奇行師マリーのプロローグ
屋敷よりも館が似合う三階建ての我が家とそこに仕える十数人の使用人たち、窓から見えるのは木組みとレンガの家々、石畳の道路には馬車が走っている。
当たり前だったはずのこの景色に違和感を覚えたのはいつからだっただろうか。
頭を打ったわけでもなく、生死を彷徨ったわけでもない。ただ、庭から見えた空を飛ぶトカゲの群れに言葉にできない疑問をもったのは3歳のときだった。
「母様、あの空飛ぶトカゲは何?」と聞いてみた。
「ドラゴンよ、街の人達の安全を守っているの」
「どうしてドラゴンは空を飛んでいるの?」
「ドラゴンは空を飛ぶ生き物だからよ」
返ってきた答えに私は納得できなかった。
「なんでドラゴンは空を飛ぶの?」
もう一度聞いてみた。
「ドラゴンはそういう生き物なのよ」
答えは同じだった。それから、私は毎日のようにこの質問を母にした。
今にして思えばとても面倒な子供だったと思う。それでも母は怒ったりせず、毎日答えてくれた。
そんなある日、同じ質問をした私に母は「マリーちゃんはなんでドラゴンは飛ぶと思う?」と問いた。それからだった。私が答えを見つけるために動き出したのは。
それ以来、母はドラゴンが登場している絵本をよく読んでくれるようになった。
いわく、ドラゴンは国を守る神の遣いである。
いわく、ドラゴンだけが空を飛ぶことができる。
いわく、ドラゴンは火・水・雷・風のうちのどれかの能力を持っている。
いわく、ドラゴンに乗ることができるのは国に認められた竜騎士のみ。
いわく、ドラゴンを怒らせるとその国は天災に見舞われる。
など、ファンタスティックなものばかり。物語の設定かと思ったが、現実のドラゴンにも当てはまるそうだ。
ぶっちゃけ神の遣い設定は神がいるか分からないから何処までが本当なのか分からないはずなんだが。
実際、ドラゴンを戦争のための道具として扱った国があり、ドラゴンの逆襲を受け、あっという間に滅びたそうな。以来、ドラゴンは神の使者として丁重に扱われているとのこと。
そして、この物語はドラゴンの大切さと尊さを子供たちに伝えるために造られたと言われている。
ドラゴンを知れば知るほど増す違和感と闘うため私はドラゴンの生態を記す本を読むことにした……が、字が読めなかったからまず字の勉強からだった…………。
お読みいただきありがとうございます!何も考えずに見切り発車してしまったんでめちゃくちゃ亀更新だと思います笑 ごめんなさい! ゆっくり見守っていただけるとありがたいです(*´꒳`*)