28 くらい部屋で一人
「ただいま」
夜7時。優美は抱えていた大きな旅行カバンをドサッとおろし、それから靴ひもを緩めるとすぐに自分の部屋へ向った。妙に静かだ。おばあちゃんは今日は町内会で出かけていて、家には優美一人しかいなかった。
部屋に入ってからは電気も付けずしばらくぼーっと突っ立っていた。そしてそのままベッドに倒れこむ。旅行の疲れがどっときていた。
「……」
優美は目をつぶることなくベッドに蹲っていた。彼女は考えていたのだ。今日のこと。朝倉絵里にいわれたことを。
・・・・・・・・
「1週間後」
アトラクションの水しぶきのなか、何も言葉をかえせないでいた優美に絵里はそう告げた。
「1週間後の放課後、私は蓮くんに自分の気持ちを伝えようと思ってる。」
優美は頭のなかが混乱していた。
朝倉さんが蓮に?そんな、あまりにも突然すぎるよ。
でも、もし彼女が告白すれば蓮は…。
「私はホントに蓮くんのことが好きなの。
…あなたにとって、蓮くんは一体なんなの?」
「……」
・・・・・・・・・
結局何も言えなかった。
わからなかったのだ。自分にとって蓮はなんなのか?友達?幼なじみ?相棒?それとも…
真っ暗な部屋の中、優美はただ考えるのであった。
もし、彼女が蓮に想いを告げたら…
また、私は一人になってしまうのか?
いや、でも。
わたしが恐れているのはそんなことじゃない。
一人になることじゃない。
わたしがホントに恐れているのは………
水族館にて。
愛子「ねぇ見てよ!!超デカいサメがいるよ!!」
新城「……」
愛子「ちっちゃい魚もいっぱいいる〜♪」
新城(…これって、もはやデートじゃないのか…!?)
次回、愛子たちについに進展が!?!?
新城「予告編の予告をすんなよΣ( ̄□ ̄;)」