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おおかみちゃん  作者: 功野 涼し
麻琴はおおかみちゃんだもの♡
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7.麻琴は、おおかみちゃん(捕食♡)

 私が耳元で囁く()()()の言葉に久間は体をビクっと大きく震わせる。


「えっ、それはどういう意味……」


「意味? そのままよ。麻琴は男の娘なの。だから久間くんが思い描いてる男女の営みにはならないってこと」


 くすくす笑う私の言葉に理解が追いつかないのか戸惑いの色を浮かべる久間。


「ねぇ、些細なことだと思わない?」


 私は、久間の服の中に手を入れ、体に沿って手を這わせる。私の手と久間の肌が直に触れ、遮るものがなくなり久間の温もりが伝わってくる。


 久間が息を呑む。


「麻琴が男の娘って聞いても、久間くんは逃げない。それどころか」


 私は久間のズボンのウエスト部分に手を入れる。


「麻琴に欲情してる」


 そう言いながらクスッと笑うと、久間は大きく息を飲む。


「麻琴が男か女かは関係ない。ありのままの麻琴を見て欲しいな。そして麻琴に身を委ねてみない?」


 そう言ってゆっくり口を近付けると、久間の吐息が当たる。そのまま唇を重ねるが抵抗はしない。


 唇から離れそのまま首筋まで舌を這わせ、服の中へ手を入れ撫でる。


 頬を赤らめ続きを求め期待するその表情に私は応えると、久間も必死で応えそこからは互いに快楽を求め合う。



 ***



 息も絶え絶え(だえ)の久間の胸に頬をつけ指を這わせる。


「もう一回やる?」


 胸に頬を付けたままで顔は見えないが、私の質問に久間が、もういいと必死に首を横に振ったのが振動で伝わってくる。


 それが凄く嬉しい。


「初めてって言ってたけど、すごく良かったぁ」


 相変わらず表情は見えないが、体の揺れで喜びは伝わってくる。

 私は手をつきゆっくりと上半身を起こすと、久間を上から見下ろす。垂れる長い髪は地毛ではないが、今この時は私の体の一部であり髪に命が宿る。


 大きく喉仏を動かし生唾を飲みこむ久間を見つめる。


「またっ、また会えるっ!?」


 久間の唇を塞ぎ、言葉を遮る。


「またねっ」


 私が微笑むと、安堵したような表情で笑みを返してくる。




 ──その表情に至福の喜びを感じる。私を愛してくれ、求めてくれる感覚。


 可愛いものが大好きな私。


 私を愛してくれる可愛い子は食べずにはいられない。


 そんな私は狼。


 ううん、言い方が可愛くない。


 そんな私は、おおかみちゃん。

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