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Heaven&Hell Online  作者: 夜桜
First Stage
4/40

4話 始まり

「……全チュートリアル終了。実技評価オールSSS。貴方何者なの……?」


チュートリアルを終えた俺にかけられた第一声はそれだった。


「えっ?普通の男子高校生だけど……」


「男子!?」と、物凄く失礼な反応を返してくれたのは、先程疑問をぶつけてきた幼女。


「いや俺男子だから。さっきから一人称俺だろ?口調も普通に男だし」


「いやいや男の子の真似事をしている女の子にしか見えませんって。と言うより何なのこの評価!?オールSSSなんて初めて見たよ!」


語尾に星や音符が忘れられる程に驚愕をしているのは、チュートリアル天魔の担当NPCであるラビィだ。


「いやそんなこと言われても出ちまったもんはしょうがないじゃん」


このチュートリアルは大きく二つに分かれており、その内講義の方は那須さんが解説してくれていたので、俺のチュートリアルは実技からのスタートとなった。


「でもオールSSSなんて異常過ぎるよ〜……だって天魔のチュートリアルって全種族で一番難易度高いんだよ〜……」


それは初耳だった。まあ自分で言うのもなんだが、俺は運動神経だけは人並み以上に良かったんだよな。体育の実技テストや記録では常に一番だったし。勉強?ソンナノシラナイナ。


「まあまあ、過ぎた事は仕方ないから次行こ次。それとラビィもそろそろ口調直しなよ」


そんな単純な……との呟きが聞こえたがスルーしとくことにする。何故ならそうしないと先に進まないと思われるからだ。俺はとにかく早く遊びたい。

このゲームでは体感速度が加速されており、リアル時間の実に3倍の速度で世界が構成されていのだ。俺はここに来てそろそろ一時間といった所だが、それでもリアルでは20分程しか経っていないのだ。

これは仕事や学校などで余り時間が取れない人への配慮だと説明書に書いてあった。なんとも親切な事だ。


「はぁプレイヤーを疲れさせる様にプログラミングされてるアタシが逆に疲れたわ……まあいいや、こっからは元のテンションに戻りまーす♪さてさてアテなんよ!これでチュートリアルを終わるよ☆だ・か・ら・チュートリアル達成報酬をプレゼントだ☆」


ピローン♪


どうやらチュートリアルはこれでお終いの様だ。

頭に響いたメロディーにプレゼントが届いた事を教えられ、俺は早速メールボックスを確認した。そこにはラビィと差し出し名に書かれたメールが一件届いており、それに添付されたアイテムが数個あった。


「おっこれがチュートリアル達成報酬かー。何があるんだろ?」


「それは見てのお楽しみ♪アテなんはあり得ない事にも、実技チュートリアルをオールSSSでクリアしたからその分、質とボーナスが増えてるよ☆良かったね♪」


ラビィは未だに俺がオールSSSで実技チュートリアルを達成したことに対して皮肉を言って来るが、それを俺は華麗にスルーして、送られて来た報酬を確認する。


【武器:天使の剣・悪魔の剣を獲得しました。】【防具:天魔のコート・天魔の籠手・天魔のズボン・天魔のハットを獲得しました。】【装飾品:天使の指輪・悪魔の指輪・天魔のネックレスを獲得しました。】


おお!これまた沢山貰ったな〜。多分防具は全てオリジナルだろうな〜。武器と装飾品は天魔のネックレス以外は多分天使や悪魔のレア種族でも入手出来るだろうが、レア物には変わり無い。


「こんなにいいのか?なんかすげーズルい気がするんだが……」


一応確認してみるが、ラビィの返答は意外と素っ気無かった。


「んー問題無いよ♪だってそもそも天魔を引く時点でチートみたいなもんだもん♪それにまだまだあるんだよ〜?こんなんでビビってちゃ天魔なんて務まら無い無い☆」


ラビィがそう言うと同時に、またもやメールが届き、それにもアイテムが添付してあった。


【アイテム:天魔ポーション・アイテムボックス拡張チケット+5を獲得しました。】【特殊称号:善悪の境界・ヘルプに好かれし者を獲得しました。】『特殊称号:ヘルプに好かれし者は既に獲得してあるので、統合し、特殊称号:ヘルプに好かれし者+2とします。』


おや?何故か同じ称号を手に入れたら統合されたぞ?こんな機能あったっけ?

