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僕らの思い出  作者: oboro
プロローグ ー結城 夏美
9/12

思い出 8th.

夏休みが始まった。


冬に付き合ったものの、デートというデートはしたことはなかった。

だから、夏休みの始めにあった花火大会が初デートとなった。


着るのは大変だったけど、浴衣を着て髪を結った。

奮発して下駄と帯と同じ色の巾着みたいな鞄を買った。

メイクなんてしたことないけど、メイクもしてみた。


ちょっとでも可愛いって思ってもらえるように。


花火大会当日、待ち合わせ場所に時間ぴったりで行くと彼がいた。


「ごめん!

待たせちゃった?」


時間を確認しつつ陽君に聞くと、彼は顔を赤くしながら、いや、と一言。


言葉には出してもらえなかったけど、浴衣を着てよかったと思った。


「行こっか。」


そう言って、そのまま歩いていく陽君。

後ろをついていくと、はぐれちゃいけないから、と言って手を繋いでくれた。


甘酸っぱい気持ちが広がっていく。

彼を、好きだなって心から思う。


繋がれた手から彼の緊張が伝わり、あたしに移っていく。


ギュって握ると、ギュって返してくれる。

そんなやり取りがとても愛おしい。


あったかい気持ちのまま花火大会が終わり、家まで送ってもらってキスをして別れた。


幸せな夏休みが始まったが、それは長くは続かなかった。



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