第10話
周辺の村で多数のモンスターが出没しているという報告を受け、王立ライオット学園の生徒たちは討伐任務に駆り出されていた。
ソウマ、ミナ、そして数名の生徒たちは、森の奥に潜むモンスターの痕跡を追っていた。
「……このあたりにいるはずなんだけど……」
「気をつけて、ソウマ。何か嫌な気配がする。」
ミナが周囲を警戒しながら言ったその瞬間――
「グギャアアアアアアア!!」
茂みの奥から、巨大なモンスターが飛び出してきた。
☆ブラッド・スパイダー☆
ランク:A級
属性:毒・斬撃
スキル:【猛毒の牙】【血の糸】【連続斬撃】
「くっ……!ウーパールーパー、召喚!!」
水の渦が巻き起こり、ウーパールーパーが現れる。
『うぱっ!(任せて、主よ!)』
ウーパールーパーは水流でブラッド・スパイダーの動きを封じようとするが――ブラッド・スパイダーは木に上り糸を出し木から木へと写り水流をよける。
「なんて素早さだ!ミナ、下がってみんなを守って!」
「わかった!」
だが、次の瞬間――
「きゃっ!!」
ミナが足を滑らせ、ブラッド・スパイダーの牙が彼女の肩をかすめた。
「ミナ!!」
血が滲み、ミナは地面に倒れ込む。
「……ミナ……!」
ソウマの心が、激しく揺れ動けなくなった。
ミナの顔がどんどん青ざめていく・・・
「毒だ!誰か毒消しを!」
クラスメイトが叫ぶ。
「だめだ!効かない!なんて強力な毒なんだ!」
「ミナが・・・・死ぬ・・・・」
――守りたい。
――絶対に、誰も傷つけさせない。
そう願っていた・・・伝説のサラマンダーが召喚でき、修業に耐えこれからみんなを守れると思っていた。
なのに、ミナの命が消えかけようとしている。
その瞬間・・・
「うおおおおおおおおおおお!!!!!」
ソウマの額に奇妙な印が現れ光りだした。その光はウーパールーパーへ向かい包み込む。
ウーパールーパーの体が震え始めた。
『うぱ……うぱうぱうぱ……(主の心の力が、限界を超えた……)』
ウーパールーパーの体が光に包まれ、姿が変化していく。
尾が長く伸び、体は透明な水晶のように輝き、背には水の翼が広がっていた。
瞳は深海のように澄み、周囲の空気が水の粒子で満たされていく。
☆ウーパールーパー・アクアディウス☆
ランク:S級
属性:水・光
スキル:【水神の加護】【浄化の波動】【再生の祈り】【神速の流刃】
「……ウーパールーパー……?」
『うぱーーーーーーー!!!(我は水神の化身、主の願いに応えよう!)』
ウーパールーパー・アクアディウスが空へ舞い上がり、翼を広げる。
その瞬間、空から水の柱が降り注ぎ、ミナの傷を包み込む。
「……あったかい……」
ミナの傷が瞬く間に癒されていく。
「すごい……これが、覚醒……」
『うぱっ!(さあ、主よ。共に戦おう!)』
「……うん!ウーパールーパー、ブラッド・スパイダーを倒すぞ!」
『うぱーーーーーー!!!』
水と光の刃が空を裂き、ブラッド・スパイダーに直撃する。
「グギャアアアアアア!!」
モンスターは咆哮を上げながら消滅した。
静寂が戻る森。
ソウマはミナの手を握り、そっと微笑んだ。
「……守れたよ。今度は、ちゃんと。」
ミナは涙を浮かべながら頷いた。
ウーパールーパーは空を舞いながら、静かに輝いていた。




