マクドナフの町(鉱山の町)
ギルクリストからは馬車で2時間程の距離にある町。領主町からは北東にあたる。
鉱山が発見されて、新たに作られ始めた町である。ドワーフの鍛冶師が鉱山を見つけた事からドワーフの町と言われているが、鍛冶さえ出来ればいいという気質から、町の管理には携わっていない。
町は北にある鉱山の入口を背にする形で作られている。鉱山の入口近くには鉱石の集積所・加工所が並び、鍛冶屋の集まる工房街があり、その他商店が続く。加工、鍛冶の際に大きな音がするので、宿屋や住宅は離れた場所に建てられている。この町は、とにかく鍛冶を優先に建築されているのだ。
住宅地は、まだまだ建設中の建物が多く、道行く人はドワーフや冒険者が多い。肉体労働者が多い為か、飲み屋が充実している。
南門から入ってすぐに広々とした空き地があり、テントが張られて、家や宿が出来るまで生活するための場となっている。時計台と公衆浴場がある。
通常町の警備は役場が行うが、この町にはまだ設備も人手も揃っていない為、冒険者ギルドで行っている。本来、ギルドは国からの干渉を受けない独立した機関だが、魔物の発生が多かったメルヴィル領では、領主との連絡を密に取っており協力関係が築かれている。領主の期待のかかっているこの町に派遣されている人間は、伯爵からの信頼も厚い優秀な人材が揃っている。
ある出来事以降、稜真は『リョウマさん』と呼ばれ、アリア以上に慕われる羽目になり、稜真好きにあふれた町になっている。アリアは、冒険者達に『お嬢』と呼ばれている。
●デリック(初出112話)
アリサの父。大工。ある親方の元で働いていたが、下の子が生まれたのを機に独り立ちを決意。仕事の多そうなマクドナフへ移住してきた。
マクドナフへ向かう途中で馬車が立ち往生し、稜真達に助けられた。見上げるほどに大きな男。
一家は全員、明るい茶色の髪と緑の瞳である。
18才で結婚、現在30才。
フリーダと共に、アリアが高名な冒険者であったと知ったが、今まで通りに接する。
●フリーダ(初出112話)
アリサの母、28才。16才で結婚。
●アリサ(初出112話)
12才。アリアの友人。アリアと年齢も身長も同じで、雰囲気も似ている。
一人称は私。大工になって父を手伝おうと考えていたが、弟が生まれたので冒険者になって家計を助けたいと思っている。癖のある髪をポニーテールにしている。
稜真の年齢を一発で当てた。最初はアリアが見習いで、稜真に教わっていると思っていた。
両親を父さん、母さんと呼んでいる。
アリアと一緒に町の依頼を受けた。
後にアリアが伯爵令嬢であり、噂の冒険者であったことを知る。稜真を尊敬している。
●ティム(初出112話)
男の赤ちゃん。アリサの弟。
そらの歌と踊りを見て以来、そらが大好きになった。
(↓218話)
そらのぬいぐるみを持っている。(フリーダ作)
ももを歯固め代わりに齧るのが好き。
●ダルコ(初出113話)
一人称は俺。背の低いがっちりした体格のドワーフ。こげ茶色の髪と髭をしている。年齢は3~40代。武器専門の鍛冶師である。
武器の事となると暴走する傾向にあり、町で稜真の刀を見て暴走した。
ノーマンとネヴィルが護衛した。その依頼の時、ノーマンとネヴィルは苦労させられたらしい。火と鍛冶の神グスターヴァスの加護持ちで腕が良かった。
迅雷に手を出してから鍛冶が出来なくなり、酒に逃げる。
(↓152話以降)
ルクレーシアがダルコの行動を知り、存在を消そうとした。神々が止めたが、創造神の暴走により世界の均衡が乱れる事になった。創造神の呪いを受け、刀しか打てなくされている。
(↓215話の次の閑話以降)
グスターヴァスが人界に降り、ダルコに刀の打ち方を教えている。
●ギルバート(初出113話)
マクドナフの冒険者ギルド長。一人称は私。
年齢は26~7歳。眼鏡をかけている。ギルド長にしては、驚きの若さである。
ノーマンとネヴィルの飲み友達。アリアが伯爵令嬢だと、2人に漏らしてしまった。
ギルドの仕事と町の雑務を一手に引き受けており、書類の山に埋もれている。
笑い上戸。職務時と、アリアと稜真に対する時は丁寧な口調。ノーマンとネヴィルにはため口。
●ナンシー(初出117話)
酒場の給仕。橙色の髪を後ろで1つに結んだ、30代位の気風の良い女性。
●ポーラ(初出122話)
アリアとアリサが依頼を受けた商店の奥さん。
一人称は私。淡い金髪に水色の瞳をした線の細い、優し気な女性。生まれて間もない子供がおり、家事と店に手が回らなくなったので、ギルドに手伝いを依頼した。
17才と年齢も近く、アリアとアリサとは友人関係になり、お互いに呼び捨てで呼ぶ合うようになる。
夫のシドとは年齢が離れているが、初めて会った時に離したら駄目だと感じたポーラからせまって押し切った。
彼女もアリアの事を知っても、今まで通りに接している。
