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入学式

 教室の扉を開くと多くの人が集まっていた。


「おっ!また来た。私はエレン。よろしくね〜」


 扉を開けると、いきなり飛び出てきた。


「エレンちゃん。いきなり大きく出たらびっくりしちゃうでしょ。またマイちゃんみたいに、尻餅つく人が出るかもしれないでしょ」


 いきなり出てきてびっくりしたが、あれで尻餅つく人はどんな人なんだろう。


「......あうぅ。言わないでよ、ナディちゃん。あれ恥ずかしかったんだよぉ」


 いた。どう見ても心細そう。魔法使いには精神力が必要だが大丈夫なのか?


「私はアリス。よろしくね。こっちは...」

「マリナです。よろしく」

「アリスとマリナ、OKわかった。エレン、私、マイ、ソフィー、アリス、マリナ、ユウ、ナツキ。フルア、コウ、今で10人残り5人がまだか。時間後15分ぐらいだけど大丈夫かな?」


「皆さん、ご機嫌よう」

「こっちではご機嫌ようじゃなくて、おはようございます、ですよ」


 あれはなんなんだ?貴族なのか?ご機嫌ようって初めて聞いた。


「あらソフィーじゃない。久しぶりね。元気にしてた?」

「ユノさん、リノさん、お久しぶりです」


 あの人がソフィーか。この3人何か雰囲気が違う。


「アールグレイ家は現在どのような状況ですか?」

「んー、昔よりは楽になったかな。お父さんが家にいる時間は増えたし」

「そうですか」

「あ、あの皆さんはどのようなご関係で?」


 気になったナディは聞いた。


「私達は、いとこと言う関係です。私のお母様とアールグレイ家のお父様は兄妹なのです」

「そうなんだ。じゃあ、ユノとリノは双子?」

「そうだよ。ユノが妹で私が姉だよ」


 驚きの事実。なんとなく双子の姉妹だと思っていたけど逆だった。ユノが姉じゃなかった。


「俺らが最後か?」


 男子二人が入ってくる。


「どうだろう。見た感じ後1人か2人くらいじゃない?」


 気のせいだろうか。あの二人に会うのは初めてだと思うのだが、初めてじゃない気もする。

 

「あと1人だよ。君たちで14人目。私はエレンだよ〜よろしくね〜。君たちは?」

「僕は、レイ」

「俺は、フルア」


 時間石が早く点滅してきた。残りあと5分くらいだろう。


「間に合った?完璧に赤になってないわよね?」


 最後の1人が入ってきた。


「大丈夫だよ。あなたで最後だけど」


 少女は走って来たらしく息を切らしていた。


「早く席についた方がいいよ〜。ミチルちゃんだよね?5番の席はあっち」

「ありがとう」


 ミチルは急いで荷物をしまう。

 扉が開き、先生と思われる人が入ってくる。


「私は君たちの担任になったルルだ。今から校庭に行くから適当に列を作れ」


 先生はどんな人だろうと思っていたけど少し怖そう。師匠ほどではないが。

 列を作り校庭に向かう。そこに見覚えのある人が立っていた。


「皆さん!おはよーございます!今からあなたたちはせーしきに、この魔法学校のせーとです!」


 確かこの人は魔法使いの宴にいた人だ。特徴的な喋り方は、忘れない。

 なんだっけ?魔法なんとかお笑い検定持ってる人だったっけ?


「私から皆さんにプレゼントを差し上げましょー」


 花束が降って来た。バラとカスミソウとチューリップ。確か花言葉は幸福だったような?


「それっ」


 花びらの吹雪が現れた。


「もういっちょ!」


 おじさんは爆発した。


「ありゃりゃ。失敗しちゃいました。魔法の花火を打ち上げようとしたのに。ほいっ」


 黒焦げになった服が掛け声と共に元どおりになった。


「私はこの魔法学校の校長になったメオ。さっきの魔法は、魔法爆笑お笑い検定を取るときに覚えた魔法だよー。たまにさっきのように爆発する時があるけど」


 みんな苦笑いしてた。


「では、今から学校の説明をするからよーく聞いてねー。まず学校は学ぶところです。せーとたちもせんせーも私もみんな勉強する所です。先生は生徒に教えて、せーとは先生のわからないことをおしーえましょう。もしこの学校でいじめがあった場合はー」


 校長先生の声のトーンがだんだん低くなった。


「いじめをした生徒は、重い罰を受けてもらいます」


 一瞬校長先生の気配が変わった。


「この学校ではクエストを受けてもらいーます。三カ月にだいたい15回クエストをやってもらいます。報酬は学費とお小遣いでーす。やったね!月にだいたい5回クエストを受けなければ警告します。三カ月サボれば学費を払わないとみなし退学にします。訳あってできないので有れば先生に報告してねー。うれしーことに、クエストを多くやったり、夏休み中は学費がいらなーいのでお小遣いが、たーんまりもらえーます」


 クエストとはなんだろう?冒険者みたいなことだろうか?狩とか採取とか?


「今はー関係ないけどー、4〜6年生は上位者になることができまーす。4年の優秀な生徒3人は下位、5年の優秀な生徒3人は中位、6年の優秀な生徒3人は上位。その人たちはーせんせーのお手伝いをしてもーらいます」

「校長いいですか?」

「どーぞ」

「その喋り方、どうにかなりませんか?恐らく生徒達も聞き取りづらいと思いますし」


 担任のルル先生ナイス。よくいってくれた。

 だが次の瞬間。


「......おお、そうか、ダメなのか、この喋り方...わかった、やめよう」


 声のトーンが暗くなった。この世の絶望の中にいるかのように。


「では...この学校で...」

「校長先生、すいませんでした。やっぱり前の言い方の方がいいです。皆さんもそうだと思いますよね?」


 矛先がこっちに向いて来た。

 これはひどい、みんなうなずくしかないだろう。


「おお!みんな!」


 校長先生の目に光が灯った。


「ありがとう。ではー、この学校でー上位者になったら誇ることはぜんぜーんいいのだが、誰かを蹴落としたり馬鹿にすることはこのわーしが許さない。他にも細かいルールがあるので生徒手帳をしっかり見てーね」


悲しんでいたが元どおりになった。あれは演技なんだろうか?


「このあーと異夢の扉をおべんきょーするからしっかり先生の言うことをきいてーね」


 ようやく入学式は終わった

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