〜第4章〜 妹
「あの・・・、お名前は・・・?」
リフィナは、ドラゴンの運転(?)を男に任せ、空を飛んでいた。
いつも地上で受けている風とは何かが違う風が、リフィナのかみをなびかせる。
「あぁ、俺の名前?」
この事を聞いてリフィナは、はいっ。とうなずいた。
「え〜っとな。・・・デッシュって言うんだ。」
「デッシュ・・・ですか。」
「あぁ、」
そう言うと、デッシュはまた前を向いた。
あぁ、もっと話したかったのにぃ。リフィナはまぁ、よそ見運転はいけないからしょうがないかな、と思いながらがっかりした。
その、思いが伝わったのか、デッシュがまた振り向いた。
「・・・えっと、見た限りでは、10くらいかな?」
「―え?10って歳が10歳くらいってことでしょうか?」
「あ?あぁ、そうだけど、・・・あれ?ちがった?」
リフィナは、首をブンブンと振った。
「あたってます!!すごいですね!!歳までわかちゃうなんて!!
いつもは、間違われるのに。」
すると、デッシュは顔を赤くして前を向きなおした。
「俺には、君ぐらいの妹がいるんだ。・・・今は、いないけど。
いたら、君と同い年だよ。」
「あ・・・。変なこと言っちゃってごめんなさい。」
リフィナも、デッシュと顔を合わすのがいやで、下を向いた。
そのまま、いやな沈黙が流れた・・・。
「グォ〜」
その空気がわかったのか、ドラゴンがさみしそうな声を上げた。
「・・・?どうしたの?」
「あ・・・。あれってもしかして・・・」
デッシュが何かに指を指した。
その先には、前のドラゴンより弱っているドラゴンがいた。
「あ・・・あれはもしかして!?」
「ど・・・どうしたの?」
口に手を当てているリフィナに聞いた。
「あ・・・あれは、王族のドラゴンよ。―この世で一番最強とも言える―」