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〜今日から異世界生活、日常から非日常へ〜その10

短いですが、本日2本目になります。

 食事が終わったので、自分の部屋に帰る事にした、フロイド神父の部屋から出ると、シスターがこちらに歩いて来るのが見えた、正面口から歩いて来ているところを見ると、やはりシスターは別の所に住んでいるのだろう。

 お辞儀をして挨拶をすると、お辞儀を返してくれた。

 自分の部屋に帰り、ベッドに横になる、元世界のベッド程寝心地は良く無いが、別に気にする程の差でもない。


 ベッドに入ってから寝るまでの時間と言うのは、どうしても色々と考えてしまう、それが考えなくても良い事まで色々と。

 アイザックの事、ユチェの事、カーズの事、フロイド神父の事、シスターの事、教会の事、村の事。

 この世界の事は知りたい事だらけだ、自分でも魔法は使えるのか、魔物は居るのか、この村はどんな国に属しているのか、人間以外の種族はいるのか。


 そしてどうしても考えてしまう、元世界の事、もう会えないのであろう人達の事、父親、母親、兄、彼女、友人達、あちらの自分がどうなっているのかは分からないが、もし、死んでいたのだとしたら、みんな悲しんでいるのだろうか。

 ああ、もうみんなの顔も見られないのだな、もっと親孝行しておけば良かった、もっと兄とも仲良くしていれば良かった、もっと彼女と一緒に居たかった。


「みんな、ごめんな」


 もう涙を止める事は出来なかった、それでも、ここで生きていかなくてはならない、悲しくても、これからの事を考えていかなくてはならない。


 今の状態では、とても寝付けそうになかった、広場まで散歩でもしてみようか。

 勝手に出て行って大丈夫だろうか、とも思ったが、このまま寝ようとしても寝ることは出来ないだろう。

 靴を履き直して、部屋を出る、フロイド神父はもう寝ているのだろうか、正面口から外に出て、広場へ向かう。

 正面口は閉まってはいたものの、特に施錠はされていなかった、教会だからだろうか、それとも、この辺りはみんな、鍵はかけてなかったりするのだろうか。


 街灯などは一切ないとはいえ、月明かりに照らされている道は、特に問題なく見えた。

 月は元世界の、黄色や白と言った色合いではなく、青く光っていた、いや、それよりも、月が2つある。

 一瞬見間違いかと思ったが確かに2つある、今日はどちらも満月だが、やはりこちらの月も欠けていったりするのだろうか。


 広場についた、折角なので、井戸水でも飲ませてもらう事にする、ギリギリで手が届かなさそうなので、備え付けのバケツで水を汲む。

 手酌で水を掬い口に運ぶ、冷たくてスッキリする。

 井戸の中を覗き込むと、やはり中心で石が光っている、周りが暗い分昼間より良く見える。

 これもどうなっているのか、凄く気になる所だ。


 再び来た道を教会まで戻る、教会に入り、自分の部屋に帰って来た。

 先程より大分落ち着いている、これならば眠れるだろう。

 何もわからない異世界で、これからどんな事が起こっていくのか。

 期待と不安が入り混じった、なんとも言えない気分だった。

 

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