プロローグ
レディ~スア~ンド、ジェントルメ~ン!
読者の皆様方、この度はお集まり頂き、誠にありがとうございます。
ほとんどの方は初めまして、残りの若干名の方はお久しぶりでございます。
ワタクシ、作者の代理として参りました『仕掛け人α』と申します。
短い付き合いになるかもしれませんが、どうぞよろしく。
さて、今回語られる物語は、皆様もよく知る異世界召喚もの。
しかし少々他とは違った趣向でお送りしたいと思います。
テーマはずばり『リアルラック』。
作者でさえ予想だにしない展開、迷走、混沌をお楽しみください。
では早速、今回の主役にご登場頂きましょう。
どうぞ!
――――カッ!
×県×市にお住まいの高校生、渡辺東くんです!
……あ、照明さん、ちょっと光源おとして。そうそう。
え~、東くんは厳正なる審査とくじ引きによって選ばれた、本作の主人公になります。
本作のテーマを活かしきるため、ルックス、頭脳、運動能力、趣味趣向に至るまで全てが並。
まさしくテンプレートな一般人の主人公となります。
彼には異世界で生き抜くための、ご存じチート能力……、になりえる能力を進呈後、剣と魔法の世界『ティルナドーン』へと(強制的に)旅立って頂きます。
進呈する能力の名は『カードガチャ』。
そう、鍵となるのはこのガチャカードです!
俺TUEEEなチート無双したり、ハーレムを作ったり出来るかは、全てこのカード次第。
そう、カードによっては、一つの世界を破壊し創造することも、はたまた元の世界へと帰ることも可能です。
全ての可能性がこのカードにはある、ということをどうかお忘れなきように。
……あ、ちなみにどんなカードが出るかは、毎回作者がサイコロを振って決めるそうです♪
つまり完全に(作者の)運任せ、でお送りいたします♪
さてさて東くん、今から君もよく知る異世界召喚が始まりますが、今の心境を一言どうぞ。
「―――っ――」
あ、音声切ってましたね。すいません。
「―――って、あ、声が出る。
えっと、マジでこれから異世界へ召喚されるのか? ドッキリとか夢オチとか冗談ではなく?」
オフコース、仕掛け人αは嘘を吐きません。
いくら君が下校途中で連れ去られ、心の準備が整っていなかろうと、問答無用で異世界へ送りこみます。
「……マジか」
マジです。
他にご質問は?
「……あ~、ええっと、さっきの説明を聞くに、俺に与えられるカードガチャ能力?ってかなり運の要素が強いというか。
ぶっちゃけ、出目が悪ければ召喚早々にでも詰むんじゃ?」
……まあ、運が悪ければそういうこともあったりなかったり。
「おいコラ、こっち見て話せよ」
さて、そろそろ時間もおしてきたことですし―――
「さも何事もなかったかのように進めんな!」
最初の運試し、サイコロによる召喚場所決定に移りたいと思います!
召喚候補地はこちら、ババン!
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0.王城の王座
1.商業都市の路地裏
2.辺境の村近くの草原
3.地下ダンジョン中層
4.無人島の洞窟
5.大神殿の祭壇
6.迷いの森の中
7.奴隷商館の牢内
8.盗賊団アジトの宝物部屋
9.竜峰の頂上
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なかなか面白そうなラインナップでしょう?
「いやいやいや、ちょっと待て!?
悪意ありすぎだろ、このラインナップは!」
問答無用!
では早速、レッツダイスロール!
―――カン、コロコロコロ…………。
出た目は6、召喚場所は【6.迷いの森の中】に決定しました!
パチパチパチパチ!
「ちょっ、ふざけ―――」
それでは行ってらっしゃいませ。
良き異世界ライフになることを祈っております。
グッドリアルラック!
召喚の眩い光が消え、不幸な少年が舞台より消える。
一人、舞台に残っている『仕掛け人α』は、ピエロのような衣裳を翻し一礼する。
「読者の皆様方、これにて第0幕プロローグは閉幕となります。
これより続きます物語がどんな結末になるかは、作者でさえ未知数。
駄作になるか傑作になるかは、まさに神の振るうサイコロ次第となるでしょう」
芝居がかったか様子で、中性的な彼もしくは彼女が笑う。
「されど作者に代わりまして、これだけはお約束いたしましょう。
―――”サイコロで出た目は絶対である”と。如何なる結果になろうと、サイコロを振り直すことはございません」
それこそが、唯一にして絶対のルール。
その原則が破られたときがこの物語が未完で終わる時だと、道化が嗤う。
「それでは皆様、御機嫌よう」
舞台に暗幕が降り、仕掛け人αの姿を覆い隠す。
次回より、召喚者アズマの冒険が始まることになるだろう。