気になったのでその事をラビィに尋ねると、


「称号はねぇ〜基本的に一度しか手に入らないの!でもでも〜稀に複数手に入ることがあってね、その場合に限りその称号の能力を強化出来るの♪今回のヘルプに好かれし者はね〜ヘルプ機能を使うと+値×10%の確率で何かアイテムがヘルプから与えられるの!ラッキーだね☆」


ほうほう成る程な。よく分かった。


「さあさあそんな事より早く装備してみよーよ!カックイーから楽しみにしってね〜♪」


それもそうか。折角装備を貰ったんだし、着ないと勿体無いもんな。


「よし!俺も装備は気になるしラビィが言うように装備してみるよ!」


俺はステータスから武器と防具と装飾品を選択して装備してみた。


ーーーーーーーーーー

天使の剣(進化装備)

ATK+50 SPD+35 MATK+25

MP吸収(小)


悪魔の剣(進化装備)

ATK+60 DEF+25 MDEF+30

HP吸収(小)


天魔のハット(進化装備)

DEF+40 MDEF+20

消費MP軽減


天魔のコート(進化装備)

DEF+35 SPD+50

全状態異常耐性UP(小)


天魔の籠手(進化装備)

DEF+20 ATK+10 MATK+15 MDEF+15

物理攻撃速度UP(小)


天魔のズボン(進化装備)

DEF+25 SPD+50

移動速度UP(小)


天使の指輪

MATK+25

詠唱短縮


悪魔の指輪 詠唱短縮×2→詠唱破棄

MDEF+25

詠唱短縮


天魔のネックレス

MATK+20 MDEF+20

全ステータス3%UP


ーーーーーーーーーー


「おおーすげー!全部の武器や防具が追加効果付きだ!」


思わず声を上げてしまったが、この装備の性能はかなり凄い。しかも武具は全部進化装備ときた。進化装備とは恐らく進化能力と同じで、プレイヤーが成長するとそれに伴って成長していく武具の事だろう。

因みに見た目はカウボーイが着けるような帽子に、膝辺りまで伸びる赤と白で縁取られたロングコート。背中に金の刺繍で天使と悪魔が争う様が描かれているのがカッコイイ。

スボンは黒と赤で彩られ、シンプルながらも大人っぽいデザインで気に入った。籠手は黒一色で統一されており、その中の白で表面に描かれた六芒星が特徴的だ。てか籠手と言うよりどちらかと革製のグローブみたいな感じだ。

天使の指輪と悪魔の指輪は互いが対を為すように互いの方を向き合った白龍と黒龍が目立つ。天魔のネックレスは天魔の名を顕さんばかりに、天使の翼と悪魔の翼を持った半神半魔の形をしている。


「デザインもカッコイイし、俺この種族で良かった〜」


「でしょでしょ〜♪これは天魔の種族以外は付けられ無い装備ばっかだから全部の装備が進化装備になってるんだよ☆

それらはとある素材と合成すれば更に強力な装備に進化できるんだ♪

でもその合成は成功率が極めて低い、というか1%以下だからアテなん自身が合成しないと先ず失敗するよ☆つまりLUCK値がカンストしてない無理という事だね♪」


それは良い情報を聞いた。取り敢えず暫くはこのままでも強いからこのままにして、少し余裕が出来たらその素材を探して見よう。


「分かった。色々ありがとなラビィ。じゃあ俺はそろそろ行くよ。じゃあな」


俺はやることはやったとばかりに去ろうとしたが、それをラビィは止めて来た。


「ちょちょっストーップ!待って待って!」


「なんだよまだ何かあるのか?」


出鼻を挫かれて少し不機嫌な俺は少々厳しい声音でラビィに問うが、ラビィは特に反応せずに必死で俺の背中を引っ張って来た。


「アテなんせっかち過ぎ〜!まだ固有能力と固有スキルしか持って無いでしょ!通常スキル枠をどうするつもなの〜⁉︎」


あっ忘れてた。


「ゴメンゴメンスッカリ忘れてた」


「全くもーアタシが気付かなかったらどうしてたのよ〜ま、さっさと決めちゃお☆」


そう言ってラビィは通常スキルを提示してくれた。


「さあさあ!好きなのいっちゃってー☆」


俺は一先ず二刀流を選択。これは天使の剣と悪魔の剣を同時に使用するためだ。

次はステップ。これは敵の攻撃を回避するために必須のスキルなので忘れずに取っとく。

お次はジャンプ。ステップと組み合わせて空中にも逃げられる様にする為だ。

そして次のスキルはダッシュ。これは勿論移動の為だ。このゲームは使い魔機能があるので、使い魔を捕獲した後はそれらを足代わりにすればいいが、最初の方はそうは行かない。なのでそれをカバーする為のダッシュだ。

