プログラム:27 《キミたちがいたか ラ》
ふざけんな・・・。
俺だって、諦めたくは無いんだよっ・・・!
モヤモヤした気持ちを抱えて、尚人は階段に座っていた。
あれからノゾムたちのところに戻ろうか考えたが、やはり戻ることが出来なかった。
―いいんだよ。あいつらんとこ行けば、今度こそ俺は邪魔もんになる。
尚人はふてくされたように、慌てふためいて逃げ回る教師たちや生徒達を横目で追っていた。
―俺は、あいつらと出会えただけで良かったんだ。
「ハァー・・・。」深くため息をついて、うなだれた。
―ちょーこえーよ・・・。
尚人はあくまでも声には出さず、ただじっと、時が経つのを待っていた。
―早くこんなゲーム終わって、またあいつらと学校に行かなくちゃな・・・。
―あいつらだって、きっとこんなゲームが終われば、俺のところに戻ってきてくれるはずだ。
・・・絶対・・・に・・・。
「ねぇ、その髪の毛、染めてんの?ちょーキンキラじゃん。」
一人の男子が言った。大体三、四年生ぐらいの奴だ。
「ううん。地毛だよ。」
素直な相手は、そう答えた。その子も三年、四年ぐらいだ。
「げっ、お前もとからこうゆう髪なのかよ。きもちわりぃー!」
そう言うと、その男子は走っていった。
相手は、何も言わずその男子を見つめて、自分の髪の毛を触った。
金髪っぽくてなにが悪い、とでもいいたげな表情だ。
周りの人たちは、みんな黒とか茶色。
その子の髪の毛はとても目立った。
それと同時に、彼はみんなの輪から外されていた。
「ねぇ、あそぼ・・・」
ボールをもっていたその子の肩を、一人の男子が突き飛ばした。
「うるせーよキンパツ!」
「怖くない?あの髪の毛。」
「顔も超怖いしねー。」
みんなの悪口を聞きながら、その子の持っていたボールは床に落ちていった。
なんだよ。
そんなに俺が凶悪にでも見えたのか?
ふざけんなよ。
俺は別に悪いことはしてないだろ?
その子はとうとう、誰とも話さなくなっていた。
髪の毛だって、そのままにしておいた。
染めようとだってした。
でも、今ごろ染めたって遅いと思ったんだ。