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一瀬くんの心仁科さん知らず  作者: 朝日奈 侑
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一瀬くんと仁科さん 2話(後編)

 「えーと、前回の文化祭実行委員で無事、うちのクラスは第一希望の飲食店を勝ち取ったということで、今日は具体的にどんな店にするのかを決めたいと思います。何か案ある人ー?」

一学期期末試験前日、三森の司会の下、二学期に開催される文化祭についての話し合いが始まった。皆口々に希望案を出していく。ケーキ、ドーナツ、ラーメン、お好み焼き、から揚げなど、個人的な好みのものも含めて意見は様々だ。もちろんこういう時一瀬は特に何も言葉を発しない。ただぼんやりとクラスメートの話し合いの流れを聞いていた。

「みんな食いたいもの言うのは自由だけど、全員交代で作るんだから難易度高い食べ物だと商品に良し悪しが出ちゃうだろ」

「食中毒者を出さないよう絶対に気をつけることも忘れずに」

苦笑しながら言う三森に教室の隅で成り行きを見ている九原が一言付け加えた。

 「涼子は何か案ないのー?」

ふと仁科の名前が聞こえ、一瀬の意識はそちらに向かった。仁科の斜め後ろに座っている四辻(よつじ)未来(みき)が、仁科に話しかけている。四辻はいつも仁科と行動を共にしている女子生徒の一人だ。四辻の質問に仁科は考えながら答える。

「んー個人的にはうどんが好きだけど、他のも美味しそうで迷っちゃうな。でもたしかに凝ったものとか色々欲張ると大変なことになりそうだから難しいよね」

(三森が言ってた通り、仁科さんってうどん好きなんだ)

さりげなく仁科の答えに耳を集中させていた一瀬は、先日三森から聞いた話を思い出していた。自分の母の店にもよく来ているというのは本当だろうか。知らなかったこととはいえ、なおかつ母と仁科に面識がないとはいえ、妙に気恥ずかしい。

 そんなことを考えているとふと仁科と目があった。仁科がふわりと微笑う。

「一瀬くんは何か案ある?」

その瞬間一瀬はクラス全員の意識が自分に向けられたことを肌で感じた。別に仁科も四辻もそんなに大きな声で話してはいない。他の生徒達が各自で好き勝手話している声と変わらない音量だった。一瀬と仁科の席だって間に一席ある程度の距離なので、一瀬に話しかけた仁科の声もそんな大きなものではなかったのに。

「あー・・・」

「一瀬、何か案ある?」

突然の展開に戸惑っていると三森も重ねて尋ねてきた。一瀬は黒板に並ぶ案に目を走らせる。ケーキやクレープ、団子やラーメン、お好み焼きなどが書いてある中で、一瀬はパンケーキとたこ焼きの文字を見つけた。

「たこ焼き器を借りられるなら、ベビーカステラとか・・・」

「ベビーカステラ?」

仁科がきょとんとした顔で一瀬の言葉を繰り返す。

「そう。ホットケーキミックス使えば誰にでも簡単だし、火を通すから衛生面も心配ないし、カップに入れて食べ歩き用も用意できるし、もちろん生クリームとか盛り付けてイートインメニューを作ってもいいし・・・」

「いいね、それ!」

仁科が瞳をキラキラと輝かせた。「めっちゃ良くない?」と同意を求められた四辻も「うん、めっちゃいいと思うー」と頷いている。

「たしかにすごくいい。せっかくだからいくつか味のバリエーションがほしいところだな」

「たこ焼きみたいに中に何か具を入れて味を変えればいいんじゃない?チョコとかジャムとか」

三森の発言を受けて、クラスメート達が次々に意見を出し合っていく。

「あーたしかにそれだと簡単に味変えられるね」

「ちょっと変わり種の具を用意しても楽しそう」

「いろんな味のミックスセットとか盛り上がりそうじゃねぇ?食べるまで何が入ってるのかお楽しみみたいな」

「カップは百均で可愛いの買ったらSNS映えも狙えるよね」

「イートインではタワーみたいに積み重ねて豪華なメニューとかどうかな?クロカンブッシュみたいに」

「面白そう!やってみたい!」

「じゃあうちのクラスはベビーカステラで決定だな。中身をどんなものにするかは夏休み試食して決めよう」

その後、ポスターやチラシ、クラス全員で着るTシャツの手配、夏休み集まる日程と話し合いは続き、チャイムが鳴ったところで九原の「皆、楽しそうに盛り上がっているところ申し訳ないけど、明日からの期末試験も手を抜かず頑張るように」という一言でクラス全体の空気は一気に盛り下がって話し合いは終了した。