最後の5個目は空間把握。これは周囲の様子を把握するための能力であり、俺が取ったスキルの中で唯一のパッシブスキルだ。実際、常に周囲を把握するのは、かなり脳に負担がかかるのだが、俺は何故か脳内での同時処理が簡単に可能なので、このスキルは俺と相性が良いのだ。


『条件を満たしました。スキルの最適化の為にスキル統合を行います。』


「これで決定、と。あれ?何かスキルが統合された」


決めたスキルを確定しようとしたら、急にスキルの統合が始まってしまった。


「いやいやアテなんはとことん運がイイね♪この初期でスキルの統合はかなりのラッキーなんだよ☆」


ラビィがそんな事を言い出した途端、丁度スキルの統合が終わった。


「ジャンプ」+「ステップ」=「スカイウォーク」


「空間把握」+「ダッシュ」=「全索敵」


ーーーーーーーーーー

スカイウォーク

STMが続く限り空中を地面のように移動が可能。また、ステップ同様の効果もあり緊急回避も可能。

ーーーーーーーーーー


ーーーーーーーーーー

全索敵

敵、プレイヤー、宝箱が近付くと脳内にその位置が表示されるようになる。また、熟練度により移動速度に補正が付く。

ーーーーーーーーーー


スカイウォークは使い勝手が良さそうだが全索敵は微妙だな。熟練度を何処まで上げればどの程度の補正がかかるか分からんし。でもま、いっか。熟練度1でも少なくとも移動速度はダッシュを使用した時程度には出せるだろうし。


「うーん……統合されたのはいいけどまたスロットに2つ空きができちゃったなぁ……何か他に良いスキル無いかな……」


俺は空いてしまったスロットを埋める為に再びスキルを選ぶ。


「おっコレなんか良いかも」


俺が選んだのは「テイム」と「魔力強化」だ。「テイム」を選んだ理由は簡単で、俺は天魔の固有能力で天魔従属を持っているので、テイムを持ってるとそれらの成功確率が上がると考えたからだ。

「魔力強化」を選んだ理由は「テイム」より単純で、ただ強力な魔法が撃ちたいからだ。折角のゲームなんだから、ゲームならではの使用を楽しみたいという俺の願望があったりする。


「よし、コレで決定。じゃあ今度こそ俺は行くね。色々助かったよラビィ」


「いやいや〜それほどでも〜♪それに多分また会えるからその時もよろしくね☆」


何かのイベントで来るのだろうか?まあそれはまた会った時でいいか。

俺はラビィと握手をした後、ラビィが出してくれた扉を潜り、遂にHHOの世界にログインをした。


「ようやく待ちに待ったHHOだ!絶対に楽しむぞー!」


俺がそう叫んだ瞬間、目の前が暗転し、次の瞬間には遂にHHOのスタート地点である「始まりの街」の広場に降り立っていた。


さあてと、ここからは全力で楽しむぞ!



名前:アテナ

種族:天魔


LV:1


武器:天使の剣・悪魔の剣→(MP吸収・HP吸収)


防具:天魔のハット・天魔のコート・天魔の籠手・天魔のズボン→(消費MP軽減・全状態異常耐性UP(小)・物理攻撃速度UP(小)・移動速度UP(小)


装飾:天魔のネックレス・天使の指輪・悪魔の指輪→(詠唱破棄(詠唱短縮×2)・全ステータスUP3%


HP:300/300

MP:150/150

STM:無限

STR:150(120)

VIT:100(145)

INT:200(85)

SAN:150(110)

AGI:300(135)

LUCK:999.999(カンスト)

能力:「天魔翼生成」「天魔従属」「魔王化」「神化」「神魔眼」

スキル:【「天魔創造」「森羅万象」】「スカイウォーク」「全索敵」「テイム」「二刀流」「魔力強化」

称号:「運に愛されし者」「天地統べる者」「ヘルプに好かれし者+2」

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