それぞれの思い
「異世界へ行ってみたい」なんて思ったことはあるだろうか。女の子が空から降ってくる..こんなありきたりな展開もう願ったりしてもないだろう。しかし人生一度きり異世界へ行きたい、女の子が空から降ってくる。
こんな体験してみたい!!!!そんな馬鹿丸出しな青年に巻き起こるゆるくもシリアスなお話しである....
僕の名前は黒田一光(17)これはもう亡き親父がつけてくれた名前だ。僕の親父はとても馬鹿な死に方をしている。異世界を探すなど冒険家ぶって世界1周の旅の途中で乗っていた船ごと轟沈、どれだけ遺体発見まで時間がかかったのやら。しかし僕はそんな親父を馬鹿だとは思っているがとても尊敬している。なぜなら僕も異世界に行ってみたいからだ......
僕の幸せな時間はカップラーメンを食べている時だ。待っている3分間が嫌いなどというどこかの里の忍者とは違う。そんな3分間だからこそ楽しむのだ。このたった3分間に何ができると思う?いろんな妄想ができるぞ。幼女と戯れたり...戯れたり...と、こんな妄想をしていると
「ピンポ~~ン」
となんとも不快な音がした。
こんな幸せな時間を壊そうとしているのは誰だよ..僕は嫌々重い足取りで玄関へと向かう。
「はい、はい、誰ですか~」
ガチャン
とドアを開けると太陽の光が犯罪的に僕の目を焼き付ける。
「誰ですか~~、じゃない!どうせあんたがまたカップラーメンで食べてるんだろうと思い、わざわざ料理持ってきてあげたんだから感謝しなさい!」
そこには身長が僕の腹あたりか大体160㎝前後くらいだろう。髪は白髪ロンゲ。腰くらいまであるだろうか。水色の瞳が輝いている。やや赤面のようだが気のせいだろう。そうこいつは昔からの幼馴染アリス。
「なんで僕がカップラーメン食べてると分かったんだ。幼馴染にでもなると意思疎通でもするのか。あ~~怖い怖い」
「はあ~折角持ってきてあげたのにそれだけ??お礼くらいしなさいよ。まったく素直じゃない」
それお前が言うか。
「もしかしてそれお前の手料理か?」
「そ、そうよ。今日は親が二人ともいないから自分で作ってたらなんか作りすぎちゃったな。と思って持ってきたのよ。ここで話してるのも邪魔になるからあがらせてもらうわよ。」
そう言うととこの女勝手に人の家にあがりこみ皿に料理を盛り始めたではないか。
何を隠そうこの女料理だけは得意だからな~この性格で。
「まだ、お母さん帰ってきてないのね。どう、一人暮らしは。」
そう、僕の母親は親父が亡くなってからというもの海外旅行にいきまくりなのだ。金は親父が死んでから
出た保険金を使っているらしい。どこまでもゲスイ母親だ。
「ああ、今の今まで充実してた。」
「なんかそれじゃあ私が邪魔みたいじゃない!まあいいわ、さあ食べましょう」
そこには卵焼きに白ご飯、ハンバーグそれに僕の大好きな唐揚げ。それのさっき作っておいたカップラーメン。
「「いただきます」」
二人で声を合わせての合唱。
まずは大好きな唐揚げから...なんだこれは口に入れると広がる肉汁。油もしっかり効いてる..やわらけぇぇぇ..料理の腕あげたな。この前食べたときはまだコンビニの方がましというレベルだったのに。
「どう、私の手料理のお味は。」
「ああ..めちゃくちゃうめぇ..頑張ったんだな。」
そう褒めた瞬間に口に運ぼうとしていた箸を止めてアリスの表情は一気に崩れ、顔から首まで真っ赤に染めて、
「べ、別にあんたのために夜遅くまで練習してたとかじゃないから!毎日この日のために練習してたとかじゃまいから!自分のためだから..べ、別に..」
