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【二年生編開始】異世界帰りの邪神の息子~ざまあの化身が過ごす、裏でコソコソ悪巧みと異能学園イチャイチャ生活怨怨怨恩怨怨怨呪呪祝呪呪呪~  作者: 福郎
世界の敵

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カバラの聖者

「あなた、あーん」


「ああああ、ああ、あーん!」


 ふう、そろそろお姉様との、あーんを動揺することなく、お昼ご飯を食べられるようになってきた。


「執筆は順調?」


「はい! 時間もたっぷりありますし!」


 ドキ、3分で出来る呪術師クッキングの執筆は非常に順調だ。


「魔法とか超能力とか言われてもねえ」


「ですよねお姉様!」


 お姉様も俺も、魔法とか超能力の授業は殆ど放棄で、はっきり言って理解するのは諦めた。霊力や浄力が歴史と古文の授業なら、魔法や超能力は科学と数学なのだ。算数だけしか分からない俺には無理無理。


 だから、そういう系統の授業は全部パス。選択制だから霊力と浄力を取り、余った時間はお姉様とイチャイチャしたり、執筆活動したり、栄えあるブラックタール帝国の発展のため活動したりと、まさに呪術した、じゃなかった、充実したキャンパスライフを送っているのだ!


「私の方も、あの子達のテストしないといけないわね」


「楽しみですね!」


 お姉様謹製の式神も完成したみたいで、あとは実戦テストをするだけらしい。でも、お姉様が作った式神なのだ。生半可な相手じゃテストどころじゃないだろう。猿君やる? ばっちこい? 流石だね。


「お姉様、猿君がやる気満々みたいです」


「あらそう? うーん、でも新鮮味に欠けるわねえ。候補がいなかったらお願いしようかしら」


 だそうです猿君。予定は未定という事で。ちなみに今日の予定は? また学園長と? あの人実は暇なんか? ちなみに昨日はどうだった? 阿修羅使って引き分け? 一対一だよね? やっぱゴリラだわ。


『本日のトップニュースです』


「もう、無粋と呆れるべきか、熱心ねと感心するべきか」


「無粋ですよね!」


 俺達だけじゃなく、周りでイチャイチャしてた連中も迷惑そうに、壁に掛かっているテレビを睨みつけている。


 そう、つい最近、この神聖な恋人達の聖地に、学園長はあろうことかテレビを設置して、ニュースを垂れ流しているのだ。恋人との逢瀬も結構。だが学園なのだから学べという学園長の声が聞こえてきそうだが、そんなのは関係無い。とりあえず髪の毛一本抜けるとこから始めるか?


『一神教は正式に、奇跡の日を神の奇跡であると認定しました。それと同時に、実在を噂されていたカバラの聖者達も姿を現しました』


「ごほっ!?」


 お茶飲んでたらむせちゃった! 一応人間なんだから急に驚かせるなよ!


『あの奇跡は間違いなく我らが神の御業です。そしてご覧ください。あの奇跡の日に神が遣わして下さった、カバラの聖者達を。皆様ご安心ください。この奇跡と、カバラの聖者達。これは最早、世界の危険に怯える必要が無いという事なのです。我々は祝福されているのです』


 今すげえ俺の頭が回転した! これプロバガンダと宣伝だ! だってそのカバラの聖者達の皆さん、美男美女ばっかりだもん! 間違いない!


 お、臭う、臭うぞ。慎重に対応するべきだという一派と、この機を逃さず勢力を拡大しようとする一派の派閥争いの臭いだ。うーん香ばしい臭い。


「凄いのね一神教って」


「そうですねお姉様!」


 いやあ、それにしても一神教ってすごいなあ。やっぱり奇跡の日って、一神教だったんだー。あれ?お姉様どうして笑ってるんです?


「それはそうと、いたのね。カバラの聖者」


「ですねえ」


 紹介されてた聖者の皆さん。カバラの石碑に選ばれし者。


 クムラン洞窟で発見されたのは、死海文書だけではなかったとされている。


 王冠

 知恵

 理解

 慈悲

 峻厳

 美

 勝利

 栄光

 基礎

 王国

 知識


 ただそれだけの文字が記された石碑が見つかった。ようだ。


 そしてその石碑に宿る天使達の力を受けた、カバラの聖者達という一神教の切り札が存在している。と噂されていた。


 曖昧なのは、今の今まで存在がしっかりと確認されていなかったのだ。だがそれが今表舞台へと降り立った。どうやら派閥争いは、イケイケグループの圧勝だったみたいだな。じゃないとこんなに大々的に切り札を公にするはずが無い。


