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第5話 嵐の予感?新入部員とパーティータイム 〜前編〜

その日の放課後、僕は別舎の料理研究クラブの部室へと足を運んだ。


「遅いわ!並川君。10分も遅刻よ!」


部室に入って早々に叱責を食らった僕は何事もなかったかのように立ち去ろうとしたのを、不浄に捕まってしまった。


「しょうがないだろう〜、HRホームルームが長引いたんだから。

そういうのは担任の源ちゃんに言うべきだと僕は主張しますが!」


縄で椅子に縛られた僕は異議を唱えて見るも、速攻で却下された。

やはり、2対1では分が悪い。

そこで、このクラブの顧問を探して見るもまだ来ていなかった。

因みにこの料理研究クラブの顧問を務めているのは、1年B組の担任で現代文の教師の高須たかす梨恵子りえこ先生である。

高須先生は20代の若い先生で、この学校のクイーン・オブ・ティーチャーの座に君臨する美人教師のうちの1人だった。

実年齢は分かっていないが、まだ未婚であることは確かな情報である。

それゆえの料理研究クラブか……

と僕は勝手ながら推測していた。


「で、今日は何をするんだよ?いつものようだったら帰るぞ?」


話の筋を戻し、今日ここの召集された理由を問いただした。


「もちろん、新入生の歓迎会の準備に決まってるじゃない!」


聞かされていませんが………?

そう思うのは気のせいであろうか、なぜか円滑に話が進められていた。

その時だった。


ガラガラ…………


ようやく高須先生が到着した。

僕はすぐさまに高須先生に訴えかけた。


「先生、柊さんが僕を拘束します!」


すると、状況を理解した高須先生は柊と不浄に向かって言った。


「あらあら、いけませんよ。拘束なんてしちゃぁ。やるならもっときつくやらないと……」


若干話が変な流れに進んだが、いつもの事なのでスルーした。

それに対して柊等は僕を睨みつけながら言った。


「先生、誤解しているようですが私達はこの不良に走りそうになっている並川君を止めるために拘束しているのです。」


その意見に納得した先生は柊派に取り込まれてしまった。

まぁ、始めから期待はしていなかったのであったが。


「……と言う事で明日が本番だから、それまでに料理を作ること!

いいわね?並川君」


小1時間ほど話した後にそれだけが僕に伝えられた。

てか、僕だけ仲間はずれって……

そう思ったが、まぁあまり来ていなかった始末がこれだけならまだ許せたのだったが……


「……料理作るの?まぁ、頑張ってね」


僕は柊に激励の言葉を送るとようやく解けた縄をゴミ箱に捨てて、帰ろうとした。


「へ……?料理って、並川君が作るんだよ?」


理解速度が遅れたせいか、拍子の抜けた声で柊は答えた。


「は……?なんで僕が料理なんて作んなきゃならないんだよ?

大体、一番料理と無縁だろうが!」


僕は食べる事はあっても、作る事なんて滅多にしない。


「だって、それはいつも部活に来ないからじゃない!

まぁ、いい罰だと思って頑張りなさい!」


その言葉だけ残すと柊と不浄は無情にも帰ってしまった。

残されたのは僕と高須先生だけだった。


「あっ、そういえばまだ仕事が……」


なんて事を言いながら高須先生も去っていってしまった。

さて、どうしたのものか……

作るものなんか考えていなかったので、その辺にある料理本を片手にレシピを考え始めた。

実を言うと、先ほどの言葉は半分嘘だった。

確かに僕は食べる方がメインだけれども、家での夕食は大抵僕が作っていた。


「この時間じゃぁ、家に帰るのは遅くなるな……

瑞葉にメールでもしてやらないと」


僕は妹に遅くなるとメールを送ると、明日の準備に取り掛かった。

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