と、そこで言葉を詰まらせたようだ。口がごもごもしている。ほんと素直じゃないな~これが俗にいうツンデレ乙ってやつか。リアルでいるんだな。驚きだ。
「というか、食べすぎじゃない?私の料理にカップラーメン。それ昼ごはんって量じゃないわよ。」
むむ..正論とばされると悲しいな。SNSでもあるがいたすぎる。豆腐メンタルの極み...しかし、ここで負けてはだめだぞ、一光。
「違う!これは僕がお前を守るために立派な体を作ろうとしているだけだ。」
そう言うとアリスは蔑んだ目で
「体をつくるのもいいけど全然運動してないじゃない。よくそれで私を守るなんで言えるわね。一億光年早いわ」
ぐっさ!普通そこはデレルくらいしろよ。
それから約30分
「「ごちそうさまでした」」
アリスは早速食べた食器を運び始めた。
「ふぅ。久しぶりにまともな飯食ったぜ~美味しかった~初めて幼馴染がいてよかったと思った。」
そしたらアリスは自慢げな口調で
「そうでしょう、そうでしょう。なんたってこの偉大なる私が作ったのだから美味しいに決まってるでしょ。感謝しなさい」
「ありがとな、また頼むぜ」
ポンとアリスが跳ね上がった。嬉しかったんだな、アリスは食器を下げていて後ろからだから顔確認できないが赤く染めているんだろう。
アリスは食器を洗っている。ここまでくるともう母親みたいだな。
「そういえばおまえって帰国子女だったよな。幼稚園からのなかだけど学校とかに好きなやつとかできたのか?」
中身はこの通りだが結構美人といってもいいくらいだからな。
「はぁ?この私が?できるわけないじゃない...だって..」
ん?なんか最後の方が聞き取れなかったがまあいいか。
「そうか、その性格だもんな~」
「まったく余計なことしか言わないわね!!!いいわ、もう帰る。明日学校なんだしテストも近いのよ。ちゃんと課題終わらせておくのよ。」
と言い残しアリスは去っていった。なんだほんとに母親にでもなろうとしてるのか。というか、食器洗ってる途中じゃないか!皿返さないとな。まあ久しぶりのまともなご飯だったしこれくらいは普通だよな。僕もあんなこと訊いてしまって反省せねばな...
それから数時間後、時計は6時を示そうとしている。僕は風呂をためるのが面倒でそしていちいち掃除までしないといけないので銭湯に行くようにしている。そのついでに今日はアリスに皿を返さないといけない。
部屋も隣の隣だ、遠くないだけ幸福だ。
「夕日が綺麗だな~」
そう思いつつ歩くとすぐ玄関の前まで到着してしまう。
「
ピンポ~ン」
と不快な音を鳴らすボタンを押す。ん?誰も出てこないぞ。おかしい、家にはアリスだけなはずだが...
もしかして何かあったのか!
「おぃ!アリス!大丈夫か!」
ガチャ、よし。ドアは空いてるようだな。やっぱり何かあったか
そうして中に入るとリビングには誰もいない..寝室もチェックしたが誰もいなかった。
風呂場の方に明かりが!
「何かあったのか!アリス!」
ばあんん!ドアを開けるとそこには純白の肌に身を包む全裸のアリスがいるではないか。美しい...女ってのはここまで変化するんだな。ここまでの身体とは..うん!アイドルも夢ではないな!尻もプリっとしておりなかなかにそそるものがあるぞこれは。と脳がどうこれを処理しようか電気信号を送りあっていると
すぐさまこちらを向いたアリスは顔を赤くし
「ちょ、ちょっと何よ!」
「いや僕は忘れていた皿を届けにだな....」
「きゃ!みないでよ!通報よ!通報!!あんたが一生牢獄の中から出れないようにしてやる!死刑よ!死刑!」
なんかエスカレートしてないか....どん!と洗面器を顔面にくらって僕はその場に倒れてしまった。
ぺちん!