 「ねぇ、涼子ちゃん期末試験最終日の放課後とか時間ないかしら?」

その日の夜、一瀬が自室で数学の問題を解いていると薫が部屋に入ってきた。

「さぁ、知らないけど、なんで?」

「新作メニューの試食っていうか相談に乗ってほしくて」

薫の答えに一瀬は怪訝な顔をする。

「仁科さんに?いつも俺達だけで決めてるじゃん」

「それは他にお願いできる人がいなかったからなだけじゃなーい!今時の女子高生の意見が聞けるなんて重要かつ貴重でしょ?せっかく知り合えたんだから、お願いしたいなと思って。涼子ちゃん良い子だしー」

仁科が今時の女子高生かと言われると一瀬は少しばかり違和感があった。他の女子生徒の中にはたしかに『今時らしく』スカートを短くしてみたり髪を染めてみたり持ち物をいちいち凝ってみたりしている生徒もいるが、仁科は制服のスカート丈も規則通りだし髪も染めてないし持ち物もいたってシンプルだ。どちらかというと『今時珍しい素朴な子』という印象の方が強い。

「ねねね、お願い涼子ちゃんの予定聞いてみてよー」

「えー・・・」

「マジで頼む」

一瞬薫の口調が『男』になった。これは相当真剣な時だ。仕方なく一瀬は携帯を手に取り、仁科宛にメッセージを打ち込む。

『突然だけど、期末試験最終日の放課後空いてる?兄さんが新作メニューの試食をお願いしたいらしくて。もし無理なら遠慮なく断ってくれていいから』

少しドキドキしながらメッセージを送るとすぐに『既読』の表示が表れ、一瀬の鼓動がさらに上がった。相手の返事がくるまでの間というのは妙に緊張感がある。すると一瀬の携帯が立て続けに通知音を鳴らした。

『新作メニュー!?』

『いいの?』

『楽しみ!』

『お役に立てるかわからないけど、行きます!』

一瀬は思わず小さく噴き出した。携帯のメッセージは声色や表情がわからない分冷たい印象に感じてしまったりするものだが、こんなにも本人の人柄そのままに送られてくる場合もあるのだなと一瀬は感心する。そしてただ彼女が彼女らしくあることがこんなにも自分をくすぐったいような気持ちにするのかと驚くばかりだ。

「涼子ちゃん、何て?」

「『お役に立てるかわからないけど、行きます!』だって」

「ほんと?よかったー!ありがとねー!楽しみだわぁ」

(なんでこの人こんなうれしそうなんだ?)

機嫌良く部屋を出ていく薫の背中を訝しげに見送って、「まぁいいか」と一瀬は数学の問題に向き直った。



 「今日は兄さんのワガママに付き合わせちゃってごめん」

一学期期末試験を終え、一瀬と仁科は校門から少し離れたところで落ち合った。申し訳ないと言う一瀬に仁科はにこにことした表情で首を横に振る。

「ワガママなんてことないよ。むしろ素敵なお誘い。新作メニューを誰よりも先に味わわせてもらえるなんてすごく贅沢だよねぇ。うれしいなぁ」

本当に彼女はどうしてここまで素直に前向きなんだろう。

(なんだか、かなわないな)

 今回の期末試験の手応えはどうだったか、新作メニューはどんなものだろうかと他愛もない話をしているうちに薫のカフェに着いた。本来今日は定休日であるためドアには『CLOSED』のプレートがかかっている。けれど薫がいる時は鍵は開いているので一瀬はいつものように店のドアを開け、そして店内を見て思わず叫びそうになった。客のいない店内に人影が二つ。一つはカウンターの中に立つ薫。そしてもう一つはカウンター席に腰をかけている男性だ。その男性は一瀬を見るとその恐ろしく美しい顔で優雅に微笑んだ。

「帰ったか、渉」

「と・・・父さん!?」

艶やかな金色の髪、鮮やかなコバルトブルーの瞳、凛々しく整った顔立ち、スラリと伸びる手足、素人でも仕立ての良さがわかるほど質の高いスーツ、時代が時代なら貴族を思わせるであろう気品。そう、カウンター席に座るのは他の誰でもない、渉の父親である。

