俺の人生。バッドスタート。
1話目です。19時頃にポコポコ投稿する予定なので皆様
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僕は勇者になりました。
僕は寂れた村の農家の子供でした。
若者はみな街の方へ行き、帰ってきませんでした。
北西に古くから栄えるといわれている、テスコの街です。
僕が10歳になった日、神様からお告げがありました。
「あなたがこの永き戦争に終止符打つのです、終わらせ
なさい、私の徒として力を与えましょうそうすればあな
たはこの戦いを終わりに導くことができるでしょう」
甘く蕩けるような衝撃が僕を優しく包み込んだ。
とても美しく、清らかな女神だった。
後光で姿は分からなかったが、
魔術がはびこるこの世界でも、確かに幻影とは言い難い、
そんな神々しさを持っていた。
しかし、今やもう七百と三十六年余り続いた、魔王との
戦争を一体どうやって終わらせると言えるのか僕にはそ
れが分からなかった。
「あなたは、十二歳の時。確かに、祝福を受けるでしょう。その時、名前を授けます」
「女神がその名のもとに誓いましょう」
「何も怖がる事はありません。」
「あなたに祝福があらんことを。待っていますよ。」
村のばーちゃんに習った。
勇者様というのは、寿命が長く、強く、人でありながら
人を超えた力を持っている神の使徒だ。
人々に平穏をもたらす人類の希望の光であると。
僕がそんなものになれるのだろうか、
このしがない村の中の子供が、そんな大層なものになれ
るのだろうか。
そんなことを考えているうちに二年が過ぎた。
村の中に炎が回る。
親がいない僕を育てたじーちゃんが、ばーちゃんが、焼け朽ちていく。
育てた野菜は踏み荒らされ、
景色はたった数分で信じられないほどに変わった。
遡ること一刻程、村に白い鎧を着たの男達が大勢入って
「女神様の信託だ、この村の子供を出せ。」
村長もうろたえていた。
じーちゃん達は僕を農具置きの中に隠した。
「一体どういったった事なのですか説明をくだされ」
「どのようなことでも関係はない、早く出すのだ」
「そうですか⋯しかし、残念ながら、この村には老いぼれしかおりませぬ。」
「しらを切るな。この村に子供がいるのは分かっている。」
「それもたった一人のな。」
声が聞こえなかったが村長と鎧の男が口論になっているのはわかった。
農具の中で怯えながら見ていると、村長が槍で貫かれたのか、背中から鈍い光が見え血を吐き倒れた。
そこからは、地獄だった。
自らに愛をくれ育ててくれたじーちゃん達が次々にいたぶられ殺されていく。
きっと僕を探しているのだ、そう思い駆け出した。
「僕だ!!」
「僕だけだ!!この村の子供は僕だけだ!!じい様やばあ様に手をだすなぁ…!」
泣きながらそう叫んだ。
すると騎士は、安堵したように微笑んだ。
そういった時にはもうすべてが遅かった、残っていたのは、
ばーちゃんひとりだけだった。
「ああ…なぜ…」
ばーちゃんがなぜ出てきたのかと問いかけた。
そして、そのばあ様も3秒後には首が落ちた。
あとから知ったが、この二年ほど前から、国の騎士の一部が、
神のお告げだといい、子供を攫っていたらしい。
そして、それに関して人体実験、邪教の生贄などの様々な噂がたっていた。
ここから俺の復讐。夢が始まったのだ。
今日は三話ぐらいポコポコします。
次は19時なので、しばしお待ちを(●︎´▽︎`●︎)