表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
78/87

〜新人冒険者の日常〜その8

 今日もギルドの前には多くの冒険者達が、ギルドが開くのを待っている。

 事前にクランメンバー全員で打ち合わせた結果、依頼は昨日の夜に話した2枚に絞ることにした。

 あらかじめ依頼の内容を知っている自分とユチェが、依頼用紙を取りに行く。

 自分たちで清書したものなので、すぐに見つけられるはずだ。


 「じゃあ、準備いいなユチェ」


 「もちろん、マークも色も覚えてるし、完璧だよ」


 心強い返事を返したユチェは、自信満々の表情だ。

時間になり、ギルドの扉が開かれる。

 走り込んだりはしないが、早足で掲示板の前に向かい、依頼を探す。


 「見つけた」


 張り出されている依頼用紙の一枚を剥がし、もう一枚の依頼用紙を探す。


 「あった」


 ユチェの方が早く見つけたらしい、指差された先には、確かに目的の依頼用紙があった。

 ユチェが立ってる位置よりこちらの方が近い、素早く依頼用紙を掲示板から剥がし、クランのメンバーと合流する。


 「ご苦労さん、そいつが言ってた依頼か?」


 「すまないな、本来は俺がやるべき仕事なんだが、助かるよ」


 ヤーセンさんとモリスさんに依頼用紙を渡す、2人は依頼の内容を確認して、顔を合わせて頷いた。


 「よし、それじゃメンバーを分けよう。北に向かうメンバーは、ヤーセンとビッツ達の3人、ジュンイツ、クオニ、俺達はヒロ達と一緒に森の調査だ」


 森の調査には、冒険者が10人必要だ、モリスさん達3人、こっちのパーティメンバーが6人、足りない1人に関しては、モリスさんが探してきてくれるらしい。


 「それじゃ俺達はメンバーも足りてるからな、先に依頼を受けに行ってくる、行くぞビッツ、作戦会議だ」


 「わかったヤーセンさん、それじゃあなヒロ、気を付けろよ」


 「そっちこそな」


 ビッツ達が受付に行くのを見送り、モリスさんが残りのメンバーを見つけてくるまで、暫くの間テーブルに着いて待っておくことにする。


 「いよいよ冒険者らしい仕事が出来るな、今日までずっと雑用ばっかだったからなぁ」


 「依頼を簡単に説明してくれないかヒロ君、僕達は簡単にしか聞かされてないからね」


 そう言われてみれば、モリスさんやアイザックには既に話していたが、他のみんなには話していなかったように思う。


 「依頼は簡単だ、ここから南に向かった先に、デカい森があるだろう?エルファナ大森林だったか」


 「うむ、森の入り口と言われる場所には、エルファナ村があるな」


 アイラが捕捉説明を入れてくれた、エルファナ村はエルファナ大森林に隣接する、かなり大きな村だ、エルファナ大森林で取れる植物や動物を生計にしていて、それに加えて林業も盛んらしい。


 「そのエルファナ村からの依頼が、森の様子が少しおかしいから調査をして欲しいって物だったんだ」


 「うん?依頼はギルドからって話だろ?それじゃエルファナ村からの依頼になるじゃねぇか」


 「まぁ聞けよ、その依頼で調査に向かった冒険者達が、依頼の期間を過ぎても戻ってこないらしい、その冒険者の調査、捜索と、エルファナ大森林の調査が今回の依頼だよ」


 エルファナ村からの依頼で、森の調査に向かった冒険者は全員で4人、未だに1人も帰ってきて居ないらしい。

 何かあったであろう事は間違い無いので、ギルドからの追加調査依頼が出たと言うのが、今回の経緯だ。


 「ヒロ、その冒険者達はどうなったと思う?」


 「わからないが、楽観視は出来ないだろうな、森で何か問題が発生してて、それの対処にあたってるって可能性はあるだろうけど、一番可能性としてたかいのは」


 「森で魔物でも発生して、それにやられたって所かな?」


 アイザックの予想は当たってる可能性が高い、自分もそう思う、魔物か魔獣かはわからないが、何かが森で起きているのだろう。


 「ねぇ、それって危なくない?大丈夫なの?」


 「だから調査人数を増やしたんだろ、危険だって分かってれば、調査の仕方も変わってくる、ちょっと全員で見に行って、やばそうなら逃げる、それで良いんだよ」


 だからと言って、安全だと言い切る事は出来ない、それでも討伐依頼に比べれば、比較的安全な依頼には違いない。


 「なんか出てくりゃ、倒しちまえば良いんだよ、その為に散々訓練してきたんじゃねぇか」


 「出てこないに越したことはないけどね」


 アイザックとカーズのやりとりに耳を傾けていると、モリスさんがローブを着た男を連れて戻ってきた。

 紹介を聞くと、銅級の冒険者で、魔法が得意だと言う事らしい、簡単に自己紹介と挨拶を済ませる。


 「よし、それじゃ依頼を受けて、作戦会議といこう」


 モリスさんは全員分の冒険者証を集めて、受付の方へ向かっていった。

 依頼の期間は2週間、銅級に上がって初めての依頼としては期間が長いだろうか、難易度として考えても、難しくはないが、優しいとは言えない。

 それでも、このメンバーならば大丈夫だろうと言う確信があった。


 「何笑ってるんだいヒロ?」


 「いや、冒険者してるなって思ってね」


 受付から戻ってきたモリスさんと、今回の依頼について作戦会議を始める、まずは必要な物の準備だ、日数分の食材や、野営の為のテント、使うであろう道具、色々と用意しなければならない。


 今回の依頼はギルドからの依頼なので、この辺りの費用はギルドが負担してくれる。

 もちろん費用には限度があるので、下手な買い物をしたりは出来ない。

 全員で用意するものを分担して集める事になった、それが済めば、ギルドが用意してくれた馬車に乗って、エルファナ村に向かう。

 そこから先は現地に着いてから、状況を見て考えていかなければならないだろう。


 「アイザック、準備を任せても良いか?」


 「任せておいてよ、でも、ヒロは何か別の用事かい?」


 「事前調査だよ、ちょっと調べ物をして、軽く情報を集めてみる」


 もう既に調査依頼は始まっている、今回の依頼を無事に終わらせる為に、出来る事はなんだってやっておかなくてはならない。

 仲間達に手を振り、まずは情報収集をする為に受付に向かう事にした。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