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転生最弱ポメラニアン、魔王を倒す  作者: キサラギトシ
第六章 魔王の誕生
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103 今までに見た風景が見えたの

 私はポメに説明した。人間時代、テレビで見た売れ残った動物が処分されるという番組を見た、ということを。


「万が一、私が売れ残ったらって思ったら、すごく心配。だったら、人間の知識を持ったまま、犬としてちゃんと生きたいって思ったんだ」


 ポメは真剣な眼差しで私の話を聞いてくれ、たまにコクコクうなずいた。子犬だから、マジっぽい顔もカワイイけど!


 このポメくん、元は東京のサラリーマン(年上男性!)だし、この辺りの土地勘もありそう。しかもカワイイし、話もしやすい。

 ポメくんとなら、どこかで一緒に暮らしてもいいかも! なんて私は思ったりもしていたんだ。


 だって、もし売れ残らなくて誰かに買ってもらったとしても、その飼い主が良い飼い主だとは限らないし。うん、どう考えてもポメくんとどこかで幸せに暮らした方が楽しそうだね。


 私、ちょっと憧れてたんだ。恋人と一緒に逃げ出すってやつ!

 子供っぽいかもしれないけど、なんだか昔から白馬の王子様願望もあったし、うん、実際私の精神年齢は幼いのかもしれない。


 でも、ちょっと考えてみよう。このポメくんだって、今はすごく良い人(犬?)だけど、お付き合いしたら豹変して(犬が豹になるって変だよね!)、いきなりDVとかしてくるかもよ?


 そんな失礼なことを考えていたら、ポメくんが私に尋ねてきた。


「そういえばプー。君には何か特別な能力みたいなのはないの?魔法が使えたりとか、剣を出せたりとか」


 はい? って一瞬思った。

 そんなアニメみたいなことあるわけ……いや、私の状態は似たようなものか。どうしても人間時代のクセが抜けないなぁ。


 私は特にないと答え、ポメにはあるのか、一応聞いてみたんだ。そしたら、ポメはマジメな顔で答えた。


「実は俺、人の心をざっくり読むことができるんだ」


 ……こんどこそ、はぁ? なに言ってんのこのワンコ、って思った。

 人間の心を読む? 読心術? それこそ私が子供時代にみていた、テレビの超能力番組みたいなこと、この可愛らしいワンコが言ってるのがおかしかった。


 でも、ポメの顔は真剣そのもの。あれれ、もしかして……


「マジで?」

「マジで、読める」


 ヤバッ! そういうことは早く言ってよ!

 私、ポメくんに対して結構失礼なこと考えたりしてなかったっけ?


「もしかして、私の心も読んでたの?」

「あ、違う違う。読めるのは人間だけ。犬の気持ちはわかんない」

「……確かに犬だけど、なんかちょっと凹むなー、その言い方」


 でも、ポメくんが店長や店員の心を読めば、なにか脱出できるヒントを見つけれられるかも、ってポジティブに考えたほうが良さそう!

 ポメくんもそう考えていたらしく、情報を読み出してみるって言ってくれた。

 頑張って、ポメくん!

 私も何かお手伝いできること、ないのかなー?


 なんて考えてたら、私たちの側に柴犬くんが寄ってきた。柴犬くんは尻尾をプリプリ振って、見た目はすごくカワイイ。

 柴犬くんは私たちに遊んで欲しいみたい。そうだよね、子犬だもんね。


 と、その時。


 私の頭の中に、今まで感じたことのない、ある感情……? が流れ込んだ?

 なに、今の……


 ポメくんが骨の形をしたおもちゃを遠くに放り投げ、柴犬くんはそれを追って走って行った。

 だけど私は、さっきのある感情……? でまだ頭がいっぱいだった。


「子犬って悪気がないから仕方ないけど、ちょっとウザいよね」


 ポメくんが話かけてきたけど、私の答えはふわっとしていた。


「うん……そうなんだけどさ、うーん、ほんとかな」

「どうしたの、プー?」

「えっと、あのね。これってどう思うかな」


 私は思い切って、ポメくんに話してみることにした。


「私、さっきの柴ちゃんが今までに見た風景が見えたの」


 いま思うと、この時が私の「チカラ」の初めての発現だったんだ。


 そう、魔王である私のチカラのひとつ、「動物の心を読む」チカラの。

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