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第0位魔法

 時間になり朝の会が始まる。


「では皆さん今から点呼をします。ちゃんと返事をしてくださいね。1番アリスさん」

「はい!」

「2番エレンさん」

「は〜い」


  〜


「15番ユウさん」

「はい」

「今日やることを今から言います。しっかり聞いてくださいね。最初の授業は第0位魔法を学んでもらいます。次の授業は魔法適性検査をします。その次の授業は学校内の説明です。今日はこの3つをやってもらいます」


 今日の試練は適性検査になりそうだ。

 魔力量は呪いで制限できても魔法を放つことは制限できない。自分で制限をするしかない。ミスれば大きな数値が出て大騒ぎだ。


「時間が経ったら呼びますので、待機してください。授業の準備が必要な時は準備する時間に使ってください。今回はなにも準備しなくても良いのでおしゃべりなどしててください。私は道具を取りに行きます」


 ルル先生は教室を出て行った。


「マリナさん。今日の放課後も学校まわらない?」

「いいけど授業で学校を見るんだよね」

「授業では細かく説明しないと思う。私、昨日見たんだ。学校にある、謎のくぼみを」

「謎のくぼみ?なにそれ。見てないけど」


 なんだろう?全くわからない。


「私の生みの親はカラクリが好きでパズルの箱を良く集めていたの」

「それと謎のくぼみはどんな関係?」

「箱は綺麗な装飾が施されているけど、それは仕掛けを隠すものである装飾を動かすと箱が開くの。この学校、装飾に凝ってたり不自然なところが多いの。多分だけどこの学校は全体カラクリ箱のような作りになっていると思うの」

「なんだか神話時代のお話に出てきそうな話だね。魔王城の話に似た仕掛けのはを良く見るよ」

「そう。龍の石像は実は、口に水晶を入れて扉を開く装置だったように。高そうな置物や像があるから、もしかしたらこの学校にはたくさんのパズルがあるんじゃない?ただの思い込みだけど」

「いや、昔は物を隠す時に仕掛けを施して隠す人がいたから、全てがパズルとはいえないけど1つか2つはあるかも知れない」


 師匠の家の地下室にその仕掛けがあることは知っている。ただその仕掛けを解くことは出来なかった。

 師匠の何かを隠す仕掛けは祭壇に何かを置くタイプのものだと思うけど、それが何かはわからない。祭壇式は水晶、本、血、武器などを置いて動かすものだが、本だろう。あの家に本は数え切れないほどあるから本人しか動かせない。

 ルル先生は、資料や杖を持ってきた。


「はい。みんな席について」


 みんな急いで席に戻る。


「じゃあ1番のアリスさんでいっか。じゃあアリスさん。初めの挨拶よろしく」


 アリスは大きな声で言う。


『よろしくお願いします』


 みんな同時に礼をする。


「まずは、みんなは魔法ってなんだと思う?」


 アリスは言う。


「魔力を水や火などに変換することだと思います。」

「そうだね。他の人は?」


 意外にもマイが手をあげる。


「おっ、じゃあマイさん、どうぞ。」

「魔法とは出来ないことを可能にすることだと思います」


 この考え方は確か魔法を使わない人の考えだ。昔はそう考えていた。


「確かに、そう言う考えもあるね。で他の人はいる?」


 私は手をあげる。


「マリナさん、どうぞ」

「魔法とはイメージを具現化したものだと思います。異夢の扉はただ魔力を込めても作れません」

「そうだね。ただ魔力を込めても周りに逃すだけで、意味はない。例えば火の魔法を使う時に、熱く燃えるイメージをすると魔法式が組みやすくなる。どの魔法にも同じことが言える。で他にいる?」


 誰も反応はなかった。


「答えを教えるね。魔法に正しい答えはない。自分が正しいと思ったことが正しい。そう思いなさい。それが力になる。魔法について会議をすれば行き違う。これが正しいと言い争い戦争になった例もある。だから形が違えどみんなは支え合ってほしい」


 師匠に言われたことだ。不思議なことを魔法と言ったり、出来ないことを魔法と言ったり、魔法を魔法と言ったり。この世界で否定することは全てを敵にすることだって。


「みんなが思った事が正解です。では次にいきましょう。私が持っているものは杖です。杖は何のためのものか知っていますか?」


 アリスはまた先に言う。


「魔法を強化するための道具です」


 アリスが言った後に手をあげる。


「アリスさんの言っていることは正しいですがそれは違います。本来の杖は手に負荷をかけないで使うための道具です」

「そうですね。杖は手に負荷をかけないための道具です。簡単な魔法でも指先で放つと痛くなったりしますね。あなたたちはまだ強くないので指先で魔法を使おうと思ってはいけませんよ。魔法について少し分かったところで第0位魔法を学んでもらいます」


 第0位魔法をもう一度学ぶなんて思ってもいなかった。


「では魔法には様々な形がありますが、この魔法は頭に浮かべて手に魔力を込めて使う魔法です。魔力操作、生成、癒しこれができて魔法使いの卵です。魔力操作は昨日やったので生成をします。生成は―」


