るりりちゃん
障碍者は基本優しいのかもしれませんね。私の知人の話をもとに作りました。
今日はやるる君の生活保護費が支給される日です。やるる君はお金をおろしに銀行へ行きます。
今日は恋人のるりりちゃんと月に一度のデートです。二人は映画を観ることに決めています。るりりちゃんが映画が好きだからです。
「るりりちゃん、こっちこっち」
待ち合わせの場所でやるる君はるりりちゃんを見つけました。早速、二人で映画館に入りました。
「今日は何を観る?」
やるる君はるりりちゃんに訊きます。
「ホラー映画。」
「そうしよう。」
二人は券を買い、室内に入りました。
二時間後
ホラー映画に目を回したやるる君と、面白かったねぇ、と言うるりりちゃんが映画館から出てきました。
二人はそのまま食事に行きました。
「ねえ、あのシーンは…」
るりりちゃんはホラー映画で見た恐ろしいシーンをさも楽しげに話します。やるる君は自分の食べているものがなんだかホラー映画で観たもののように感じ、食欲をなくします。
「あれ? 食べないの?」
るりりちゃんは訊きます。
「あげるよ。」
やるる君はスープだけ飲み、食事を終らせました。
こんな、るりりちゃんですが、優しい女性です。
二人の出会いを言いましょう。
二人は同じ学校の同じクラスの生徒でした。やるる君はその時から生活保護を受給していて、大変貧乏でした。ある時、ノートが買えなかったので、黒板に書かれたものを教科書に書いていました。それを見たるりりちゃんはノートをそっと差し出し、使って、やるる君にあげる、と言ってくれました。
それからしばらくして、二人は付き合いだしました。
こんなにも、るりりちゃんがやるる君に優しいのはるりりちゃんが障碍者だからでした。
食事の後、二人は公園に行きました。公園にはアヤメが咲いており、ゆらゆらと風に揺らめいていました。