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思い出 1st.
まだ高校生の時だった。
4月の入学したての頃、親と仲が良かったあたしは、いつものように暇だった週末に幼なじみの家へ遊びに行った。
その日は珍しく、幼なじみのお母さんから
あの子の友達がきてるから
と言って幼なじみとはあまり遊べそうもなかった。
もちろんすぐ帰る予定だったが、好奇心からその友達を一目みたくなった。
友達が来てることを聞かなかったことにして扉を開けると、彼がいた。
「あ。。。
ゆ、結城 夏美です!
お邪魔しましたー!」
特に意味もなくそう告げたあたしは、逃げるようにして家を出た。
なんであんなことを言ったんだろう、と自分の中で疑問に思ったが、心臓の音がうるさい位頭にまで響いて考えている余裕などなかった。
その日は一日中落ち着かなかった。