31 誰か教えてよ
この連休中に完結予定です(><)
修学旅行が終わり1週間がたった。
二年生の教室前の廊下には写真部の撮影した写真が掲載されだされていて、休み時間に自分たちの写真を探している姿があった。
「みてみて!写ってるよ!」
「うわぁうち半目になっとるし」
そんな会話が飛びかう中、教室で一人、机で俯せになっている少女がいた。
優美だった。
彼女のほっぺたのところには湿布がはってあった。そこをつねる優美。
痛かった。
それから俯せのまま窓の外を眺めた。現在は昼休み。外にはご飯を食べおわり遊んでいる男子生徒がいた。
…あれから1週間か。
優美はぼんやりと考えていた。
今日は全校で部活動がない日である。ただし男子の部活動の部長は部長会があり、生徒会と施設の割り当てや部費の話し合いがある。
たぶんそれが終わったら、朝倉絵里は蓮に…。
優美は想像してみた。
放課後、二人仲良く方を寄せて歩く後ろ姿。
絵里の話に、笑顔で応える蓮。
…私は……
・・・・・・・・・
気付いたら教室には誰にもおらず、教室もオレンジ色に染まっていた。
帰り際、いろんな人が声をかけてくれたのだが、よく聞こえてなかった。
…蓮は今ごろどうしてるんだろうか?
優美はカバンを持って教室を出た。
…あぁ、写真張り出してんだ。
ぼんやりと眺めていると、一枚の写真を見つけた。
それは、自分と蓮が二人で写っている写真だった。
電車内で撮った写真。修学旅行中はあまり話をしてないので、多分この一枚しかないだろう。
…なんで笑わなかったんだろうな、私。
そんなことを考えながら、
「…78番。78番。」
誰もいない校舎で、優美は一人つぶやいていた。
・・・・・・・・
気付いたらいつも部活をしてる場所にいた。
もうすっかり辺りは暗くなっていた。学校にいるのは、多分優美だけだろう。
…どうしたんだろう。こんなところに来て。
優美はゆっくりと特別教室の歩き回った。それから地べたに座り込み、体操座りになって蹲った。
いろいろ考えていた。今までここであったこと。これからここであるだろうこと。
だけど一つだけ共通点がある。
「…ねぇ、私はどうしたらいいんだろう。」
…やっぱりいやだよ。
「…私は、蓮がいないとだめなんだよ…」
…ねぇ、どうしたらいいのかな?
ねぇ…
「…誰か、教えてよ」
・・・・・・・・
『…まったく、あなたはホントに不器用なのね。』
聞き覚えのある声が聞こえた。
『…なんか、やっぱり私に似てるのかもね。』
そういって、彼女は優しく優美の頬に手を差し伸べた。
それを見て、優美は呟いた。
「…お母さん」
愛子「…だめだった。」
新城「いや、よくかんばったよ。お前の勝ちだった」
愛子「だめだよあんなの!先輩は調子悪かったみたいだし、怪我させちゃったし…
…なんか凄く卑怯だよ」
新城「…いいじゃん、よくがんばったよ」
愛子「でも…」
ガシッ
愛子「!?」
新城「…愛子はがんばったよ、だから…」
愛子「…うん。」
こうして新城と愛子は晴れて恋人同士になったとさ。
次回は優美とお母さんの対話、優美はどうするのか?
新城「まさか予告でおれらの話が完結するとは…汗」