プログラム:8 《嗚呼・・・可哀想な乞食》
「坂野、坂野、坂野…」
眼鏡が転がった音で我に返った結城は、
涙を頬に伝わせながら炭なった親友の名を呼んだ。
しかし、炭になった親友から声が返ってくることは、
二度となくなったのだった。
「どうして…?どうしてなんだよっぉおぉ!!」
結城は坂野の黒ぶち眼鏡を手にとって叫んだ。
その光景を、あたしたちはただ悲しそうに見つめているしかなかった…。
フフフッ…。
可哀想な結城。
僕たちがかけてあげる言葉なんて、
今の結城には同情にしか聞こえないね…。
親友が炭になった。
さぁ、どうして?
どうして?
さぁ、どうしてだろうね。
悪魔は自分を拒んだ坂野に憎しみを覚えたのでは?
悪魔は坂野を恨み
そして、
燃やした。
彼の命を。
嗚呼、可哀想な坂野。
嗚呼、健気な結城。
親友は炭になってしまったよ。
もう戻っては来ないんだよ。
いったい彼はどんな気持ちなのだろう。
苦しい?
痛い?
悲しい?
そんな軽いものじゃないでしょう?
もっと、
もっと辛い…
酷く怯えたキモチ。
結城、きみはツイてるね。
次はきみかも。
だって悪魔を拒むんだろう?
そんなの、僕は許さないよ。
僕を拒んだら
死が待っている☆
結城
きみは
悪魔を拒むか
死を選ぶか…
このゲェムに勝つか…
その三択しかないよぅ。
もしこのゲェムをするのだとしたら
きみは
たぶんマケル♪
悪魔…それはいったい何者なのか…。