26 恐竜公園。
修学旅行もついに最終日を迎えた。みんな疲れているが、最後にいくユニバーサルが楽しみなのか、テンションも高く騒がしい様子。
しかし、一人かなりのフラストレーションがたまっている少女がいた。優美である。
結局京都では蓮はおろか他の友達ともろくに会話しておらず、ずっとイライラしていたのだ。周りの皆もそれを気に掛けてはいるのだが、優美の話し掛けないでオーラがあまりに強く、どうすることもできない状況だ。
それはユニバーサルについてからも変わらない。班のメンバーの後ろにくっついて歩く優美。
「…………なんなのよ」
優美は思わず呟く、前の方をみながら。そしてその前の方では
「ねぇ、今度はあっちいってみましょうよ!なんか凄く飛び出るらしいよ!!」
「あー、なんかしおり作るときにもいってたね」
「そうそう、すっごく楽しみにしてたの!!」
修学旅行の仕切り役の重圧に解放されたのか、絵里と蓮がとても楽しそうに会話していた。
もちろん蓮も優美の様子をずっと気に掛けてはいたのだが、実行委員の仕事がかなり忙しく、なかなか話し掛けてあげれない状態にあったのだ。しかも話し掛けてもそっけなく、正直どうしようもない状況だった。
蓮がそんな心配してることも知らない優美はもうイライラの限界だった。
なんなの、朝倉絵里。どうして蓮ばっかり。だいたいあなたのクラスメートじゃないでしょ!どうして私たちのとこにくんのよ!!
私だって、本当はもっと蓮と………
・・・・・・・・・
「ご、ごめん。私あーゆうのは苦手なのよ。
だから私抜きで楽しんできて」
そういって絵里が指差したのは高いところから急角度で滑り落ちるボート。どうやら絵里はこの手のアトラクションが苦手なようだ。
「そっかわかったよ、じゃあ皆いこう……
…優美?」
皆で入り口に向おうとしていたのだが、優美だけなぜか動かなかった。
「…ごめん。私もこれはパス、楽しんできて」
そういって優美は小さく手を振る。
蓮は不思議に思った。優美はこの手の乗り物は大好きなはず。(昔、優美につれ回されて絶叫マシーン苦手を克服した経験がある)それなのに…。
でも今の優美はおかしい。もしかしたら体調がすぐれないのかも。そう思った蓮は無理に誘うことはなかった。
「わかった。じゃあ二人とも下で待ってて!!」
そういって蓮たち一行は先に向った。
「…あのね、あなたに話があるの」
皆が行った後に優美が口を開いた。
「あら奇遇ね、私も話したいことがあるわ。」
バスセンターにて。
新城「…なんでこんなことに」
愛子「ごめーん、まったー??」
新城「いや、待ってな…!?」
愛子「ん?どうしたの?」
新城「い、いやなんでも
(あれ?なんか私服わかいい…)」