 しかし、マジで噂通りだった場合、メタトロンに始まり、ミカエルみたいな熾天使まで、超ビッグな名前があるのがカバラだ。げろげろ。出会ったら俺は追放だよ追放。この世から追放されちゃうね。


 ついでに言うと、奇跡の日にカバラに選ばれたって言うのは、ヒュドラ事件の時にそいつら何してたのって批判を躱す為だろう。まあ切り札なんだ。んな事言われても、出せんものは出せんかっただろうな。


 まあ親父も、超大物悪魔辞典みたいな逆カバラのどっかに名前があってもおかしくないが。神も悪魔も、存在している長さによって、多かれ少なかれ力に影響があるというのに、あの親父はうん十億とかうん百億年級の存在だ。


 しかも一度も現世を去らずに生きている。これははっきり言って滅茶苦茶デカイ。何故なら科学の発展に伴い、信仰が薄れ物質界、現世を去らざるを得なかった神々は、神話通りのスペックを発揮できないのだ。シヴァは宇宙を破壊できないし、ゼウスも宙を焼き尽くせない。逆に親父は大邪神状態なら、例え全宇宙に人間が散らばっても全員を呪える。


 尤も現世を去らなかった理由が、信仰の薄れじゃなくて、人類はもう星から巣立って誰もいないのに、同期が作った星にもう少しいたかったという、義理堅いのかボッチ丸出しなのかよく分からん理由でだ。ついでに言うと、満足しきったらしい同期と比べて、地球に帰りたいという未練も抱えていたからな。未練を解消する趣味してたくせに、自分が未練抱えてりゃ世話ない。あとこの同期達、全員創造神級のトンデモ連中だったらしく、人類がいない間は一人だけぷーな生活をしていた親父を、生暖かい目で見ていた人格者、神格者だったようだ。親父がご迷惑をお掛けしました。


「そういえばお義父様は信仰も無いのに、よく現世に留まっているわね」


「あのボッチは一人で完結してるんで……」


「そう……」


 ふと思い出したようにお姉様が尋ねてくるな内容こそ、俺が恥ずかしくて堪らない理由の一つでもある。そうなのだ。未練の神が未練を抱えていたのと、今までろくに信者なんかいなかったせいで、親父は外部に頼らず個で完結しているのだ。あまりにも息子として恥ずかしい。


『緊急のニュースです。異能研究所の会長、源道房氏が会見を開きました』


 あ、胃に剣、じゃなかった異の剣の所長だか会長だかだ。


「あら、昔は中々の使い手だったらしいわね」


「学園長の前の日本最強ですからねえ」


 だがそんなお爺ちゃんが、死にそうな顔で会見場にいるんだけど大丈夫か? やっぱり胃に剣に名前変える? まあ内容は想像が付くが。例の式符が起動したのを感じ取ったからな。でもそんな大事、いきなりニュースで発表するか?


『我々異能研究所は、世界の危険、世鬼の訓練式符を入手しました。そのため、ヒュドラ事件から30年と言う事もあり、世界規模での訓練を提案します』


 あ!? 超香ばしくせこい臭いがプンップンッするうううううう! これ絶対バチカンがどでかい事打ち上げたから、どさくさに紛れようと発表しやがった! 普通は大事にならない様に、水面下で色々調整するはずだろ!? 妙に髪が乱れてると思ったら、ニュース見て慌てて会見開きやがったなこの爺!? よく見りゃ記者が誰もいねえじゃねえか!


『以上で会見を終わります』


 絶対そうだ! 勢いで発表したから、ろくに喋る事が無いんだ!


 どうすんだよ! ついさっき一神教が、もう世鬼はカバラの聖者達もいるから大丈夫って言った直後にこんなこと言ったら、訓練にその人達殆ど強制参加みたいなもんだろ! 言っておくけどあの世鬼、関係者の皆さんが戦死者だったから、こんな感じだっけ? いやいや、もっと恐ろしかった。そうそう、俺なんて一瞬で消し炭だったし、これくらいはやるよって、どんどんイメージが大きくなって、多分本家のヒュドラより強いんだぞ!


「ふふふ。面白くなってきたわね」


「そそそそうですねお姉様!」


 俺しーらね。邪神だからね!

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― 新着の感想 ―
[一言] 話盛っちゃうだけならあるあるなんだけどそのイメージそのまま採用するのはヤメロォ!!
[良い点] 政治ゲームとか呪術師のホームグラウンドですやん! 次も楽しみですねぇ( ´∀` )b
[一言] カバラの聖者さん達大丈夫?ブラックタール帝国の教材だよ!
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