20 知らないとこで起こること
かなりの時間があいてしまいたしたが、これからしばらく連載を復帰しようとおもいます!!
物語が降って来たので。
パンッ
「またはずした〜!」
パンパンッ
「なんで!?なんで当たんないの!?」
優美と絵里は熾烈な戦いを行っていた(射的)。
しかし二人は余りに下手過ぎた。
両者一度も的に当たっていない。これでは勝負にならない。
それでも二人は続けるのだった。
「「おじさん!!もう一回!!!!」」
・・・・・
「…ったく、優美のやつ」
蓮は思わず呟く。
本来ならば、片思いの相手の優美と仲良く屋台を歩いていたはずなのに…。それがあの始末なのだからしかたないであろう。
やけくそになった蓮は現在一人で屋台をまわっていた。さっきまで三咲と匠も一緒にいたのだが今は別れていた、というか二人が予想以上にいいムードだったので蓮が遠慮して引いたのだった。
(アレ?この二人、こんなにいい感じだったか??)
世の中というのは知らないところで激しく変化しているんだなぁ…
そんなことを考えていると、
「お、大野先輩!!!」
何処からか聞き覚えのある声が聞こえた。
・・・・・・・
「あーあ、つまんないの」
その日愛子は一人で祭に来ていた。もともと友達と一緒にいく予定だったのだが、その友達が急にドタキャン、しかもその理由が祭の前日に彼氏が出来たから彼氏といく、というものだった。
心は広いほう、と思っている愛子であるが、さすがに機嫌が悪いようだ。
何よ、彼氏が出来たからっていきなり。
私だってさ、大野先輩と………
でも愛子は知っていた、蓮が優美たちと祭に行くことを。
そしてこれも知っていた、蓮が優美のことを好きだということも……
愛子は仕方がないから屋台をうろついていた。ホントは祭に行くつもりはなかったのだが、何となくやって来たのだ。
でもホントは少し期待していたのかもしれない。
誰かに会えることを。
・・・・・
その数十分後、期待していたことが見事に起こった。
蓮が向こうから歩いて来たのだ。
それも一人で。
愛子はさすがに焦った。脈がありえないほど早い、顔もだんだんほてってくる。
どうしよう?隠れようか?それとも…
そんなことを一瞬考えたが、結論を出す前に口が勝手に動いていた。
「お、大野先輩!!!」
蓮は少しびっくりした様子でこちらを向いたが、声の主が愛子であるのを確認すると、いつものように優しく微笑んだ。
「あ、森さんも祭来てたんだ」
「あ、はい。」
愛子は彼のこの笑顔が好きだった。思わず返事する声が高くなる。
「あれ?森さん一人なの??」
蓮が少し周りを見てから言った。痛いところをつかれた。
「そうなんですよ、友達が急に彼氏といく〜、何て言い出して」
そう不機嫌そうにいうと、蓮はアハハ、と笑って頭をかいた。
「あーねなるほど、俺と同じ状況だな、アハハ」
「うーん、そしたら、しばらく俺とまわろっか??」
「え??」
愛子は一瞬思考回路が停止したが、本能的に黙って頷くのだった。