「痛っ!」
何か強いものを頬に浴びた気がする。
「まったく、いつまで気を失ってるのよ。情けないわね。ほんとに私を守る気なんてあるわけ?」
そこには困惑の表情を浮かべたアリスがいた。もちろん守るなんていうことは冗談で言ったわけであり、そ
んな守るなんて戦闘アニメではないのであるわけもなく僕には某VRMMOで活躍するお方のようなメンタルも持ち合わせてないのでそんなことに期待されても困るのだ。
「あのな....守る守らないは別としてこれを返しに来たんだ。」
と僕はアリスが忘れていった皿を差し出す。
「あら、そういえばそのまま出てきたんだっけ。ありがとう。ちゃんと綺麗に洗ったでしょうね?あんたの唾液とか混ざってないわよね。」
「いや、ちゃんと洗いましたよ。唾液が混ざるってどんな状況なんですか。そこまで僕を信用してないのかな?」
「信用は..してるわよ。ただ裸を見る人だから一応ね!」
「うるさいな、あれは不可抗力だ。」
「へ~不可抗力ね~わざとにしか見えなかったけど。」
まったく怖いな、女ってやつは。
「じゃあ、僕は銭湯に行くからじゃあな。」
「そ、その、あ、、ありがとう...」
顔を真っ赤にしながらアリスは僕を見送った。
そして僕は銭湯に向かいながら思う。もし亡き親父が言ってた異世界というのがあるとしたら....
もしそこでの第二の人生が歩めるなら..こんな人生捨ててもいい.......
~異世界編~
不穏な空気が漂う森の中俺は強敵との睨めっこをしているところだ。
ゴツゴツの岩に身を包み、腕が6本も付いている。ゴーレムというにはどこか印象が弱い。
「印象が弱い」なぜならこの化け物の後ろではこの巨体を操っている術者がいるからな。
それにこの術者ものすごくロリータだ....目つきがキリっとしていて髪型はショートボブ。右手には何やら先端に星のついた短杖を持っている。
「あなたね!!この私を怒らせたのよ!ただで済むと思わないでね。絶対に地獄に突き落として、閻魔大王に舌を抜かれて四肢爆散させてもらって首をちょんぱしてもらうまでは気がすまないわ!」
そしたらこのロリッ子俺に向けて魔法の杖を指してくると、化け物がこちらに腕を振り下ろしてきたではないか。
「う、うわぁあああああ!!」
時は遡りここは王都からはかなり外れた小さな村だ。そこで俺「リドル」はごく平凡な生活を送っている。朝は起きてからの薪割りそして昼には村から森に出て技の修行だ。修行では体術を基本に磨いているが...
そこまでのものではない。技といっても俺には相手がどんな能力を持っているしか分からない、簡単に言えばイレギュラーなのだ。といっても例え相手の能力が分かったとしても防ぎようが無い。宝の持ち腐れってやつだ。技を見破るにはまず、両手を胸の前で合わせ精神を集中させる。そして一気に眼を開く。一回は視界が真っ暗になるのだが時期に目の前が白くなり色が現れる。色分けで説明すると、
・赤色は格闘術を得意とする。主に腕が大きくなりそこでパンチを繰り出してくるなど。キックも同様だ。力は馬鹿にならないほど強く大木を10本同時に折ってしまうほど。
・青色は知能を司る。知能と言っても俺のような凡人では桁違いな知能レベルだ。本当に何を考えているのか分からないやつらだ。最近は強力な兵器などを造り売りさばいているとか....
