01.誕生
「うぅぁ」
雨風ふぶく夜、大きな館の一室で銀髪の衣服を纏っていない少女が鎖で手足を繋がれ苦し気な呻きを上げていた。まだ、16歳にも満たない少女のお腹は大きく膨らんでおり手足を奮って呻き続けていた。
少女の周りには白衣を着こんだ人間が複数人忙しなく動き回っていた。
「子供は無事に生まれそうか!」
「今はいられては困ります、部屋の外でお待ち下さい!!」
身なりの良い黒のコートを纏った茶髪のオールバックの男が怒鳴り込んできてそれを白衣の女が止めようとしていた。
忙しなく動いていた一人の男が怒鳴り込んできた男に対して、現状の説明をするために向かって
「子供は無事に生まれそうです・・・ですがこのままでは母胎のほうがもちません。子供をあきらめればなんとかなるかもしれませんが・・・」
「かまわん!女は殺しても問題ない、子供を無事に産めれば用済みだ!」
周りの人々一瞬は驚愕したがこの男がそういう男だったことを思い出し行動を再開しようとしたその時、
「私の子は死んでもいいというのか!」
身なりの整った茶色のスーツを着た白髪の老人が入り込んできた。
「・・・なにか問題でも?」
男は不思議そうに老人に尋ねた。
「貴様、無理矢理に子を孕ませておいて・・・なんて奴だ。・・・ここまでヒドイ奴だとは思わなんだ!」
「!!止まれ」
老人は突如ナイフを背後から取り出し男に襲い掛かった。
頭に刺さろうとしたその時、突如ナイフが男の手前で壁にでも阻まれたかのように止まった。
「貴様の所為で俺の寿命が縮んだだろうが!くたばれジジィ!!」
男はナイフを奪い取り老人の心臓に深々と突き刺した。
老人はその場に倒れこみ息を引き取った。
その光景を見た少女は、苦しみながらも悲鳴を上げた。
「うぐぁーーーーーー!殺してやる!!お前を必ず殺してやるーーーーーーーーーーーーーーーー!!」
「お前には無理だよ。子を産みお前は死ぬんだ、ここでな。っふふ、ふふははははは!」
少女は叫びながら子供を産んだ。少女が息を引き取ったのと子供が生まれたのは同時だっただろうか・・・
「何だこりゃ・・・!」
「うげぇーーーー」
「きゃーーーーーーーー」
悲鳴が咲き誇る、慌ただしく動いていた者たちが次々と騒ぎ出す。
「・・・・バカな何だこの子供は!こんなものが生まれるとは・・・・キサマ聖女ではなかったのか!!」
騒ぎの中、母のお腹から出てきたのは二人分のの骨と一人の女の子だった。
初めまして、文章を書くのは苦手ですが不定期で上げていきますのでよろしくお願いいたします。
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