●ウィル(初出122話)
ポーラの子供。首が座ったばかりの男の子。ティムよりも半年年下。
アリサが子守りの依頼を受けた。
●シド(初出126話)
ポーラの夫。20代後半。ポーラとお似合いの優しい男性。一人称は僕。
年下のポーラに頭が上がらない。
米と醤油を仕入れたが、レシピを書いた紙を無くして妻に叱られた。
●ミーリャ(名前が出たのは127話の次の閑話)
一人称は私。ギルドの受付嬢。
紺色の縮れた巻き毛と同じ色の瞳。小柄だが女性らしい体つきの美人。一見おとなしい印象の女性。
ドワーフの父と人族のハーフ。普通の人族と違う点は、少し身長が低く力が強いくらい。
他領からの移住者。活性化しているメルヴィル領の話を聞いた父親が、新しい鉱山で仕事がしたいと家族全員で引っ越して来た。
むさい冒険者に辟易していた所、爽やかな稜真の声と笑顔に癒されてファンになった。ドワーフの種族特性として、1つの事にのめり込む性質があるのだが、それが稜真に向いたらしい。稜真に関しては暴走しがち。
アリアと意気投合している。
ダルコと家族ぐるみの付き合いがあり、おじちゃんと呼んでいる。
●ベティ(名前が出たのは127話の次の閑話)
一人称は私。ギルドの受付嬢。
真っ直ぐな葡萄色の髪と瞳。しっかりしたお姉さんの印象。
昔、ベティが16歳の時、住んでいた村が魔獣に襲われ壊滅しそうになった。その時、当時6~7歳のアリアに助けられた。その経験から少しでも手助けがしたいと、ギルドで働き始めた。
ノーマンに対する態度がぞんざい。
152話からノーマンを呼び捨てにしている。
●ザック(初出127話)
30代位。厳つい顔をした血の気の多そうな男で、大柄で筋肉質な体形。他領から稼ぎに来ているCランク冒険者。
Dランクの稜真が初心者の少女2人を連れて外の依頼に出ようとしているのに気付き、止めようとして稜真に絡んだ。
稜真と手合わせをし、実力を思い知らされた。
鍛錬も欠かさない真面目な冒険者で、面倒見のいい男。
●キーラン(初出122話。名前が出たのは130話)
一人称は私。ギルドの依頼を受けたアリアの護衛。鼠色の短髪をつんと立たせ、濃紺の瞳の長身の男性。Bランク。
影からこっそり護衛していたが、ことごとくアリアに見つかって落ち込む。
アリアを尊敬してあり、アリアだけには丁寧な口調で話す。
アリアを抱き上げて運んだ事や、アリアに気にかけて貰って嬉しそうな様子から、稜真にロリコン疑惑をかけられた。Bランクの斥候職。
(↓143話)
ミーリャが好きで、稜真をライバル視している。
後にギルバートの補佐になった。
●スパイク(初出132話。名前が出たのは138話)
サイクロプスが町を襲った時、西門でアリアを追い返そうとした男。他領出身。3人の中でも一際大きくゴツい。外見にそぐわない律儀な男。
嬢ちゃん呼びがお嬢に変わる
●レニーとソール(初出138話)
スパイクの仲間。
●トムソン(初出134話。名前が出たのは135話)
オークキング退治のメンバー。メルヴィル領出身の年配の冒険者。アリアに戸惑っている他領の冒険者に話したアドバイスが、後に冒険者だけでなく、メルヴィル領に定住しようとする者には、必ず伝えられるようになる。
『まずは常識を捨てるこった。そして、アリア様と従者様のする事をあるがままに受けいれる。自分がどう対すればいいか、なんてのはな、自分の目で見て決めればいい』
【218話以降の登場人物】
●エクバート(初出218話)
実はオーク討伐に参加していた、稜真好き冒険者3人組の1人。3人共ミーリャを姉御と呼んでいる。
普段はザックと組んで、4人で活動している。
一人称は俺。比較的真面目で3人の中ではリーダー格。ザックがいる時は、ザックが仕切る。
稜真に贈ったエプロンは、水色地に裾と胸元に花の刺繍がされた、形はシンプルなエプロン。
●アスラン(初出218話)
一人称は俺。
稜真に贈ったエプロンは、真っ白でひらひらのフリルが沢山ついている、可愛らしいエプロン。
●イグジット(初出218話)
3人の中では1番緩い人物。食欲旺盛。一人称は俺。
語尾に「~っす」を付ける。
一人称は俺。
稜真に贈ったエプロンは、ピンク色でひらひらのフリルが沢山ついている、可愛らしいエプロン。
●マージ(初出218話)
酒場の店主。シルバーグレイの髪の落ち着きのある中年男性。
稜真が手伝った際に、お互いレシピを教え合い、すっかり仲良くなった。
●レズリー(初出219話)
食堂の店主。稜真に指名依頼を出した。
研究熱心な男。
●リラ(初出395話)
魔亀に本体の花木を潰されそうだった所を、稜真に助けられた、若草色の髪に水色のメッシュが入っている。ワンピース姿の幼女。一人称は私。
本体は水色の花房をつけた花木。
セードゥルにリラと名付けられ、伯爵家に引っ越しを決めた。