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第1話 今日から僕は2年生!

微かな風で道に咲いていた桜の花が飛び舞っていた頃、僕は心地良く眠っていた。

ここはI県にあるとある町の住宅街の一軒家の2階。

僕、並川東馬なみかわとうまはこの春で県立けんりつ姿熊シグマ高校の2年生になったのだが……


(ピピピピ……)


「うぅーん……もう少し……」


寝言を言いながら鳴り続ける目覚まし時計のアラームを切った。

そして僕は再び夢の世界に飛び立つはずだったが……


(ダッダッダッダ……ガチャッ)


「こらぁ〜!起きなさい!」


そう、毎朝毎朝再び夢の世界に飛び立とうとすると現れるやからが一人いた。


「うぅーん……あと5分だけ……」


僕はそう呟くと寝ようとしたその時、足の方で急に重みがした。


「ほらぁ、起きないといつもの目覚めのキスを……」


僕はハッとして飛び起きた。


「ってかしてないから!そういうのは止めろって、瑞葉みずは


そう、この騒がしい輩こそ我が妹の瑞葉であった。


「あっ、そうだった。お兄ちゃん、遅刻するょ」


僕は妹の言葉でとっさに目覚まし時計を見た。

8:20……


「あぁ〜!遅刻するぅ〜!」


僕は急いで寝巻きを脱ぎ捨てるとこの1年間で身につけた最速5.4秒の早業で制服に着替え、カバンを持って1階へと駆け降りていった。

起床からわずか2分で身支度を整えてパンをくわえて家から飛び出していった。

家から学校までの時間は最速で12分。

学校の始業が8:40から。


「ヤバい……!」


僕は全力で学校へと走っていった。

そのころ家では……


「あ〜あ、また今日もやりそびれちゃった。まぁいぃか、今日から私も……」


独り言を漏らしながら瑞葉は東馬の部屋を後にした。

8:35……


「セッ、セーフ……」


教室の前で僕はほっとしたその時後ろから頭を叩かれた。


「いや、アウトだ。並川。今日は入学式の準備があるから10分前に来いと言ったはずだが?」


今僕の後ろに立っているのは紛れもなく担任の葛城源三郎かつらぎげんさぶろうであった。


「いゃ……それは……そのぉ……」


言い訳を考えようとしたのだが、こういう時に限って妙に良い口実が出てこなかった。


「並川、お前は朝来なかったんだから片付けを一人でやれ!いぃな!?」


「……はぃ……」


僕は渋々引き受けると自分の席に着いた。


「大丈夫か、東馬?後で俺も手伝うからょ〜!」


隣の席の大智だいちが僕に小声で言った。

神重大智かみしげだいちは中学校から一緒の親友で幅広い情報網を持つことからこの学校ではスパイダーD……又の名を蜘蛛神くもがみと呼ばれていた。

因みにスパイダ―とは蜘蛛の巣のような情報網も持っていることからどこかの誰かが名付けたらしい。

また、うちの学校ではクラス替えが行われないため担任の源ちゃんとは2年目の付き合いとなる。

ところで一つ疑問に思ったことがあっただろう……

担任の葛城先生の妙なあだ名についてだが、それはまた別の機会に話す事にしよう。


「ありがとう……でも、いぃよ。俺一人でやれって言われているし……」


僕は親切な親友の助けを断った。


「んじゃぁ〜そろそろ入学式だからみんな体育館で並ぶように!以上」


それを言うと源ちゃんは一足先に体育館に向かっていった。

僕たちもまた体育館に向かった。

9:00……

全校生徒が集まり、入学式が始まった。

思えば去年は僕たちがこのカーペットの上を歩いたが、月日が経つのは早くもう迎える側になっていた。

順調に式が進んでいき、新入生代表の挨拶まできた。


(……挨拶。新入生代表、並川瑞葉)


「はい」


僕は一瞬耳を疑った。

が、すぐにそれは勘違いだと思った。


「まさかうちの妹が……ねっ……」


僕は一人呟きながらステージを見上げて息を呑んだ。


「……なっ……瑞葉!?」


僕は改めて頭の中を整理させた。


「確かうちの妹は今年で……」


そのことをすっかり忘れていた僕は焦った。


「高校1年じゃん!」


我が妹が何故ここにいるのか……

それは自分でも理解の域を越したものだった。

だが、無事に何事も無く入学式が終わった。

思い返して見ればあの頃……


「お兄ぃ〜ちゃ〜ん!」


時は3年前、まだ僕が中学生の時だった。

その日は入学式……


「静かにしてろって言ったのに……」


1人恥ずかしさのあまり下を向いてぶつぶつと呟いていた。


「ねぇ〜ねぇ〜、あの子だれぇ〜?」


周りの声が聞こえてきても僕は他人のふりを続けた。

そう、我が妹は式の途中に僕のいる方に向かって手を振っていた。

当然のことながら先生達は見ていられない状況に陥ったので必死になって我が妹を静かにさせようとしていた。


「はぁ〜……」


僕はため息をつくと見ていられなくなったのでまた下を向いて過ごした。

その日から1週間、クラスでは僕の事を冷やかしで『お兄ちゃん』と呼ぶ奴が後を絶えなかった。

そんな事件……後に語られる『4.08事件』があったので、もう二度と妹と同じ学校には進むまいと胸に誓っていた。

だが、現実は甘くは無かった。


「で……

なんでいるんだぁ〜!?」


僕は放課後の体育館で1人叫んだ。

初めての人はこんにちは。2度目の人には申し訳ありません。

今回の修正で各話ごとにキャラクター紹介をしていきたいと思います。

記念すべき第1話ということで今回は主人公について紹介したいと思います。


〜キャラクター紹介 1〜

・並川東馬

「妹の求愛行動に頭を抱えながらも青春を謳歌している高校生」

生年月日:1991年 12月23日 (ヤギ座)

血液型:O型

身長:165cm

体重:55kg

趣味:特に無い。強いて言うなら、漫画を集める事。

特技:絶品料理を作る事

特徴:どこにでも居そうな一般の高校生。

   髪の手入れはしておらず、寝癖がついたまま登校する事もしばしば。

   若干凛々しい顔に、目は二重。

好きなタイプの女性:千草美鈴一筋のはず……

得意科目:国語

苦手科目:数学、理科 

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