プログラム:38 《可哀想なキミに、赤い花束を》
・・・――ただいま!お母さん!
おかえり、今日は早いのね。
うん!だってさ、今日はさ、奏の誕生日だもん!
うん、誕生日くらい、友達と遅く帰ってきてもいいのよ?
ううん!奏は早く帰りたかったの!お母さんとお父さんと一緒に、ケーキ食べるんだもん!
そうね、ケーキは奏の大好きないちごのケーキよ。
ほんと?!やったぁ!!
・・・アレ?これ、いつのときの・・・?
思い出せないや・・・。なんか・・・鳥肌が立ってるのは・・・どうして?
恐怖で寒気がするのか、懐かしくて涙が出るのか、わからない・・・。
なんで?どうして?
オナジ言葉が頭を巡る。
それは、あたしの頭を支配して、きっと、悲しみしか残さないのだろう・・・。
嗚呼・・・助けて。
あたしの、冷たい身体を支えてください・・・誰か・・・。