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〜町から来た冒険者達〜その2

 広場は既に賑わいを見せていた、知った顔ではエリックさんやユチェの父親が露店を覗いている。

 とは言え、こちらの用事は買い物ではない、買い取って貰う方だ。

 買い取り用に設置されている露店では、同い年くらいの少年少女や子供連れの母親が、並んで列を作っていた。

 これは暫く時間が掛かりそうだ、四人で並んで、雑談をしながら時間を潰す。


 「しかし行商人の連中も、もっと武器とか積んで来て欲しいよなぁ」


 「仕方ないさ、日用品を沢山積んで来なきゃならないんだ、武具なんて積んで来れないって、需要ないだろうしな」


 「注文すれば持ってきてくれるかもね、でも俺達じゃ手が出せないよ」


 武具の発注は出来るのだが、ミークさんの話によると、町に出た時に纏めて買う方がずっと安上がりになるらしい。

 村から町に出て冒険者になる者は珍しくなく、大体の場合は町の古装備屋や、安価で売っている量産品店で揃えるのがセオリーなのだそうだ。

 先に町に出ている、同郷の先輩冒険者にお下がりを貰うなんて事もあるらしい。


 残念ながらこの村には、町で活躍している先輩冒険者は居ないので、自分達で揃える必要があるが、メアリーのお陰で二人分の武器は手に入った。

 革装備である程度は補える防具と違って、鉄製品になる武器はどうしても割増になる。

 四人分の装備ともなれば、安く揃えようにも良い価格になってくるので、メアリーの好意は非常に助かった。


 「この素材の買い取りをお願いします」


 いつの間にか順番が回ってきていた、アイザックが籠に入っていた荷物を、台の上に並べていく。

 革や薬の原料が主な売り物だ、カーズの作った干し肉なんてのもある。

 買い取り担当の商人は、革や原料の質を吟味しながら、アイザックにあれこれ聞いている。


 「うーん、全部で大銀貨6枚と銀貨7枚って所だな」


 「そう言うなよおっちゃん、切り良く大銀貨7枚までサービスしてくれよ」


 「坊主、おっちゃんじゃない、お兄さんだ。しっかりしてやがる、サービスしてやる、お前将来うちで働けよ」


 「悪ぃな、俺は冒険者志望なんだ、サンキューお兄さん」


 交渉はカーズに任せている、と言うか、放っておいても勝手に交渉を始めるので、好きにやらせている。


 この国の通貨は、一般的なもので6種類だ、銅、銀、金がそれぞれ2種類ずつある。

 これが本当に銅や銀なのかは分からない、もしかしたら未知の金属なのかもしれないが、色合いは近いので、個人的に分かりやすくて助かった、とりあえずは銅、銀、金と言う事にしている。


 丸い形をした物が価値が低く、四角い形の物が大貨と言われて価値が高い。

 同貨幣10枚で、ひとつ上の貨幣と同価値になる、中途半端に12枚だとかじゃなくて良かった、計算しやすくて助かる。

 日本円換算で下から順に、概ね10、100、1000と価値が上がっていく。

 大銀貨7枚なら、およそ70000円と言う訳だ。

 普段の月なら精々大銀貨5枚もいけば大成功なので、今月の稼ぎは破格だと言える。


 「見ろよ、やっぱ狩りが出来ると違うよなぁ、来月はもっと森狼や猪を狙っていこうぜ」


 「危険だとは思うけど、俺も賛成するよ、戦いの経験も積めると思うしね」


 「やっぱり戦いの経験積まないとだよね、訓練と違って、実戦はやっぱり怖いし、身体が上手く動かなくなるもん、それじゃ駄目だよね」


 「そうだな俺も賛成する、冒険者を目指す以上、危険な事にだって慣れておくべきだしな。いきなりもっと危ない相手とやり合う事になるより、全然マシだ。」


 買い取りが終わったので、露店の方も覗いてみる事にした。

 村では手に入らない調味料や食材なんかがメインだ、他には鍋やフライパンにナイフなど、日用雑貨が多い、本なんてのも売られている。

 流行りの恋愛物語だとユチェに説明された、騎士とお姫様がなんやかんやする話らしい。

 町ではこの物語を題材にした劇も披露されているそうだ、正直あまり興味が湧かない。


 「なぁ、この加工用ナイフ買っても良いか?俺のは親父のお下がりだから、そろそろ寿命なんだよ」


 カーズがナイフを欲しがっている、まだまだ冒険者になるまでは時間があるので、資金の方は多少の余裕はあるだろう、それぞれご褒美でもあった方が、モチベーションも上がるかもしれない。


 「良いんじゃないか?みんな頑張ってるんだから、ちょっと位欲しい物を買っても、問題ないだろう」


 「はいはい!私これ!旅行記!」


 「良いのかいヒロ?」


 「ちょっと使う程度なら問題ないだろ、今日稼いだ分以上にならなきゃ問題ないさ」


 「だったら、砥石でも買わせて貰おうかな、小屋にでも置いておきたいし」


 カーズも駄目元で言ったのか、いざ許可が出ると真剣にナイフを吟味し始めた。

 ユチェの旅行記は後々借りて読ませて貰うとして、折角なのでこちらもちょっと無駄遣いさせて貰おう。

 実は先程からドライフルーツが気になっている、農村では見かけない種類が多い、何種類か買ってみんなで食べてみるのも悪くない。


 「高ぇよ!みんなで他にも色々買うからさ!もうちょっと!もうちょっとだけ!」


 カーズが必死に値切りをしているのを横目に、ドライフルーツの説明を商人にしてもらうのだった。

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