 この授業の内容を聞くだけ無駄だと思い、兎肉をどうしようか考えた。

 そのまま焼いてもいいし煮込んでもいい。煮込みでいいか。異次元収納に材料あるし。

 皮はどうしよう。加工してポーチにでもしようかな。

 考えている中アリスが小声で話しかけてくる。


「マリナさん。ちゃんと聞いています?」

「うん」


 うん。何の話をしているのかわからない。


「ではマリナさんに、生成をやってもらいます。この器に水を生成してください」


 器が空を飛んで机に来る。

 水の生成なら簡単だ。量を間違えれば大惨事だが。

 手のひらから水を生成する。


「えい」

「私の気のせいでした。すいません。授業をちゃんと聞いていないと思ったので」


 この先生、意外と見ている。気をつけなくては。


「ではみなさんにもやってもらいます」

「今の説明でできないよー」

「全く理解できなかった...」

「マリナどうやったの?」


 アリス、エレン、ナディ、ミチル、ユノ、ソフィー、フルア、キリヤ、レイはできたがそのほかは苦戦していた。


「みんなができたので、癒しの魔法を教えます。この魔法を使うと、気分が良くなったり、かすり傷程度なら治せます。では―」


 もう知ってるので、頭の中で復習しよう。大体の癒し系の魔法は然や光で自然や暖かいイメージをすると効果が上がる。火や闇の癒し魔法もあるので、それは忘れてはいけない。癒し魔法は回復魔法と呼ばれる。詠唱するときはヒールと言うと効果が上がる。回復魔法には、癒し、低、中、高、持続、各状態異常回復、全状態異常回復、蘇生、絶対、完璧、全、と様々である。絶対は、回復できない呪いでも絶対に回復するもの。完璧は現在の完璧に回復するもの。全は呪いを受けても手がなくても足がなくても、完全に治す魔法。

 先生がこっちに向かってくる。


「―ではマリナさん。この傷を治してください」


 どうやらわざわざ自分に切り傷をつけてくれたようだ。まあ生徒にやったらダメだからな。

 先生の手に両手で癒し魔法を放つ。


「...ヒール」


 先生の手の傷は消える。


「素晴らしいです。ここまで完璧に傷が治るとは思っていませんでした。ヒールのことは教えていませんでしたが、どこで知りました?」

「本で知りました」

「そうですか。では癒しの魔法は傷を治すだけではなく、気分を良くする魔法でもあるので隣の人に使って、感想を聞いてどのような感想か紙に書いて提出してください」


 みんなそれぞれ感想を紙に書き提出した。


「では魔法適正検査をしますので、闘技場に集まってください」


 闘技場に集まった。


「本の上に浮いた魔石に手を当てて、魔力を放ってください。強く放たないと正確に検査できません」


 いいことを聞いた。なら弱く放てば、平均値は出せるだろう。


「マリナさん。次どうぞ」


 よし、5分の1くらいの力で魔力を放てばいいだろう。

 マリナは、魔石に魔力を放つ。

 すると下の本に数値が書かれた。


     魔法測定器

    10歳〜18歳用

 

  0〜5 不 6〜11良 12〜合

 ②は3より上であれば合。③は0より上であれば合。


魔力量168不 頑張った方がいい


然10良 あと少し

火11良 あと少し

土9良 もう少し

金9良 もう少し

水11良 あと少し

風9合 すばらしい

電6合 すばらしい

氷4合 すばらしい

光2合 すばらしい

闇0不 才能はある


 昔測った時と大体同じくらいになった。


「マリナさん。魔力量が少ないですね。それに①の合がないのに、②は合がある。まさか、魔法道具を使っていませんか?」


 先生の目が鋭くなり、私を睨む。


「まあ、才能という場合もありますが、①の合が一つもないのは異常ですね。まだ後ろにたくさんいますので、今はいいですが。次の人、どうぞ」


 先生は師匠と同じことを言った。

 師匠は基本の魔法は合は一つもないのに、ほかの魔法は合がある、才能があると。

 今回は闇魔法は不だったが、前測った時は数値は1だった。


「マリナさん。どうだった?」

「やっぱり魔力量は少なかった。確か168だった」

「私は368だったけど、なんでだろう。マリナさんは、魔法の才能はあると思うのに」


 私は呪いでこうなってるから本来は2500ほどあるはずだ。まあ、魔力量は個人差があるし、魔族の血はほとんどないから、5歳の時から修行をしていなければ、168より少なかったかもしれない。

 検査が終わったミチルがくる。


「アリスは、どうだった?合はいくつ?」

「3つだけど」

「私より1個多い!?先生に褒められたのに!」


 ミチルは悔しがる。


「火と然と水が合だったよ」

「じゃあさ、じゃあさ、魔力量は?」

「368だったよ」

「私より多い。14多い」


 さらにミチルは悔しがる。

 ミチルは、マリナに矛先を向ける。


「じゃああんた、マリナはどうだった?」

「魔力量はかなり低いけど、合は4つあったよ」

「多っ!?で何が合だったのよ」

「風、電、氷、光だったよ」

「なんかおかしくない?なんで基本の魔法は無いの?私はその属性は全部0だったわよ!」


 最初から適性はあったのだが。ミチルの適性がなかっただけ。どこもおかしくない。

 最後、ユウの検査が終わり、魔法適性検査は終わる。

 次の授業で学校中を回った。闘技場、食堂、作業場、各教室、研究室、広場などを回った。途中作業場の使用許可ももらった。


『ありがとうございました』


 全ての授業が終わり、一度寮へ帰った。

放課後の探索始まります

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