「なんで!?仕事は!?」

渉の父親は世界中で高級ホテルをいくつも経営している会社の社長を務めている。本社はアメリカであり、また出張も多いため、日本で過ごすのは一年の中でも十数日だ。

「仕事は片付けてきた。来週渉の三者面談だからな」

「いや、三者面談は母さんが来てくれるはずじゃ・・・」

「雪乃ばかりに行かせるわけにもいかないだろう」

余裕たっぷりに答える父親に一瀬が呆然としていると、父親は一瀬の後ろに立つ仁科に目を向け、席を立って改めてにこりと微笑んだ。

「君が仁科涼子か」

「初めまして。一瀬くんと同じクラスの仁科涼子です」

薫と初めて会った時と同様、仁科は少しも臆することなく挨拶し、小さくお辞儀した。それを見て渉の父親は満足そうに笑みを浮かべたまま手を差し出した。

「私は薫と渉の父親でランスロットという。渉が世話になっていると聞いた。礼を言う」

「いえいえそんな。こちらがお世話になってまして」

ランスロットと握手をしている仁科の姿を、一瀬は『この世に仁科さんが動じるようなものってあるのだろうか』と思いながら見ていた。そんな一瀬を気にかけることなくランスロットは仁科に自分の横の椅子を勧める。

「さぁ立ち話も無粋だから座るがいい。お茶とケーキをご馳走しよう。薫、彼女にお茶とケーキを」

やだこの人絶対仁科さん見たさで三者面談を言い訳に帰ってきたじゃん、これ。

一瀬は青ざめながらもなんとか薫の元へ行き、薫の襟首を掴んで詰め寄った。

「ちょっと兄さんこれどういうこと?」

「ごめーん。父さんが涼子ちゃんに会ってみたいって言うからー。でも渉にそんなこと直接言ったら絶対断るでしょー?だからこんな形で」

「『だからこんな形で』じゃないだろ!一体どこに息子のクラスメート一人と会うためにわざわざ仕事片付けて海外から戻ってくる父親がいるんだよ!?聞いたことないんだけど!」

「あらやだ今実際目の前にいるでしょ。珍しいならちゃんと拝んでおいたら?」

一瀬の抗議をまったく悪びれもせず受け流した薫は仁科の座る前に皿を置く。

「涼子ちゃん今日はわざわざありがとー!これ、新作メニューね。ココナッツミルクパンナコッタにマンゴーソースとパインソースのダブルがけなのー。どうかしら?」

「めっちゃ綺麗!美味しそうです―!いただきます!」

仁科は行儀良く手を合わせてからスプーンを手に取る。白くプルプルとしているパンナコッタに瑞々しいソースをたっぷりとからめて口に運ぶ。その瞬間仁科の目は大きく見開かれ、歓喜の色に輝いた。

「んー!美味しい!」

「ほんと?よかったぁ。夏休みの間のスペシャルメニューにしようと思って。何か改善点とかないかしら?」

「もう充分素晴らしく美味しいですよ。夏っぽいし見た目も涼し気だし」

「そう?実はタピオカを入れるか悩んだんだけど、ちょっとありきたりかなぁとも思って。涼子ちゃん的にはどうかしら?」

「よくある組み合わせだからこそ人気になるってこともあると思いますけど・・・何かの寒天ゼリーと二層にしてみるとか?個人的に好きなんです、寒天ゼリー」

「寒天ゼリー!いいわねそれ!せっかくだから何層かにしてストライプみたいにしてもおしゃれよね!いっそセバスチャンケーキみたいなチェッカー柄にしてみようかしら!」

「おぉ!それはとても綺麗なパンナコッタになりそうな気配がしますね!」

「ちょっと作り直してみるわ!」

薫とのやり取りを終えて引き続きパンナコッタを嬉しそうに口に入れている仁科を黙って眺めていたランスロットが興味深そうに口を開いた。

「君はずいぶんと美味しそうに食べるな」

「はい!とっても美味しいので」

「そうか。それはよかった。ところで、君は渉と大変仲が良いそうだが・・・」

ランスロットの言葉に、それまであまりの事態に何も言えずただただアイスティーを飲んでいた一瀬は盛大に吹き出しそうになった。

「な、なんだよそれ?」

「いや、薫から『渉が頻繁に店に連れてきている女の子がいる』と聞いて、あの筋金入りの人見知りで友人もいなかった渉が頻繁に連れてくるとはどんな子かと気になってな」

「頻繁ってまだ今日を含めて三回なだけですけど!?しかも一回目は偶然で三回目は兄さん・・・というか父さんが呼んだだけだし!」

「とにかく良い子そうで安心した。これからも渉をよろしく頼む」

「あ、はい、こちらこそ」

反論を唱えている一瀬をさらりと受け流したランスロットは仁科に微笑みかけ、仁科も応える。

「ところで渉は学校ではどう過ごしている?やはり単独行動か?それとも君が一緒にいてくれているのかな?」

「何言ってんの!?」

「渉うるさい」

「うーん、たしかに一瀬くんは一人で行動してるのが楽なのかなぁとは思いますけど、私は一瀬くんと話すの楽しいです。そういえば、この前文化祭の出し物について一瀬くんすっごく良いアイディア出してくれて、みんなめっちゃ盛り上がったんですよ!」

