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伝説のサラマンダーを召喚しました。  作者: とうふパパ


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第2話

裏山の静寂の中、ソウマは膝をついたまま、ウーパールーパーを見つめていた。

その姿は、まるで異質、ピンクのぬめぬめした体、黒く丸いつぶらな瞳。だが、周囲に漂う魔力は、確かに“伝説”と呼ばれるにふさわしいものだった。


「……ウーパールーパー、君は……本当に伝説の召喚獣なの?」


『うぱうぱっ!(そうだよー!でも、見た目は気にしないでねっ)』


ウーパールーパーはくるりと宙で一回転すると、ふわりと着地し、突然――


『うぱっ!』


その体が光に包まれ、次の瞬間、二頭身の姿に変化した。

頭が大きく、胴体は小さく、手足は短いまま。だが、瞳はどこか賢く、背後に揺れる尾からは水の粒子が舞っていた。


「……変身した……?」


『うぱうぱっ!(通常モードだよっ!でも、ぼくはいつも通りのウーパールーパーだから安心してね)』


その言葉に、ソウマは少しだけ笑みを浮かべた。


「あっ!そうだ。召喚獣ならステータスを見れるはず。」


そう言うと相馬は心の中で(ステータス表示)と念じた。

ソウマの前に半透明のプレートが表示される。



☆ウーパールーパー☆

種族:メキシコサラマンダー

両生綱有尾目トラフサンショウウオ科トラフサンショウウオ属に分類される有尾類。アホロートルとも呼ばれる。

アホロートルはアステカ文明で用いられたナワトル語で「水」と「イヌ」を組み合わせた語に由来する。

アホロートルはアステカの火と稲妻の神ショロトルにちなむものである。スペイン語とナワトル語で書かれた絵文書『ヌエバ・エスパーニャ概史』によると、アステカ神話で第4の太陽がなくなり、第5の太陽を作る際に神々が身を捧げたが、ショロトルだけが逃亡した。他の神に追いかけられて生き延びるために様々な姿に変化して、最後にはトウモロコシ畑の中のアホロートルに変化したが結局捕まった。それによって幼体の姿のまま再生能力を持つ死を恐れる怪物アホロートルとなったとされる。


スキル:【再生】【ぬめぬめ】【水魔法】【火魔法】【雷魔法】



「うーん!書いてあることは難しくてわからないし、アステカ文明なんて聞いたことないけど・・・。君はメキシコサラマンダーっていう種族なんだね。スキルもすごいね、再生とぬめぬめってなんだろ。」


【再生】の項目を指で触れると皿の詳しく内容が表示された。


【再生】:即死的なダメージの傷以外は再生する。四肢が切断されてもほっとけば生えてくる


「すごいスキルだ、実質無敵なのでは。」


【ぬめぬめ】:すべての物理攻撃を受け流す。しかし氷魔法に弱い。


「これもすごい氷魔法以外はほぼ無敵ってことだね。」


『うぱー!!(どう?すごいでしょ!)』


「すごいすごい!っていう言葉以外出ないくらいすごいよ。じゃあこれからずっと僕と一緒に戦ってくれるの?」


『うっぱ・・・(うんそうだよ!そのかわり・・・)』


『・・・うっぱうぱうぱ(……契約の代償を、受け入れる覚悟はあるか?)』


ウーパールーパーの声が、先ほどとは違う、低く響くものに変わった。


「え……?」


『うぱうぱうぱうぱ(伝説の召喚獣との契約は、力を得る代わりに“代償”を支払う。それがこの世界の理だ。)』


ソウマの胸が締め付けられる。


「代償って……何を支払えばいいんだ?」


ウーパールーパーは、ふわりと宙に浮かびながら、静かに答えた。


『うぱ(君の“記憶”だ。)』


「記憶……?」


『うぱうぱうっぱ(君が最も大切にしている記憶――それを一つ、封印する。)』


ソウマは息を呑んだ。

思い浮かぶのは、母との最後の日。手を握り、約束したあの瞬間。


「……それは、嫌だ……!」


『うぱうぱうーぱ(ならば、契約は破棄される。ぼくは君のもとを離れ、二度と召喚されることはない。)』


ウーパールーパーの瞳は、つぶらで優しいままだった。

だが、その言葉は冷酷だった。


「……母さんとの約束を忘れたら、僕は……僕じゃなくなる……」


『うーぱうぱうぱ(でも、君は強くなれる。守れるようになる。母さんが願ったように。)』


ソウマは拳を握った。


「……記憶を失っても、母さんとの約束を果たす。それが、僕の選んだ道だ。」


ウーパールーパーは静かに頷いた。


『うぱー(契約、完了)』


次の瞬間、ソウマの頭に激しい痛みが走った。


「うっ……!」


膝をつき、地面に手をつく。頭の中から、何かが抜け落ちる感覚。


――母さんの顔が、ぼやけていく。

――今までの母さんとの思い出がすべて流れていく。

――最後に交わした言葉が、霞んでいく。


「……母さん……?」


涙が頬を伝った。


『うぱうぱっ!(大丈夫だよ、ソウマ。君は強くなれる。ぼくがついてるから)』


ウーパールーパーはそっとソウマの肩に乗り、ぬめぬめとした体で頬をすり寄せた。

その感触は、どこか温かかった。


「……ありがとう、ウーパールーパー。」


だが、ソウマの瞳は、もう過去を見ていなかった。

彼は前を向いていた。




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