楽天家たち
とある人の体験談やテレビでの話をもとに書きました。
やるる君は生活保護で生活しています。今日も一生懸命生きています。
昼の十二時。やるる君がお昼を食べようとしていると、そこに、やっぱり生活保護のとるる君が来ました。
「やるる君、おなか減っちゃった。何か食べさせて。」
「いいよ。」
やるる君は親切です。とるる君が唯一の友達だから大切にします。
「はい、どうぞ。」
出された料理はマヨネーズかけご飯です。
「うーん、何かもう一つおかずがほしいな。」
やるる君は言いますが、思いつきません。
「裏山にいる動物を捕まえよう。とるる君、手伝って。」
「そうだね。そうしよう。」
二人は裏山に行きました。
裏山はうっそうと茂っています。ここには動物たちがいます。
「さあ、わなを仕掛けよう。」
やるる君と、とるる君はわなを仕掛けます。
「さあ、これで良し。」
二人は獲物がわなにかかるのを待つことにしました。
一時間、二時間と待ちますが、一向にわなには動物はかかりませんでした。
「こまったなぁ。」
やるる君は言います。それにとるる君はこう答えます。
「仕方ないから、マヨネーズかけご飯でいいよ。」
「そうしよう。」
二人は裏山からやるる君の家に戻ってきました。
「あれ、マヨネーズかけご飯がない!」
どうも二人が出かけているうちに泥棒に入られたようです。
「こまったなぁ。」
二人はこまり果ててしまいました。
すると、不意にやるる君が、『あ!』と声をあげました。
「見て、敷居のところ。シロアリがいるよ。」
「大変だ、家がつぶれちゃうよ。どうするんだい、やるる君?」
「待って、それより、シロアリって、炒って食べると美味しいんだよ?」
「本当かい、やるる君。」
「未来の食べ物は昆虫さ。そうれ、捕まえろ。」
二人はシロアリを捕まえました。そしてシロアリを炒ると早速食べました。
「あ、本当だ。香ばしくっておいしい。」
二人は仲良く、シロアリを食べました。
「もっと食べたいなぁ。」
流石にわずかなシロアリしかいません。
「もっとシロアリを捕まえよう。どうすればいいんだろう?」
「煙であぶって、捕まえようよ。」
「よし、やるる君、何か燃やすものあるかい?」
やるる君は探しますが、部屋には何もありません。
「何もないよ、とるる君。」
「仕方ないなぁ、それじゃ、これを使おう。」
とるる君はポケットから、煙草を取り出しました。そして、火をつけ、煙草を燃やすと煙がもくもくと立ち上ります。
「ようし、これでいい。」
シロアリはものすごく出てきます。
「わーい、これでたくさんシロアリが食べられるぞ。」
二人はシロアリを捕まえ、炒って、たらふく食べました。
おなかいっぱいになると、とるる君は家に帰りました。
「煙草も必要なんだなぁ」
やるる君は、それでも僕は吸わないんだ、と思いました。だって、それだけのお金があれば食事ができる、と思ったからです。