「ほう。文化祭では何をするのかな?」

「ベビーカステラです。夏休みにみんなで試食会して何味を出すか決めるんですよ。私試食会も文化祭もとっても楽しみなんです!」

「何味が良いかなぁ?」と仁科が一瀬を振り返る。その笑顔があまりにも平和で、それまでの薫に出し抜かれた不満やランスロットに振り回されている疲労感が一瞬にして馬鹿馬鹿しく思えてどうでもよくなった。そして思わず笑ってしまった。こんな風に笑ったのはいつぶりだろうか。久しぶり過ぎて自分でも顔の筋肉がぎこちない気がする。そんな一瀬の笑顔に仁科は一瞬驚いたような顔をして、また顔を綻ばせた。



 ランスロットと薫にきちんと挨拶をし終えた仁科を一瀬は店のドアの外まで見送ることにした。

「今日はありがとう」

「ううん、こちらこそありがとう。美味しかったし、楽しかった」

「父さんと兄さんが迷惑かけて本当にごめん」

「迷惑?迷惑とか全っ然ないよ!素敵なお父様だね。一瀬くん、愛されてるんだなぁって思った」

仁科の笑顔が、言葉が、夕日と相まってなんだかすごく一瀬の心を締めつけた。

―――――ライバルもいるから頑張って行動しろよ

ふいに三森の言葉が脳裏によぎる。

「・・・仁科さんの、そういうとこ」

「うん?」

「なんていうか、その・・・仁科さんのそういう素直で前向きなとこ、いいよね」

「ほんと?ありがとう」

「俺も、仁科さんみたいな性格になりたいな」

「私みたいな?うーん・・・それはちょっともったいないかなぁ」

「もったいない?」

「私は一瀬くんの性格、というかキャラクターすごく良いなと思ってるから、私みたいなありきたりな性格になっちゃうのはもったいないよ。一瀬くんは絶対今の一瀬くんのままがいい!」

 「じゃあまた終業式でね」と手を振り去っていく仁科の背中が見えなくなるまで見送ると、一瀬はそのまま両手で顔を覆いながらその場にしゃがみこんだ。手に触れる肌がとても熱い。きっと今耳も首も真っ赤だ。

本当に、かなわない―――――



 なんとか落ち着いて店内に戻るとランスロットと薫がにやにやとこちらを見ていた。一瀬はわざとそれに気づかないふりをして元の席に座る。

「彼女、とても良い子じゃないか」

ランスロットの発言に何と返事をしたものかかなり悩むところだったが、一瀬はとりあえず小さく「そうだね」とつぶやいた。それを聞いてランスロットは満足そうな笑みを浮かべてコーヒーカップを口元に運んだ後、声を上げて笑った。

「しかしあんなに取り乱して大声を出す渉は初めて見たな。実に愉快。それだけでもわざわざアメリカから帰ってきた甲斐があったというものだ」

「誰のせいだと思ってんだよっ」

一瀬の憤然たる主張など知らぬ存ぜぬでランスロットは立ち上がる。

「さぁ帰るぞ。今日は久しぶりの家族水入らずで夕食だ。私が腕によりをかけよう」

「やめて父さん、キッチンが消滅してしまうわ。私が作ります」

張り切るランスロットを薫が青ざめながら止める。どうして止められるのか本気でわかっていない様子のランスロットを見て、一瀬はため息をついたものの、久々の家族全員での食事に思いを馳せて少しだけ口元を緩ませた。



 「あれ?父さんは?」

次の日の朝、一瀬が起きてダイニングルームへ行くと薫が朝ごはんにトーストをかじっていた。母親はもう働きに出ているが、休みをとっているはずのランスロットの姿が見当たらない。アメリカとの時差のせいでまだ寝ているのだろうかと考えた一瀬に向かって薫がコーンスープを口に運びながら答えた。

「父さんなら今日の午前便でアメリカよ」

「・・・・・結局三者面談は来ないのかよ・・・」

薫の言葉に一瀬は激しく脱力した。

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