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始まり
師走の冷たい空気の中で、数年ぶりに会う友人達は、驚くほどに変わった奴もいれば、ほんの少ししか変わらない奴もいた。
或いは記憶の中と全く変わらず、『懐かしい』と感じることすら無い奴もいた。
『全然変わらないね』
俺を見てみんながそう言って笑ったのは、嬉しくもあり少し悔しかった。 クラス会をしよう、という誘いが来たときは、素直に嬉しかった。
絶対に楽しい、という確信があったからすぐに返事をした。元々予定も無かったし、仮にあったとしてもキャンセルしかねないくらいに楽しみだった。
ずっと楽しい時間を過ごして、終わった後にはちょうど日が暮れるときのような物悲しさを覚えながらも、良い思い出になるのだろう。そう思っていた。