表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
24/35

23 ベタな体育祭

…ごめん(´`)


9月某日、一年に一度の一大イベントが開催されようとしていた。


それは、そう!体育祭である。

クラスが一丸となって盛り上がる学校で最大級のイベント。どんなにやる気のなかった生徒も、当日になれば必ず全力を尽くしてくる。


そんな生徒がここにいた。


「おっしゃー!!やるからには全競技とってやる!!」


そう、桜井優美である。前日まで「空手の練習時間減るじゃん」とかブーブーいってたくせに、当日になるとこうである。今ならまわりの女子はおろか、男子よりもやる気あるかもしれない。


「…やれやれ」

それを呆れて見守る蓮である。


さて、今日桜井優美はどのような結果を残せるだろうか?



・・・・・・・


「…あ、赤組ぶっちぎりの一位でゴールです」


200メートル走、放送部もドン引きするほどの速さでゴールしたのはもちろん桜井優美である。あまりに差が開きすぎで同時スタートした生徒がとても淋しく見えてしまう。


「おーい蓮!!余裕だったぞー!!」


しかも自重しないで観客席の蓮に自慢する始末。蓮はあははと笑って、心のなかでまわりのみんなに謝るのだった。



・・・・・・


その後、100メートルも1位をとり、1500メートル走(男子も混じって)でも女子1位、総合2位という記録を叩きだした。しかも1500で負けたのは陸上部のエースで、残り数メートルの差だったというのが恐ろしい話である。


このまま出場競技で独走するかと思われたが、ある競技で思わぬ落とし穴にはまるのだった。




・・・・・・・



「次は、障害物競走です。」


「…よっしゃ!このまま全種目制覇してやる!」

そう意気込んでいると、優美の隣からクスクスと笑い声が聞こえた。


「ふふ、全くホントに男みたいね桜井さん」


優美はイラッとした。このムカつく声は…


「…あなたもでるのね、朝倉さん」

やはり朝倉絵里であった。絵里は優美の様子をみながらニヤニヤ笑った。

「桜井さんと同じ競技はこれだけみたいね、残念だけどこれは私が頂くから」


「…あっそう、絶対負けないから」


競技を前にしてすでに飛び散りまくりの火花。周りの女子はただ怯えるだけである。




「それでは位置に着いて、よーいドン!!」


ピストルの音とともに優美と絵里が飛び出した。周りの女子など寄せ付けず、平均台、網くぐりを余裕でこなしていく。それからタイヤを転がして所定の位置に収めて進んでいく、二人の差はほぼなし、全くの互角である。


そしてついに訪れたのは着替えゾーン、ここには紙があり、紙に書いてある衣装を着ないと先にすすめない。

二人は同時にそこにつき、そして神をめくった。



「「!?!?」」







二人は突然立ち止まった。そしてお互い呟く。


「……メ、メイド!?」


「……キ、キグルミ!?」


優美、絵里共に戸惑っていたが、二人の目が合った瞬間


「「……あぁもうしらん!!絶対負けない!!!」」


絶対に敗けられない戦いがそこにはあった。


優美はメイド服、絵里はクマの着ぐるみを急いで着だした。お互い構造が複雑でかなり時間がかかっている。

この間、観客席はかなりの盛り上がりを見せていた。無理もない。学年のアイドル二人が普段見られないような姿を見せているのだ。


「うわー女王のメイドだー!!」


「会長がくまさんにー!!」





男子の気持ち悪い声援が飛ぶなか、蓮は言葉を失い、ただただ見惚れていたのだった。



「「よし!もらった!」」


二人の着替えは同時に終わり、残る障害物もあと一つ。 ぐるぐるバットである。

二人は同時にバットをもち、それを額にあて、それから勢い良く回りだした。



「「……9、10!!」」


二人が同時にスタート!!しかし


「うわっ!?」


「えっ!?」


優美が慣れないメイド服のスカートを踏み、絵里は慣れない着ぐるみのせいでつまづく。そして二人はお互いの方向に倒れこんで



ゴチンッ!!


見事に頭をぶつけてしまった!


「…ちょっと桜井さん!!今のわざとでしょ!?」






「なにいってんのよ!!あんたこそわざとじゃないの!?」



こうなった二人を止めることはできない。

そうして二人は後ろの女子全員に抜かれ、仲良くびりになってしまったのだった。



「…大体わかってたけど、ひどいオチだな。」

そうはいいつつ、優美のメイド姿が見れて幸せを感じる蓮だった。




次回は修学旅行!!


物語は終盤へ……、




愛子「…喉枯れた」



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