学校探索
二人は中央広場に行く。
「やっぱりあった!」
アリスは広場の中心に行き何かを見つける。
「何があるの?」
「これよこれ。謎の星。きっと何かをはめ込むんだわ」
「ただのタイルじゃないの?少し違和感あるけど」
たしかにそこには星のくぼみがあった。
「普通なら違和感なく作ると思うから、仕掛けの可能性は高いわね。作った人のセンスがおかしければ仕方がないけどね」
「私の予想だと、多分星の形をしたものをはめれば何かが起こると思うけど...とりあえずアリスさんの気になるところ、見にいこっか」
アリスは少し照れながら言う。
「今更だけど、さんずけはやめない?この先、ずっと仲間でいるからね。マリナさんが嫌だったら、今のままでもいいけど」
「いいよ、アリス」
「分かったわ、マリナ」
二人は親睦を深める。
「それじゃあ、昨日行った広場に行きましょ」
そうして二人は昨日行った広場に向かう。
「じゃあマリナは噴水を調べて。私はタイルや像を調べるから」
そう言い、アリスは石像のところへ向かった。
さてと、どこから探そうか。噴水に何か文字が書いてある。まずはこれを調べるとするか。
文字は癒し系の式が書かれている。確かこれは精神を落ち着かせる効果があったはず。
次は噴水の周りのタイルを見てみよう。
タイルは茶色タイルに明るい色のタイルがランダムに敷かれている。どこもおかしいところはない。
最後に噴水の4つある龍の像を調べる。仕掛けがあるならこれしかないだろ。
それぞれに昔の言葉で、火龍、水龍、電龍、氷龍、と書かれている。
どの石像も、形は同じだ。
しばらくして、探すことを中断し、噴水の外側に座る。
「何か見つかった?マリナ」
「いや、何も。そっちはどう?」
「こっちもだめね。あら?これは?」
アリスは私の足元を見る。
「どうしたの?」
「そこに何か書いてある」
アリスに言われて足元を見てみる。
すると噴水には、下の石を外せと昔の言葉で書かれている。
「下の石って何?」
「わからないわよ」
アリスはよく見る。
「ねえ。何か細くて硬いものない?この石取れそう。」
「このナイフは?」
アリスにナイフを渡す。アリスはナイフを使い、石レンガでできている噴水の一部を取り出す。
それはレンガではなく薄い石だった。
「石を取り出したら石が出てきた。なんだろう、キラキラして綺麗だけど」
アリスが取り出した石は綺麗な青色の球体状の宝石だった。
「試しに残りの3つも取れるか試して見ない?」
「そうね」
他の三つを試してみる。すると全て取れた。
石は水色が二つ、黄色が二つ、赤が二つ。これが何を意味しているかはすぐに分かった。
「アリス。赤の石をその石像の目にはめて。青はそっち。黄色と水色はこっちがやるから」
電龍の目に黄色の石を、氷龍の目に水色の石をはめた。
すると噴水の周りで地響きがなる。
「素晴らしーい。よーくここまできましたね。よそーでは2週間ほどかかると思いましーたがー」
校長先生が急に現れる。近く気配はなかったのに。
アリスは何を思ったのか校長先生に謝る。
「すみません。勝手にいろいろいじっちゃって」
「いーのでーすよ。これは試練なーのーです。後でしーれんの噂を流すーよてーだったのですが、あなたたーちはノーヒントでここまできました。とくてーんを与えーましょ!ついでにヒントを与えーまーす。この学校はタヌキの鐘がなるまでーは、じゆーに歩き回ってもいーのです。それではいい魔法ライフを!」
校長先生の喋り方は聞き取りづらい。どうにかならないのか。
「ねえ、マリナ。タヌキの鐘って何」
「タヌキの鐘は寝ている人には聞こえない音を出す鐘。起きている人には音が聞こえるの。ある国の言葉で狸寝入りって言葉があって、そこからタヌキがついたみたい」
「ふーん。そうなんだ」
最初に私が座っていたところの近くにあったタイルが少し浮き上がったことに気づく。
「アリス。そこのタイル、外れるんじゃない?」
「せーので持ち上げましょ」
二人でタイルを外す。するとくぼみがあり箱があった。
「開けるよ」
箱の中には紙が入っていた。
「なんて書いてあるの?よくわからないわ」
「時を待て。火には剣を、水には杖を、雷...槍を...わからない。どんどん古い言葉になってくる。意味もわからないし」
「時を待て?剣?杖?槍?一体どういう...」
「アリス。少し時間をもらっていい?調べたいことがあるから今日も図書館に行きたいのだけど」
「わかったわ。解読するのね。誰よりも先にこの謎をときましょう」
紙の文字を解読するために図書館へ向かった。
「えーっと、どこかしら?」
「あっ!あったよ。この紙の文字だと、神話時代より昔かな?とりあえず本を5つ借りよう」
「どれもぶ厚いわね...」
「この辞典5冊で、現代から神話時代の言葉が書かれているから、半分以上は解けるはず」
アリスは難しい顔をしていた。
図書館担当のステラ先生に本を出す。
「ステラ先生。この本を2か月借ります」
ステラ先生は少し驚く。
「難しい本を借りるのね。こういう本は誰も借りないと思うから、いいわよ」
「ありがとうございます」
「あんまり人が来ないからまたきてね」
ステラ先生は少し寂しそうにマリナたちを見送る。