表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
おおかみちゃん  作者: 功野 涼し
麻琴はおおかみちゃんだもの♡
6/101

5.スタジオへ(捕獲)

「ここは?」


 楽器や、マイク、音響の機器が並ぶ部屋でキョロキョロと、落ち着きなく見渡す久間が私に尋ねる。


「私が歌うときに収録するスタジオ。知り合いの伝手で借りてるの」


 手に持っている鍵を見せながら答えると、身を乗りだし興奮気味に話し始める。


「あ! 僕見たことある。麻琴ちゃんコスプレ以外にも『歌わせていただきました』シリーズも好評だよね!」


「ふふ、ありがとう。あっちのチャンネルも見てくれてるんだ。嬉しいっ」


 私がお礼を言うと、久間は無意識に自分が私にかなり接近していたことに気付き、顔を真っ赤にしながら慌てて後ろに下がっていく。


 後ろに下がったところにあったソファーに足が当たり、立ち止まった久間が後ろを振り返り自分の足に当たったものを確認している間にそっと近寄り彼の胸元をグッと押すと、いとも容易くバランスを崩しソファーに座り沈んでしまう。


 突然のことに目を丸くして驚く久間は、ソファーから起き上がろうとするが、柔らかいソファーに苦戦してもがいている。

 そんな久間の太ももに跨がり、胸に両手を置いて体重を掛けると、久間は背中からソファーに沈む。


 そのまま久間の背中に左手を回し、胸に左耳を当て右手で胸元をなぞる。


 緊張からかガチガチに体を硬直させる久間と対照的に、激しく動く鼓動は耳を伝い私の体で響き感じる。


「な、なに、なにを!?」


 上擦って震える声にゾクゾクする気持ちを抑えられずに、久間の耳元に唇をつけ(ささや)く。


「前に贈ってくれたパステルの絵。凄く可愛く描けてたけどぉ、衣装のライン、結構際どくないかな?」


 久間が喉を鳴らし、唾を飲み込む音が私の耳元で聞こえる。


「ねえ、どんな気持ちであの絵描いたの?」


 耳を甘噛みすると、体が大きく跳ね、緊張で硬くなった久間の耳元で囁く。


「麻琴、知りたいなぁ」

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