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~見習い冒険者へ~その6

本日二本目です

 「それじゃ、事前に話しておいた通り、部屋代は人数割りで良いんだよな?」


 「ああそれで良いぜ、ってかそっちの方がヒロ達からすれば、ちょっと損してるんじゃないのか?」


 「仲介料だ、少しは持つさ」


 階段を下りて、再びボンと話をする、宿代や部屋については問題無い事を伝え、来月分の宿代を前もって払っておく。


 「毎度あり、それで、朝飯のほうはどうするよ、そっちは一月契約で一人当たり大銀貨1枚と銀貨5枚だ」


 朝ご飯か、付けておいて貰っても良いが、さてどうしたものだろうか。

 どうやらビッツ達は朝ご飯付きで契約を結んでいるらしい、最悪の場合、お金が尽きても朝ご飯があれば餓死する事はなさそうだが。


 「どうする?付けておいて貰っといた方が無難ではあるように思うけどな」


 「ヒロが一番朝ご飯とか食べなさそうだけどね、俺は付けて貰って良いと思うよ」


 「付けて貰うことには賛成だぜ、でもちょっと待ってくれよな」


 カーズがボンの前に出て話を始めた、値段交渉でもしているのだろう、怒らせない程度であるならば、ここは好きにやらせておいて良いだろう。


 「ユチェはどうだ?」


 「良いんじゃない?他の店の料金が分からないから、相場とかはなんとも言えないけど、ビッツ達も利用してるっていうなら、料金としては妥当な所なんだろうしさ、やっぱり朝食はあるっていう安心感はちょっと欲しいよね」


 決まりだな、カーズの交渉が終わるのを待って、追加の料金を払う事にした、料金はほんの少しだけ安くしてくれたみたいだ。

 ビッツ達の分の宿代は、マルクスとリリィが合流してから払ってくれる事になった、再び二階に上がり、部屋分けを済ませておく、一番奥からユチェとリリィ、ビッツとマルクス、残り三人という部屋分けに落ち着いた、ビッツはリリィ達が帰ってくる前に、荷物の移動を済ませておくつもりのようだ。

 少し時間がかかりそうなので、こっちも先に部屋の中に荷物を置いて、少しだけ休憩させてもらうことにした。


 「俺このベッド!」


 「どこでも良いよ、好きにしてくれ」


 「やっと一息付けるね、ここが俺達の拠点だって思うと、なんだかワクワクしちゃうよね」


 その気持ちは分からなくもない、新しい生活が始まるというのは、特に何に対してでもなく、なんだかちょっと期待してしまうと言うものだ。


 「それで、この後の予定は決まってるのかい?」


 「取り合えず町を見て回っておきたいかな、試験は明後日だから、明日でも良いんだが、まぁ早いに越した事はないだろう、日用雑貨に足りない装備、主に鎧だな、それとカーズの武器も買わなくちゃいけない」


 使う機会自体は当面の間ないかもしれないが、準備しておくに越した事は無い、資金の方もそれに合わせて準備をしておいた、武器や防具に関しては値段が曖昧ではあるが、ビッツやミークさんの話から考えると、概ね予想の範囲を出ないはずだ。


 「武器かぁ、結局何にすっかなぁ、やっぱハンドアクス辺りが無難なのかなぁ」


 実のところカーズが使う武器については、未だにこれと決まってはいない、今までは木を切るのに使っていた斧をそのまま使っていたが、そもそもカーズに関してはあまり武器を振る機会が無かったためだ。

 防御方面の技術だけは目を見張る成長を見せたが、その分攻撃方面ではからっきしになってしまった、このままでは良くないと思ってはいたのだが、結局のところ今まで引っ張ってきてしまった問題点だ。


 「いっそ両手とも盾を使えば良いんじゃないか?ほら、カーズはシールドバッシュとかも上手いし」


 「シールドバッシュで魔物が倒せるかっての、それに簡単に言うけどなぁ、盾で敵の攻撃受けんのも楽じゃないんだぞ、両手で盾二つ持つくらいなら、バカでかい盾を一つ両手持ちした方が、防御にしたって、そのまま盾で殴りつけるにしたって、そっちの方が強えっての」


 「あはははは、良いじゃないかそれ、盾を構えて体当たりして戦おうよ」


 「倒しきれねぇだろ!どうやって止め刺すんだよ!そのままこっちが殺されるっての!」


 「ははははは、やめろカーズ、笑わせるなよ」


 ちょっと良いアイデアかもしれないと思ったが、良く考えると実戦では余り役に立たなそうな気がする、そもそも殺傷力が低すぎる、とは言え、今の手製の盾よりもあと二回りほど大きい盾があれば、何かの時、例えば矢なんかの飛び道具を防いだり、魔法を防いだりするのに役に立つんじゃないだろうか。

 もういっその事カーズには優秀な盾使いになってもらうというのも、選択肢としてはありなのかもしれない、と言うか、このままいけばそうなるだろう。

 それにしても、何かしらの武器は持たせておきたい、そうなるとやはり使い慣れている斧、出来れば盾を使いながらでも取り回しの利きやすい、小型のものが無難な気がする。


 三人で馬鹿話をしていると扉がノックされた、どうぞと声をかけると、ビッツが入ってきた、荷物の移動は終わったようだ、いつの間にか帰って来ていたらしいリリィにユチェも一緒だ。


 「こっちは終わったぜ、ちょっと遅いがみんなで昼飯にしないか?どうせ食ってないんだろ?」


 「そうだな、取り合えず先に昼を済ませるか、その後ちょっと案内してほしい場所があるんだ、色々と買いたい物もあるしな、予定は大丈夫か?」


 「おう、マルクスも依頼が終わって帰って来るのは夕飯時になるしな、ギルドで出迎えてやりたいんだが、まだまだ時間はあるだろ」


 そうと決まればまずは食事にしよう、正直なところ町での食事というのは期待していた、村には無いものが色々と出てくるに違いない。

 折角なので昼食はこの宿屋で取る事にした、これから暫くの間は世話になるのだ、どんな料理が出て来るのか非常に楽しみだ。

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