・黄色は魔術・召喚を得意とする。魔術には基本、白魔術と黒魔術の二種類があるが、白魔術だけを極めている者。黒魔術を極めている者。そして両方を兼ね備え極めている者。俺は両方を極めている者なんて一人くらいしかみたことがない....一回王都に出向いたとき姫の護衛に付いていた者だ。王都の商店街を姫との気軽な散歩なのだろう。楽しく話をしながら歩いていた。その時だった。
「ひゅんんんんんん!」
ものすごい速さで護衛についていた仲間の足を弓の矢が攻撃したではないか。
そいつは攻撃してきたターゲットを黒魔術で撃退していた。すごい闇を感じた..あれはもう闇そのものだ。そして負傷した仲間を白魔術ですごい勢いで治療していった。綺麗だった..
それで知った。両方兼ね備えている人がいるのだと..
召喚はちょっと薄めな黄色をしている。ちょうど俺の母親が該当者なのだが、幼い時に祖母が持っていた召喚士の本を読んで呪文を唱えたところいきなり目の前に紫色の魔法陣が現れたそうだ。そこからすごい光を放ち
「ばぁん!!」
と家が崩壊しはじめそこにはすごいオーラに包まれるケルベロスが降臨していたそうだ...
家が崩壊したからその後は野宿だったらしいけどね。まあケルベロスは祖母がもとの世界へ戻したそうだ。
これらの能力は生まれつきのもので、もちろん何も能力がない人も、剣士、銃士などなど色んな職業がある。
ん?俺は誰に説明をしているんだ。まあいいか。
昼の修行を終えると夜だ。この世界の夜は危険だ。特にこの村は王都のはずれにあるからモンスターがウロチョロしている。王都の周りにはモンスターが意外と多いんだよな.....
だから普段は極力外に出ないようにしている。昼のはおとなしめだが夜行性は激しいんだよな。まったく欲求不満なのか。
そして後日。王都への納入日。王都からの支援を受けて暮らしている者は定期的に王都へ食べ物、または現金の納入が義務付けられている。
「ふう~~なんか前回は母親が王都に納入行ったから俺が行くのは久しぶりだな」
森の木々も今日は風に吹かれて気持ちよさそうだ。と、俺は森の景色も味わいながら王都へ向かう。
ササササ....
「ん?何か音がしたような。誰かいるのか。どうしようもしモンスターだったら...ひええええ!ちょっと汗掻いてきた。やだよぉ..何の能力もないんですう..どうせ人の能力を見破ることしかできないんです...
どうかお助けくださいお助けくださいお助けくださいお助けくださいお助けください」
ササササ....
「あああもう!!なんなんだよ。」
「ドン!!」
と俺はすぐそこにあった木を思いっきり叩いた。
「きゃっ!」
「ドンドン!ドシン!!」
と俺が叩いた木から人が落ちてきたではないか...
なんだ、俺には人を召喚する能力があったのか~やっぱりな。道理でおかしいと思ったぜ。
「いったあ...」
そこには、フリフリのスカート上は下着一枚の超ロリ子がいるではないか。しかもこれ、後ろでんぐり返しした状態だから水色の縞パンが丸見えではないか。なんだ、こいつ俺を誘っているのか...これが召喚能力..
正直気持ち悪いモンスターしか召喚できないのかと思っていたがこれは...
「空からロリッ子降ってきたああああああ!!!!神様!!!ありがとおおおおおおおおおおおおおお。俺今生きてて本当に良かったと思ってるよおおおおおお。生きててよかったぁぁぁ....」
そうすると超ロリッ子はフリフリスカートに付いた土埃などをはらいながら、
「何言ってるのよ。私は貴方に召喚なんてされてないわ。」
くそ、折角の召喚能力をたった1分足らずで否定されとは....
