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29 考えたくない


あれから3日がたった。



優美は相変わらずローテーションで、何をするにも集中できず、他のことしか考えていなかった。

今もそう。後ろの席で黒板を眺めているだけで、ノートは完全に閉じた状況だ。(もともと勉強はできるほうではないが、やる気は人一倍ある方だ)



…あと4日。


黒板の右隅にかかれている日付をみてふと思う。そういえばもう12月。もうすぐクリスマスがやってくる。


優美は去年のクリスマスのことを思い出していた。

えーと、確か部活が終わってから空手部の使う教室を占領して、仲のいい友達とみんなでクリスマスパーティーをしたっけ?そう、栞がケーキをホールごと買ってきてそれをみんなで食べたよね。それが終わったあと、蓮と二人で帰ってるとき、公園で野良猫にあって、持ってたパンをあげたりして…。



優美は自分の席の斜め前を見た。

去年のクリスマスに一緒に過ごした。…でも、今年は私のそばにはいないのかもしれない。そして蓮の隣には彼女がいるのかも…



考えたくなかった。

優美は俯せになって寝ているふりをした。





・・・・・・・・・






放課後。

大好きな部活動でさえ気合いが入らないでいた。



もちろん練習はこなしているのだが、いつものようは凄まじい覇気もなく、変な言い方をすれば普通の女子部員のような状況になっていた。



もちろんまわりもそれに気付いているが、体調が悪いのではないかと考えていたので、なるべくそっとしていようという感じでいた。



しかし、一人だけそう考えていない人間がいた。




「…やめ!じゃあ次は二人一組で組み手の練習ね」


部長である優美が声をあげた。まわりの皆もそれに答え返事をする。


それから優美はいつも組み手の相手をしている蓮の元へ向かおうとした。すると


「優美先輩!!」


後ろから声がした。振り替えるとそこには愛子がいた。


「……」


少し表情がかたく、何かを決心しているようだった。

そして、意を決したように叫んだ。



「優美先輩!!私と勝負してください!!!」





近くの運動公園にて。



愛子「…新城くんはまだ優美先輩が好きなの?」


新城「唐突だな、…まぁ、もう半ば諦めてるんだけどさ。

お前こそどうなんだよ?大野先輩は?」


愛子「もう諦めた。叶わないもん。

…なんかさ、私たちって似てるよね」


新城「…そうかもな。」



愛子「…ところで、優美先輩のどこが好きだったの?」


新城「ん?まぁ、力強いところだよな、やっぱり」


愛子「ふ〜ん。



……わかった、決めた!!」


新城「…何が?」


愛子「私がもし先輩に勝ったら、私たち付き合っちゃいましょ!」


新城「…は!?」


愛子「もしもだよ、もしも。

じゃあ決まりね、私、結構本気だから!!」


新城「…(どうしてこうなった?汗)」




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