができた。


 今日で大体の骨組みを作り終えることができた。そんな完成した骨組みを帰ってきた二人が見る。


「大分家らしくなってきましたね。屋根の形が見えると、家らしいです」

「これが家の骨、なのか? 随分と数があるんだなぁ」


 二人は近くにきて家を見上げた。数日間でここまで作業が進んだのは、自分自身でもビックリだ。魔動力があるとこんなにも建てるのが早くなるんだね。


「まだまだ作業は続くけど、骨組みはこれで完成したよ。これからの作業でもっと家らしくなるよ」

「へー、そうなのか。毎日どんな感じで変化していくのか、見るのが楽しみなんだぞ」

「どんな家になるか楽しみですね。ノアには無理してほしくないっていう気持ちはあるんですが、早く完成した家を見てみたい気にもなってきました」


 二人とも楽しみにしてくれているみたいで嬉しいな。大事な骨組みのところはしっかりと組み上げられたと思う。今度は雨風を凌げる壁もしっかりと作っていかなくちゃね。


 家造り九日目、今日は一日中作業出来る日だ。まずは屋根の下地を作るため、板を大量に作っていく。今日は溝を掘らなくてもいいからその分楽になるけれど、作る板の数は多いからそこが大変だ。


 いつも通りに石の作業台に行くと、魔動力で丸太を作業台に置き、定規とペンを使って切り出す板の線を引いていく。ひたすら同じ形の線を引いていき、設計図を見ながら必要な枚数を数えていく。


 沢山の板を切り出す線を引き終えると、今度は丸太を板に変える作業だ。線を引き終わった丸太を宙に浮かせると、風魔法で線に沿って切り出していく。スパスパと風魔法で切ると、丸太があっという間に木の板に変わった。


 丸太を板に変える作業は続く。同じ作業の連続で気が遠くなりそうになったが、なんとか最後まで集中して作業をすることができた。


 私の前には大量の板と廃材の山ができた。この後、板を適切な長さに切り分け、切れ端を他の廃材に混ぜて一緒に燃やす。燃やすと暑くなるから夏場はキツイな。


 今日は溝を掘る時間がないから、まだ作業時間が残っている。早速この板を屋根の骨組みと合体させようと思う。作った板を魔動力で宙に浮かせて、家の傍に置いておく。


 さて、どうやって上の作業をするかだ。これには一つ考えていたことがある。魔動力を自分に使って浮かせれば、作業がしやすくなるんじゃないか……ということだ。


 実際に自分を魔動力で浮かせられるか試してみる。魔動力を自分に発動させると、自分の体が浮いた!


「やった、成功だ!」


 これで宙に浮きながら作業ができる、屋根の作業も捗るだろう。自分の体を屋根の上まで浮かび上がらせると、地面に置いた板も宙に浮かせる。それから屋根の骨組みに重ね合わせた。


 今度は木箱に入った釘を宙に浮かせて、重ね合わせた所に移動させると釘を押し込んで板と骨組みを固定していく。板の上下に釘を押し込み、固定していくとこれで一枚の屋根の下地が固定された。


 この作業をずっと続けていく。宙に浮かせた板を骨組みに重ね合わせ、その上から釘を押し込んでいった。一枚ずつじゃ面倒だ、数枚重ねると、流れ作業の要領で釘を押し込んで固定していく。


 黙々と屋根の下地を張っていった。片面を張り終えると、もう片面に作業は移っていき、同じ作業を繰り返していく。おっと、そろそろ夕食の支度をしないと。


 途中で作業を止めるとパンを捏ねて発酵させ、肉の下準備をする。そして、パンを発酵している間に作業をして。発酵が終わる頃になるとまた手を止めて、パンを小分けにして形を整えて二次発酵。それからまた作業に移っていく。


 そうやって途中で手を止めつつ作業をしていると、なんとか今日中に屋根の下地を張り終えることができた。あとはこの上に瓦みたいな機能がある木の板をもう一枚張れば屋根の作業は完了だ。


 今日の作業はここまでにして、夕食の準備をしなくっちゃね。それにしても、大分進んだなー。まだまだ、やることはあるけれどね。


 家造り十日目、今日の作業時間は短い。まず、瓦の代わりとなる木の板を作るところからだ。


 いつものように丸太を作業台に置いて、定規とペンを使って線を引いていく。魔動力で丸太を移動させながら、どんどん線を引いていって、なんとか全ての丸太に線を引き終えることができた。


 夕食の支度をしながら、丸太を風魔法で切っていく。少し薄い板が何十枚も量産されていく光景は正直見飽きてきた。はっ、ダメダメ気を抜いたら。こういう時こそ集中力を切らさないで作業だ。


 そんな作業を繰り返しやっていくと、夕暮れになって二人が帰ってきた。はっ、いけない夕食を作らないと!


「おかえり! ごめん、今から夕食作るからちょっと待ってて!」

「もし、良かったら宿屋でもいいんですよ」

「大丈夫、今日はスープにしたから温めるだけなんだ。本当にすぐにできるから待ってて!」

「ウチらはいつでもいいんだぞ。でも、作業途中だけどいいのか?」

「うん、大丈夫!」


 木を切る作業は明日やることにして、夕食の準備だ!


 家造り十一日目、よし今日は目一杯作業をするぞ! 昨日の続きの板作りから始めよう。丸太を宙に浮かせて、風魔法でスパスパ切っていく。昨日からの途中の作業だったから、すぐに終わった。


 全ての板を切り出し終えると、今度は大きさを調節していく。板に必要な大きさの線を引き、線に沿って板を切る。余分なところを切り落としたこの板が屋根になるんだ。


 まず全部の板に線を引いてから、線に沿って風魔法で切っていく。一つ一つは大きいけど、数はそんなにないからこの作業もすぐに終わった。


 次はこの板に防水加工を施していく。作業台に乗せた板の片面に防水効果のある液体をハケで塗っていく。この液が乾いて固まると塗ったところに防水加工が施されるというものだ。


 片面全部に液を塗ると、今度は乾燥魔法で表面を乾かす。これで一枚目が完了した。まだまだ塗る板はあるので、どんどん作業を続けていった。結局、液体を板に塗る作業に時間がかかって今日の作業はそれで終了する。

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― 新着の感想 ―
【一言】 某俳優「廃材は燃えているか?」 家1軒分の廃材ってどのくらい出るんでしょう?かなりの量ですよね。主人公の魔法なしでは1人ではどうにもならんですね。なんせ11歳ですからね(前の鑑定より)。 〉…
【一言】 燃やしてるね。MOTTAINAI.この開拓村は燃料については在庫が豊富なんだろうか? 〉廃材を燃やすと、今度は出来上がった木材を適切な長さに切っていく。スパスパと切っていくと、この作業はすぐ…
[一言] さすが閃かないノア。防水加工でいちいちハケで防水塗料を塗っていくとか。揚げ物料理を知っているのだから、片面だけに衣を付ける方法は知っているでしょう。まず、板瓦より少し大きい料理用バットのよう…
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