「じゃあ、ロリッ子はどこから来たんだよ。それに上は下着一枚って不自然すぎるだろ。」
「その「「ロリッ子」」って呼び方やめなさい。追われていたのよ。私は王家の血を引く一族の娘よ。そこで色々あって脱走してきたの。だからこんなところで時間を無駄にする訳にはいかないのに.....」
「それで、俺が幼女ちゃんが移動してる音が気になり木を叩いたらちょうどそこを移動中で振動に負けて落ちてきたと....」
これはもう奇跡だな。うん!そうとしか表すことができないだろう。
そうするとこのロリっ子、いきなり自分の尻をはたくのをやめ妙に真剣な表情を浮かべると
「あんた、もしかしてこの私のパンツみたんじゃないでしょうね...」
「いやまさか~~見るわけないじゃないか。そんな綺麗な縞パンなんてさ。けど驚いたな。もっと幼稚なパンツとか穿いてるのかと思ったぜ」
「しっかり見てるじゃない!!それに言い訳も下手くそ...ゆ、許さない!絶対に!私の初めて奪うなんて...」
ちょっと大袈裟すぎないか..初めてなんて...面白い子だな
「は、初めて?なんのことやら..」
「恍けないでちょうだい。」
そうするとこの幼女ちゃんは魔法の杖らしきものを取り出しそこの魔法陣を展開したではないか...これじゃあ相手の能力を見破らなくてもわかりそうだな..
「おぃ、幼女ちゃん。話し合えば分かるさ。たかがパンツみたくらい。な?」
「たかがパンツ?笑わせないでちょうだい。さっきも言ったけど私は王家の血を引く者の娘なのよ。そんな破廉恥なこと許すわけないじゃない。貴方が見たんだから責任はとってもらうわよ。」
もう呼び方変えてるのに何も言ってこないとは...完全に怒っていますな...
「す、すまんな!幼女ちゃん!俺も急いでいるんだ...」
.........................................................................
とまあこんな感じで...俺は絶体絶命の危機に襲われているのだ。
「ゼッタイニコロス」
おお、このゴーレムみたいなの喋るんだな。なんとも利口な。
「ぼおおおんん!」
おっと、俺はその強大なパンチを華麗に右に回避。日々の訓練の成果がここで出るとはな...努力は裏切らないとはこのことか..まったく面倒だな。
「コロス...コロス...」
「ひえ~ロリッ子これはやりすぎじゃないのか..流石に死ぬって..」
「これくらいが十分なのよ。言ったでしょ、地獄に落としてやるって。」
「マジな目だ...誰も止められないんだろな...」
そこでロリッ子は新たな魔法陣を展開し始めた。かなりのでかさだ...この森の半分は埋めてるんじゃないのか.....しかも赤色....そうか!この魔法陣は..
「まずっ!」
「ふ、これはかなりの魔力を消費するのだけれど特別に見せてあげるわ。どうせ貴方はもう世界には帰ってこれないのだしね。」
やはりか。これは転移の上級魔法か....かなりの腕の持ち主だな...王家がなんたら言ってたが相当訓練されているんだろう。
「あら、どうしたの。私の話でも聞いて冷や汗が止まらなくなったかしら。可愛い子ね~今すぐ別世界へと送ってあげるから!!!!」
赤い魔法陣はすごい勢いで回転し始めたと同時に風も強くなっていった。周りの木々は次々と倒れていく。空も真っ黒になり始めた。
「こりゃ冗談抜きでやばいな..折角こんな可愛い幼女に出会えたのに...」
「さあ!おさらばよ!これが私のパンツを見た結果よ!震えなさい。」
「待ってくれよ...あれはお前が落ちてきた...」
「木を叩いたのは貴方でしょうが!」
「正直パンツありがとうございました。今までで一番印象強い出来事でした....」
ポロン..................
と俺の涙が地面に落ちるのとほぼ同時に目の前が真っ白になり意識が遠のいていった.....ああ、これから何処に飛ばされるんだろう。納入してないな...母親大丈夫かな...隠してるエルフ族のエロ本とかばれないかな....あれ結構好きだったんだがな。おしいな...もっと舐めまわすように見ていれば良かったぜ.......
俺は自分が今とても危ない状況なのに頭の中はずっとこの事でいっぱいだった...
