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〜順応していく、農村での日々〜その15

少し短いですが。

 もう教会での仕事も慣れたものだ、朝起きるとまずは井戸に水を汲みにいく、昨日の飲み水や、手洗い用の水を交換して畑に撒く。

 畑に植えた根っこは、人参の様なもの成長してきた、まだ掘り出した事はないので、地中部分はわからないが。

 残念ながら、植えた根っこ全てが成長したわけではない、半分くらいは芽もださなかった。


 それが終わると身支度だ、軽く身体を拭いて、顔を洗う、そして教会に入り掃除をする。

 掃除が終わる頃には朝食時になる、メアリーが持ってきてくれた餅パンを軽く食べて、教会に訪れる人を待つ。

 軽い怪我の治療を手伝うのだ、自分の魔法の訓練にもなるので丁度良い。


 子供達の勉強が始まる時間帯になると、裏庭で木の剣を振ったり、座禅を組んで集中力を上げる練習をしたりする。

 この位の時間には、治療の目的で教会を訪れる人が減るので、手持ち無沙汰になるのだ。

 とは言え、全くこないわけではないので、人が増えた時の為に裏口のドアは開けておく。


 子供が帰る頃には既に昼時だ、メアリーから昼食を受け取り食べる、昼には減った水を補給する為に再び水を汲みに行く。

 水を入れ替えて畑に撒いた後は、教会で治療をしたり、村人の話を聞いたりする。


 暫く村人の対応をしていると、段々と訪れる人が少なくなっていく。

 その位の時間になると、大体毎日ユチェが教会に来る。

 ユチェはメアリーから魔法を教わっているのだ、その魔法訓練に参加する。


 基本的に魔法と言うのは、練習を繰り返せば誰でも使える、ただし、練度によってその効果は大きく変わっていく。

 攻撃魔法も使えるには使えるが、ユチェのものに比べて、威力は半分も出ない。

 逆にユチェの回復魔法は、傷の治りが凄まじく遅い、魔法全体の練度と、一つの魔法の練度はまた別のものなのだ。


 では、兵士も魔法を使って戦う方が良いのでは、と思ったのだが、魔力と言うのは、魔法を発動させる事以外にも使えるのだ。

 集中力を高めて、魔力を取り込み、練り上げ、それを武器に通す事によって、切れ味や打撃の衝撃力を上げる技術がある。

 こちらもなかなかに難しい技術で、目下アイザック達と練習中だ。

 動きながら集中して、魔力を集めると言うのは中々どうして簡単にはいかないのだ。

 やっぱり魔法剣士が万能で良いかなと思っていたが、茨の道を選んでしまったらしい。


 夕食の支度が始まる時間まで魔法の訓練をした後は、基本的に自由時間にしている。

 メアリーの家に行き、料理の手伝いをする事もあれば、裏庭でひたすら素振りしている時もあるし、教会にある本を読み耽っている時もある。

 これは夕食が終わった後も似たようなものだ。


 夜も更けてくると、寝る準備をするために、再度井戸まで水を汲みに行く、身体を洗い、さっぱりしたら、後はベッドに潜るだけだ。

 平日の基本的なルーティンだが、3日に一度はこれに洗濯が追加される。

 人手が足りなくて困っている家を、手伝いにいったりなんて時もある。


 何もかも分からない事だらけだった頃から、随分と村に馴染んで来たと感じる。

 今ではもうすれ違う人は、知っている顔ばかりになったし、始めは全く理解出来なかった言葉も、概ね詰まる事なく話せるようになった。

 日常で使う洗剤や油、調味料なんかも自作出来る分は作れるようになったし、文字もすらすらとは言えないまでも、問題ないと胸をはれる程度に読める。


 そう思うと、もう大分長い間ここで過ごしているのだなと気付かされる。

 この世界に来た日は正確に覚えていないが、そろそろ一年近く経つんじゃないだろうか。

 もう既に元の世界に帰る事は、殆ど諦めてしまっている。

 この世界に来てしまった以上は、この世界で何を為したいのか、今はもうそれを考えていかなくてはならないのだろう。

 

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