表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
28/40

プログラム:27 《キミたちがいたか ラ》




ふざけんな・・・。



俺だって、諦めたくは無いんだよっ・・・!








モヤモヤした気持ちを抱えて、尚人は階段に座っていた。



あれからノゾムたちのところに戻ろうか考えたが、やはり戻ることが出来なかった。








―いいんだよ。あいつらんとこ行けば、今度こそ俺は邪魔もんになる。



尚人はふてくされたように、慌てふためいて逃げ回る教師たちや生徒達を横目で追っていた。





―俺は、あいつらと出会えただけで良かったんだ。





「ハァー・・・。」深くため息をついて、うなだれた。










―ちょーこえーよ・・・。



尚人はあくまでも声には出さず、ただじっと、時が経つのを待っていた。




―早くこんなゲーム終わって、またあいつらと学校に行かなくちゃな・・・。



―あいつらだって、きっとこんなゲームが終われば、俺のところに戻ってきてくれるはずだ。







・・・絶対・・・に・・・。


































「ねぇ、その髪の毛、染めてんの?ちょーキンキラじゃん。」

一人の男子が言った。大体三、四年生ぐらいの奴だ。




「ううん。地毛だよ。」

素直な相手は、そう答えた。その子も三年、四年ぐらいだ。



「げっ、お前もとからこうゆう髪なのかよ。きもちわりぃー!」

そう言うと、その男子は走っていった。





相手は、何も言わずその男子を見つめて、自分の髪の毛を触った。



金髪っぽくてなにが悪い、とでもいいたげな表情だ。


周りの人たちは、みんな黒とか茶色。



その子の髪の毛はとても目立った。



それと同時に、彼はみんなの輪から外されていた。









「ねぇ、あそぼ・・・」

ボールをもっていたその子の肩を、一人の男子が突き飛ばした。



「うるせーよキンパツ!」


「怖くない?あの髪の毛。」


「顔も超怖いしねー。」


みんなの悪口を聞きながら、その子の持っていたボールは床に落ちていった。



なんだよ。


そんなに俺が凶悪にでも見えたのか?



ふざけんなよ。


俺は別に悪いことはしてないだろ?







その子はとうとう、誰とも話さなくなっていた。






髪の毛だって、そのままにしておいた。




染めようとだってした。


でも、今ごろ染めたって遅いと思ったんだ。












評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