~地球編~
「ふあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ~~やっぱ銭湯は落ち着くな~。うるさいアリスも入ってこないし~それに風呂のより広い!!!ここ重要なのさ」
と銭湯で一人呟いた。にして割と近所なのに顔知ってるやつがいないな~なんか休日だからか家族連れが多い。ん?なんかあそこに見覚えのあるやつが...
あ!!!!
ダメだ。見なかったことにしよう。関わると割とめんどうなやつだ。クラス委員長の清華だ。なんと言っても性格がうざい.....
「お、そこにいるのは一光うううううううううううう君ではないか!」
最悪だ..速攻で見つかってしまった。おとなしく上がっていれば良かった。
「お、おう。こんなところで会うなんて奇遇だな。」
「ああ、今日は家族で風呂に来ているのだ!そこで話は分かるが一光うううううううううう君!課題は終わったのかな?君が一番クラスで課題の提出状況が一番悪いのだぞ。自覚はしているのかな?」
「え、ええまあ。自覚はしてるけどな。こうあれだ...妄想にゲームアニメ鑑賞に忙しい。」
「すごい言い訳をするのだな君は。まあ君のご両親が不在なのは分かる。誰も叱る人がいないのも分かるが少しは自分を律することをしてみてはどうなのだ。」
僕は一応アリス以外の人には両親が不在という理由にしている。親父のことは基本秘密にしている。あれ だからな。
「あああああ!!!分かったよ!少し、少し!だけなら頑張るよ!!!」
と言い残し僕は風呂を上がった。ダメだ。あんな優等生君といると頭が洗脳されてしまいそうだ...
でもそんな嫌なことを忘れてくれるような今ならばご褒美と言っても過言ではないだろう。
「そう!ビンのコーラ!」
やっぱりこれにかぎる。缶とビンのコーラは微妙に味が違う感じがするのだ。僕はビン派ですな。僕の近辺では銭湯やらゲーセンにしか置いてない...もっと増やしてほしいものだな。こうやって体重が増えていくのか.....いや!そんなことは気にしない!
「ぷはぁ~」
うめぇ....
夜空が綺麗だな...クソ田舎だから星が良く見えるで~しかも今日は天気が良かったからな~
そして僕は空に向かってこう叫ぶ
「異世界ってあるんですかあああああ!!!神様あああああ!!!!!」
なんて言ったって神様からの返答は何もないよな....知ってたさ。母親は旅行から帰ってこないし親父は死んでるし...神様に見放されているのかな。
「うわああああああああああああああああああああああああ!」
なんだ何か悲鳴がするな。まあこの世の中も最近物騒だからな悲鳴くらいするか。どうせ痴女がおっさんにでも襲われて「きもちいいいいいいいいいい!!!!」を「うわああああああああああああああああああああああああ」に置き換えただけだろうな。
最近の女は何考えてるかわからないからな。
「ひゅうううううううん。どこ!!!ばん!!!」
何か僕の頭に降ってきたな....なんだこれ地味に痛い...例えるなら机やテーブルの角に足をぶつけるくらいの痛さだ。あとに響く。
「いててて.....くっそあの野郎ほんとに飛ばしやがったな」
なんか頭の上でごにょごにょ言ってるな。喋ってる!?
待て、人間にしてはこれ軽すぎないか...普通首の骨を折って昇天するんじゃないのか....
「あれ、俺は一体どこに?なんだこの手は!五本じゃない!!ふわふわの毛...え.....人間じゃなああああいいいいいい。もしかしてあの魔法の副作用か何かか。それともあの幼女ちゃんの気遣い....?あの姿で行くのは危ういからか...まあそこは一旦おいておこう。なんか良いクッション代わりになってるなここ。」
「おぃ、いつまでそこにいるんだ。頭が痒くてしょうがないから早く降りてくれないかな。」
「ああ、ごめん。」
そういうとこの小動物らしき人の言葉を喋る何かは僕の目の前に正体をを現した。
「「君は誰だ」」